海老とサバのセット料理はこの季節の出し物。
和のソイソースで味をつけた完熟のトマトとの合わせ技は
ミントによって、独特の個性的な味わいを醸し出していた。
仲間との会話はたわいもないこと。
子供がいくつになった
今度は母の世話を始めた
孫が生まれる
ボーナスが安かった
来年こそ、楽しい仕事をやれますように…
仕事納めのビジネス街は
ひっそりとしている。
ひっそりと静まり返ったビル街を歩くのが趣味だった
ビルとビルの間に挟まった神社を訪ね歩くのが好きだった
野良猫に出会い
寒くはないかと尋ねるのが趣味だった
公園の隅っこに集まった野良猫の姿をみては
天気がいいと助かるよな…と微笑みかけた。
そうやって枯れた心をひとりで治すウォーキングを
何日も晴れている間続けた
歩き続けているうちに
視界は街路樹が意外と美しかったこと
名前も知らぬ外来種で飾られていたこと
もう桜がつぼみをつけていたこと
雲の流れが穏やかなこと
空の色が冬色に変っていたこと
町の明かりが少し暗くなっていること
空気が澄んでいること
喧騒が聞こえないこと
人の吐く息が臭くないと思えたこと…。
こうして少しずつ少しずつ
大人だったころの心を取り戻して
心の中にあったもやもや
頭の中に合ったイライラ
みんなみんな優しい音色になった時、
また日常の世界が始まる…
その繰り返しだった。