1. パソコンの起動時にどんな作業をしている?

Windowsパソコンの電源をオンにすると、パソコンが使える状態になるまでの間に以下のような動作が行われます。

【1】マザーボードに埋め込まれている初期プログラムが動き出す

【2】記憶装置(HDD、SSDなど)に保存されているOS(Windowsなどパソコンを操作するための基本プログラム)が起動する

【3】Windows起動後、自動的に起動される各種プログラム(スタートアップ、Windowsアップデートなど)が立ち上がる

【1】の高速化は現実的ではないので、【2】と【3】の工程を短縮することで、パソコンの起動が遅い問題を改善することができます。

工程短縮のアプローチは、

[A]自動的に行われる作業を減らす

[B]パソコンの処理を高速化する

2. 作業を減らして起動を早める方法

パソコンの起動時に自動的に行われる作業を省略することで、起動の高速化をはかっていきましょう。

2-1. プログラムの自動的な起動を解除する

2-1-1.スタートアップの見直し(初級編)

購入時から時間がたつほど起動が遅くなっていくのは、起動時に必ず立ち上がるプログラムが増えていくことが原因のひとつです。

こうした常駐プログラム(常に起動されているプログラム)は、スタートアップというフォルダの中にショートカットがまとめられています。

Windows7までのスタートアップ確認法

[左下のスタートメニュー]→[すべてのプログラム]→[スタートアップ]

Windows8のスタートアップ確認法

エクスプローラーで[PC]→システムの入っているドライブ(一般的には「C」)→[ユーザー]→ユーザー名のフォルダ→[AppData]→[Roaming]→[Microsoft]→[Windows]→[左下のスタートメニュー]→[プログラム]→[スタートアップ]

スタートアップに入っているファイルはショートカットであり、プログラム本体ではないので削除しても問題ありません。

とはいえ削除することが心配だったり、元に戻す可能性があるなら、ショートカットファイルをスタートアップから別の場所に移動させて保存しておきましょう。

2-1-2. スタートアップの見直し(上級編)

自動起動されるソフトは、上で解説したショートカットとは別の場所にも記録されています。

Windows7の場合

[左下のスタートメニュー]→[ファイル名を指定して実行]→[ウィンドウにmsconfig]と入力してエンターを押す

[スタートアップ]のタブを選択すると、起動時に立ち上がる常駐プログラム一覧が表示されますが、表示名がわかりにくいかもしれません。たとえばiTunesのように、通常のパソコンの使用に直接影響を与えないと判断できるものだけ、チェックを外すことで自動的に起動しないように設定できます。

Windows8の場合

[左下のスタートメニューを右クリック]→[ファイル名を指定して実行]

[msconfig]と入力し[OK]をクリック

[スタートアップ]のタブを選択し、[タスクマネージャーを開く]をクリック

プログラム名が日本語表記になっているため、Windows7よりはわかりやすくなっています。明らかに使用しないと思われるものは、右下の[無効にする]をクリックしてスタートアップから外しましょう。

2-1-3.セキュリティソフトで同時起動を管理

スタートアップを管理する機能を持ったセキュリティソフトも市販されています。ノートンなら「起動マネージャ(Windowsのみ)」で簡単に管理できます。

2-1-4.Macのスタートアップの見直し

Macの場合は[ユーザーとグループ]内の[ログイン項目]から起動時に同時に起ち上がるソフトを確認することができます。不要なものは解除してしまいましょう。

[画面左上のAppleアイコン]→[システム環境設定]

[ユーザーとグループ]を選択

該当するユーザーを選んで[ログイン項目]を選択

起動したくないソフトを選んで[−]をクリック

2-2. セキュリティソフトの定期スキャンのスケジュールを見直す

パソコンを総合的に保護するセキュリティソフトには、どのソフトにも定期的に本体内部を全体的に検査する機能が備わっています。

この定期スキャンはセキュリティに万全を期すための大切な機能ですが、非常に重い処理なのでスペックによってはパソコンの動きをかなり遅くします。特にこれがパソコンの起動直後と重なろうものなら、大変なストレスになりかねません。

