1年前、息子は、自ら支援級を見つけ出し、
支援級で学校生活を送りたいと強く希望した。
当時の普通級の担任は、ずいぶん困った様子で、
「なんとか、普通級のクラスでじっとしていてくれないものか、
お母さんから強く言って欲しい。」
と、お願いされた。
人員不足に苦しむ公立小学校、
一人ふらふら学校探検を続ける息子は、
とても先生方に迷惑な存在だったんだろうと想像は易しい。
息子が幸せでいるために、何が必要なのか、
私はすごく知りたくて、
先生方と何度も話し合いをしたけれど、
コーディネーターの担当教員が能力不足で、
道筋が欲しいと何度も伝えても、
なにも提示されず、もどかしかった。
とにかく、支援級への転籍には医師の診断が必要とだけ言われ、
小児精神科のクリニックを受診。
「診断書がいるなら、この初診でASDって書けるよ。
でもまずは、知能検査しましょう。」
と、WISC-Ⅳ知能検査を受検した。
検査の結果は、
IQ 133
凸凸凹凹と、アンバランス
高低差は139~94
IQの高さを公立学校の教育方針につぶされないようにするべきだ、
と言われ、個別対応で力を伸ばせるよう環境を整えてたほうがいい。
とアドバイスされた。
知能検査の結果を聞きに行く前日、
私は、「知的障害です」と診断される夢を見た。
平気を装って、本当は不安でいっぱいだった。
高IQだから、授業はつまらないだろうし、
凹凸があるために、普通級が落ち着かない状況なのだろう、
と、息子の特性を説明された。
学校からは少しでも大きな集団で落ち着いて過ごせるための
教員へのアドバイスを医師からもらってくるように言われていたけれど、
「公立の学校じゃ、無理でしょ。」
この地方都市でどうしたらいいのさ。
そんなこと、教員には言えるわけもなく、
ASDの診断を報告し、WISC-Ⅳの結果票を見せた。
教員は知能検査の見方がわからなかったようだった。
主治医の意見、学校が求めているものの間に挟まれ、
私は、身動きが取れなくて、なんのために動いているのか、
見失いそうだった。
何事からも、絶妙な距離を保つ夫が、
「息子本人の困りごとの解決のためだ。」
と、道を定めてくれた。
息子は、IQは高いが、発達障害特性も持ち合わせている。
2Eギフテッドというのだろう、と。
この知能検査から見えてきたのは、
息子の知能は年齢よりも高いが、精神は年齢-3歳、という感覚。
ここから、息子の特性を理解することが優先となった。
私は、間違っていたんだ。
たくさん叱りすぎてしまった。
叱られ続けて、息子は自己肯定感の低い子になってしまっていた。
転勤で選択の余地がなかったとは言え、
カトリック系幼稚園の宗教色にあふれた教育も、
全く彼にはあっておらず、つらかっただろう…。
6歳。
遅くない。
間に合う。
そう、自分に言い聞かせて、YouTubeや本を読み漁り、
情報収集し、勉強の日々だった。
知れば知るほど、これまでの息子の育て方を後悔し、
私のせいだ…と自分を責めた。
俯瞰する自分は、自分を責める私に対し、
「あなたのせいではない、彼はそういう特性なのだから、
自分を悪くしてはいけないよ。これからの事を考えましょう。」
と、寄り添うだろう。
そう誰かに寄り添ってもらいたかったけれど、
人に弱みを見せられないので、少しでも知識を増やすことで、
前に進むことにした。