前回の続き。
//////////!注意/WARNING!//////////
ネタバレ全開です。
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・エクス・マキナ
今までロボット関係の映画は適当に色々観てきたけど、割とどれもドンパチありーの、暴走ありーので、人間の支配を脱した機械の怖さとか、その頑丈さからくる怖さ(なかなか壊れない)みたいなものを描いてたものが多かったと思うんだけど。
この映画は本当に静かな映画だった。その静かさが怖い。
とても怖い映画だった。
キル・コマンドに期待して借りてきたけど、こっちのがずっと面白かった。
すんごい簡潔に言うと、人間がロボットに騙される話。そんだけ。
でもそこには怖さがある。閉じ込められてるロボットは、どうにかして外へ出たい。出る方法は一つだけ、やってきた人間を利用して自分の味方に引き込んで、ーーー外へ出る。
好意を持っている振りをして。
相手にも好意を持たせるように仕向けて。
味方にして協力者にして、人間だったら、一緒に外へ、なんて。
最初は振りがいつの間にか本気に、なんてロマンチックな展開になるんじゃないか。
そこが絶望的なんだ、この話は。
正直、最後まで一緒に出るものだと思ってた。
誰が見ても本物の女性と思えるように身支度をしたロボットは、恋人とさえ思わせるような「振り」をしていた主人公に対して一目もくれずに牢屋を出て行った。
代わりに、主人公と生みの親を牢屋に閉じ込めて。
目的は果たした。
自分が外へ出られれば、その他のことはどうでもいい。目をくれる価値もない。
感動的な程に残酷で機械的な行動で、自分は本当に怖いと思ったし、本当に…美しいと思った。溜息が出るほどに。
これこそが機械だよなあ、って。
但し飽く迄自分が好きなのはハッピーエンドだから、そこは主人公と一緒に出て欲しかったんだけどね。でもそうじゃない、本来はそうあるべきではない。そういう甘ったれた期待への裏切りも、清々しい程の絶望にも、不思議と心惹かれる映画だった。きっと後味悪いっていう感想が多いんだろうけど、何でかな、自分にはとても納得できるお話だったんだよ。
狂気の加速していく後半の怖さといったらない。
あれだね、旧型の映像がマジで怖かった。腕がもげてもドアを叩き続けてるやつ。女性にしたのも納得かもね。怖さが倍増してるよ、多分。
自分は主人公と同じタイプだから、自分を重ねて悲しくもなったよ。
きっと、自分はああして機械にアッサリ騙されるんだろうなって。騙されて、閉じ込められて、裏切られた気持ちで…せめて殺してくれたらいいのに、とか思いながら死ぬんだろうな。
ぞっとする映画でした。
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やばいターミネーターも長いからまた区切り(笑