定期スキャンのスケジュール設定は変更できるので、パソコンの起動直後と重ならないように設定しなおしてください。

ソフトによっては本来スキャンすべきタイミングでパソコンを起動していないと、次回起動直後にスキャンを行うものもあります。こういったソフトの場合、スケジュールスキャンの頻度を最低限にし、余裕があるときに手動でフルスキャンするなどの工夫が必要になります。

2-3. 使っていない外付け機器を外す

Windowsが起動されるとき、USBなどの外部ポートに接続されている外付けHDDなどの外部機器はその都度読み込まれます。そのため、普段使っていないこれら外部機器を外しておくことで、起動速度を早めることができます。

なお、Macにおいても外付け機器(もしくはインストールされている外付け機器関連のソフト)が原因で、起動が遅い、起動しないなどのトラブルが発生するケースがあります。その際は一旦外付け機器を全て取り外してから起動、外付け機器を1つずつ取り付けての起動を繰り返して原因を突き止めていきます。

2-4. OSのクリーンインストールを行う

WindowsなどのOSを一度消して入れ直すことで、これまでにインストールされたソフトやレジストリ情報などがすべてまっさらになるので、起動速度の大幅な向上を体感できるはずです。

もちろんここから必要なソフトを入れていき、ファイルも増えていくため、起動速度は少しずつ落ちていきますが、導入ソフトやファイル保存の見直しの良い機会になるため、より計画的にパソコンを使うことができ、それが速度向上に好影響を与えるでしょう。

ただしOSを入れ直し、必要なソフトを入れ直すとなると、それだけで数時間はかかります。

当然すべての中身は初期化されるので、ファイルのバックアップや、再度インストールするソフトの確保なども必要になるため、非常に大がかりな作業となります。

OSのクリーンインストールは、十分に時間があるタイミングで計画的に行いましょう。

3. パソコンの処理能力を高め起動を早くする方法

パソコンが素早く動くようになれば、それだけ起動は高速化します。有効かつ現実的な方策を解説していきます。

3-1. SSDを導入する

HDD(ハードディスクドライブ)にOSが入っているなら、SSDを導入することでこの記事で紹介しているどの方法よりもパソコンの起動は早くなります。

3-1-1. SSDとは?

Solid State Drive (ソリッドステートドライブ)の略。情報をメモリーチップに電子情報で保存しているため、回転している円盤に情報を物理的に読み書きするHDD(ハードディスクドライブ)と比べ、処理が圧倒的に高速。特にパソコン起動時にその差は顕著です。

また物理的に駆動する部分がないため、省電力で音も静か、発熱量も少なく、さらに衝撃にも強く自然故障もHDDより発生しにくいと良いことずくめ。

ただしHDDとくらべると、記憶容量あたりの単価はSSDの方がはるかに高価です。そのため、ドライブを複数入れるスペースがあるなら、OSや頻繁にアクセスするファイルなど常時使うものを小さめのSSDに、それ以外のファイルは大容量のHDDにという使い分けも有効です。

3-1-2. SSDの導入

HDDとSSDが果たす役割は同じなので、置き換えれば起動速度を爆発的に速めることができます。しかし置き換えの難易度は高いため、行う際には十分な下調べを行ってください。

現行のSSDは現行のHDDと接続の規格は同じですが、サイズの規格については事前に調べる必要があります。多くのSSDは2.5インチという規格ですが、デスクトップPCのHDDは3.5インチという規格が多いため、ドライブを入れる空きスペースの規格を事前に確認してください。ひとつしかスペースがない場合も、同様に規格の確認は行ってください。

またノートPCの場合、1.7インチという規格のものが使われているケースもあります。またノートPCの場合は機種によってドライブの交換ができない商品があります。

このようにHDDからSSDへの換装は、PC初心者には非常にハードルが高い作業ですが、PC起動高速化への効果が極めて高いため、この記事で紹介させていただきました。

4. まとめ

ここまでパソコンの起動時間を短縮する、元に戻す方法を取り上げてきました。スタートアップ時の工程の見直しやデフラグを試してみても満足な結果が得られないのであれば、HDDからSSDへの交換や、SSD搭載パソコンの買い替えを検討してもよいかもしれません。