夢オチ記事は今のところ133件らしいけど、

周囲に聞いてみても、割と夢はよく見る方だと思う。

もちろん、133件てのは割とはっきり憶えてて、こっちにも書けそうな内容に絞ってるから、

少なくとも倍以上の回数は、夢を見ている。

 

夢ってのは不思議で、

はっきり見ていた夢でも、起きるとたちまち忘れていくものが多い。

そういう時、で、尚且つまだゴロゴロしてられる時は、

目を閉じて、ほんの少し前まで夢を見ていた、ボンヤリとした頭のままで、

何度も何度も、憶えている内容を再生する。

神経がどう繋がってそうなるのかは知らんけど、

そうしてると、ある瞬間に、ぱっと思い出せることが多い。

 

憶えてたのは、

段差のない、カートを押したまま乗れるような、滑らかなエスカレーター。

上へ上へと昇るけど、途中で一人の少女が前に乗っていた。

少女の背中はどんどん遠ざかって行って、

自分もと乗るけれど、そのエスカレーターは下り用なのだ。

昇ろうとしても、当然、戻される。

なぜだか、少女は立っているだけなのに、上へと運ばれていく。

 

ああ、この先は行けないのだ。

そう理解して、今度は下る。

エスカレーターと窓の間にできる、狭いレールを滑って下っていく。

急いでいた。焦っていた?なぜだかよく思い出せない。

何階分か下った先で、待ち構えていた連中を見て、

下った勢いのままに避けようとするけれど、相手は5、6人いるからそうもいかなくて、

身体のどこかに何かが刺さった感覚と、ペンダントのトップが撃たれて、

もうそろそろ、逃げても無駄かな、と立ち止まる。

 

そこまで。

 

そこまでを、繰り返し繰り返し、再生する。

確かに、その場面に至るまでも、夢を見ていたはずなのだ。

ほんの少し前まで見ていたはずなのに、すっかり忘れている。

 

そして、ぱっと出てくるのだ。

 

包帯を巻くように、白いテープを巻かれた如雨露。

『なんで壊しちゃったの?』意味は違うけれど、

『じゃあ、その時は呼んでね』大きな目の、彼女。

 

そう、ここに。

引っ張られるように、次第に、思い出していく。

 

板状の保冷材に出来そうだな、とか思った、紅茶のペットボトルを持つ男性。

『どこどこの女子大学から来るんだよ』

 

渡り廊下から、向こうの棟の屋上を見上げた。

それを、思い出す。

 

一緒に、彼女がいた。

向かいの棟の屋上に、10人くらいの人だかりが見える。

その中に見知った顔を見付けて、

彼女が捜しているのがその人だと判って、『あそこにいるよ』

けれど、その人物はすぐそこにいた。

なぜだか、内臓のようなものが腹から飛び出ているけれど、

特に気にした風でもなく、誰かと話している。

 

そう、屋上へ行きたかったのだ。

着いた先は、屋上のはずなのに地面があって、遥か下に川と、

その向かいに河川敷があった。

足元の小さな水溜まりに、きらきらと銀色に光る稚魚の群れを見つけた。

河川敷には黄色い化物(ビッグバードみたいなやつ)がいて、

何をするのかと思っていたら人を襲い始めたから、

周囲の人達に避難するように言って、

いちごプリンの容れ物を探すように言われて、

それを探して・・・・・

 

だめだ。

もう、手詰まり。思い出せない。手繰り寄せる糸も見つからない。

なんでいちごプリンなの?とか、知らねーよ。まじで。

 

まあ、大体いつもこんな風に、断片を思い出しながら、消えかかっている糸を掴んで、

手繰り寄せながら、夢の内容を思い出している。

 

今朝の夢も記録しておく程かな?とは思ったけど、

夢自体じゃなくて、その後に思ったことを記録しておきたくなっただけだ。

 

もう大分いい歳になったし、身体的な衰えは自覚していて、

昔みたく、徹夜とかできなくなってきたなあ、と思って。

どんなに仕事で締切に追われていても、あまり無茶せずに、素直に寝るようになった。

きっとこうして、

歳をとるにつれて、どんどん寝ている時間が長くなって、

いつか、寝たまま、起きなくなるんだろうな。

 

まあ、それは誰しも最終的にはそうなるわけだけど、

最期の時も、こんな風に夢を見るんだろうか、とか思って。

 

もしも見るなら、最期に見る夢はどんな夢なんだろうと、

少し楽しみに思った。

それが走馬灯ってやつ?なのかとも思ったけれど、

自分のことだから、いつもみたいに意味不明な、訳わからん夢を見そうな気もする。

どんな最期かなんて誰にもわからんから、知らんけど。

 

それを、憶えていたかった。