頸の座 | ノートさんのブログ

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佐藤弘夫(2005)『日蓮』(ミネルヴァ書房)

 「頸の座に据えられた日蓮は、端座して題目を唱えはじめた。そばでは四条頼基の兄弟四人が、その最後の姿を見守っていた。時は丑の刻(午前二時)を回ったころだった。海鳴りの音が異様に大きく響いた。処刑役が刀を抜き、今まさに斬首が行われようとした。そのとき突然、江ノ島の上空に月のような光る物体が出現した。…ただ、光物については日蓮自身が後に『種種御振舞御書』などある程度信頼できる著作の中で言及しており、必ずしも頭から否定できるものではない」(p196


 佐藤は竜の口の法難における日蓮の受難回避を必ずしも否定できない、と述べている。研究が進み、当時の状況が科学的に判明できれば面白い。