風
風のままに過ごすのがいい
けれど世の中そんなに上手く行かなくて
気付いたらアスファルトの上に不時着するタンポポの綿毛みたいに
芽も出せずに終わってしまう運命を背負って
ただひたすら耐えながら出口を待つ時もある
サッカー観戦に盛り上がる渋谷の交差点のようなうねり
そんな中の風まかせで僕は過ごしている
そんなこと言っていられる立場ではないのに
だれかの肩にぶつかりながら
思わぬ方向にしか進むしかない場合もありながら
抜け出せずにいるのは
その時の風の流れのままになってしまっているのだろう
うねりの中にいてはいけない
本能的にそう確信している
だから
信号を渡るために僕は右手を挙げた
子供の頃、そうしていたように
その動作で生まれた風を
はたしてだれが感じてくれるだろうか
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