数日前、兄貴が言いました。


兄「スキー行くから手前も来い」


…そんなわけで、今日は家族3人でスキーに行ってきました。(父さんは別の旅行で既に外出中)




目的地は玉原高原。たんばらの愛称で親しまれる、首都圏からも近場で行き易いゲレンデ。
ここは毎年1度位の頻度で行っている、うちの家族にとっては昔から馴染のあるゲレンデらしい。らしいというのは、自分は正直ゲレンデなんてどーでもいいと思っているので、いちいち滑ったゲレンデのことなんか覚えていないからだ。
毎年あちこちのゲレンデへ行くが、全コースを完全に把握しているのは自分の歳と同じ数だけ通っている草津のみ。
あと、志賀は大体イメージできる。その位。


なので、今回もうろ覚えな駐車場の記憶だけを引き摺ってたんばらへ行きました。


兄「毎年行ってんのに、何でお前はいつまで経っても覚えられねえんだよ」
黒「覚える気が無いから」
兄「死ね」


そもそも、自分はスキーが嫌いだ。
何故雪山を降りてくるだけの行為をあんなにも楽しめるのか、自分には理解できない。
だから別に上手くなりたいとも思わない。スキーを始めてからかなりの年数が経っているし、毎年5回程度は行っている(正確に言うと家族に連れ回されている)からそこそこ上手くなっても良い筈なのに、未だにパラレルができるかどうか怪しい。それをやる気も無いが。
第一、冬はただでさえ寒いのに、もっと寒い所へ行ってどうする。
おまけに、この間スキーで怪我をしたばかりだと言うに。


それでもスキーに行くのは何故かと言えば、
最近になって漸く、断るとスキー大好き人間の兄貴がマジギレするということを学習したからだ。



まあそんなことはさておき。
本日am6:00頃に出発し、到着したのはam9:00ちょっと前。
山を上る直前まで雨だったのが、ゲレンデに着いたら雪になっていたことにまず驚いた。
うん、駐車場の記憶は大体正しかった。
あとは未知の世界。


支度を整えてリフトに乗っていると、何となく見覚えのある巨大な岩の横を通り過ぎた。


黒「な~んか見たことある気がすんだけど、あの岩」
兄「たりめーだろバカ毎年見てんだから」


そりゃそうだ。人間の記憶力ってすごいなあと少し感心した。


その後、各々適当に滑る3人。
大して大きなスキー場ではないので、ばらばらでも身内を探すのは結構容易だった。
兄貴はかなり上手いのと、スピードがそこらの初心者とは歴然なのですぐわかる。黒くてデカくて上級者になりかけ君。
母さんは努力の人オーラが滲み出てるからこちらもすぐにわかる。いつも一生懸命練習してる。生真面目全開のA型。
今日は居ないけれど、父さんは昭和の滑りまっしぐら。これでもかってほどきれいに揃えている。一見すると案山子。
リフトの上からコースを眺めていれば、大体そんなもんで皆すぐに発見できる。


3、4本滑った所で、コースの途中で3人が顔を合わせた。


黒「イタチ見つけに行かない?」
母「エッジが利いてないんだよね~」
兄「腹減った」


全くまとまりのない3人。


午後になると雪の降る勢いは弱まったが、代わりに上の方はガスってきて視界が悪化。
にも拘らず午前と同じ調子で各自マイペースに滑り、いつもの通りボーダーにぶつけられたりその仕返しをしたりコケそうになったり雪と遊んだりと云々。
そしてpm2:00頃に引き揚げ(家に置いてきたワン公の散歩があるから)。
帰りは温泉に立ち寄り、一休みしてから家路についた。家に着いたのはpm5:00頃。



スキーから帰って来て、いつも思う。
雪の欠片も、とてもキレイな感じのするあの寒さも、灰色の空も見当たらない自分の家の庭で。


ああ、自分は本当に遠い所へ行っていたなあ、と。
今でも驚く。同じ空の下で見る世界が、こんなにも違うとは。





ところで。
バイト先でスキーに行くという話をしたら、同じ職場で働いている高校生に「生きて帰ってきて下さいね!」と言われた。
……今の季節、雪崩が怖いからなあという話。

無事に帰って来ましたよ。明日御土産持っていくからね。