すごく懐かしい場所に来ている。
自分の主義に反する大嫌いな場所で、以前それを親に言ったら叱られた。だから最近は言わないようにしている。
人々が精神の拠り所とする場所。
自分にはとても理解しにくかったのだけれども、人に拠っては大切な場所なんだと、その時親に言われた言葉で知った。

昔はよく連れて来られたし、ちょっとした遠出と遅い朝食が楽しみだったりした。
昔よく遊んでいた庭を、年齢を重ねた自分が今、歩いている。
懐かしいと思えた。

信じ難い行為に対する拒絶から心無い言葉を親に向けた少し前の自分も、好奇心から色鮮やかな庭を駆けて回ったもっと前の自分も。
自分も丸くなれたんだろうか。