さて、先日(5月4日)、大吉原展の鑑賞が予定より早めに終わったので後日行こうと思っていた東京都美術館で「キリコ展」を見たんだおねがい

 

 

 

デ・キリコさんについては俺は詳しくはなく(難解ではなく興味深い意味での)面白い絵を描く人ってくらいのイメージしかなかったんだ。
 
しかし、実際はニーチェなどの哲学に向き合い自分の内面を見つめまた古典技法を学び苦悩しながら様々な画風の絵を描いていたんだ。
一般的には彼の絵は「形而上絵画」って言われているらしいんだけど、全部が全部そーではなく変遷があったんだ。
今回、そのことを知ることになったんだ。

 

 

いきなり肖像画のコーナーだったんだ。

キリコさんは何百枚もの自画像を各時代で描いていたらしいんだ

面白絵画しか知らなかったのでビックリびっくり

 

この後、キリコさんのいろいろなスタイルの絵画を見ることなったんだけど、

それらは全て自身の内面を深く見つめてその時々に結論として導き出されたものを表現しているもので、

自画像はそれを外側から描いたものに過ぎず、意図したものはどちらも同じだと思うんだ。

なので絵の意図を読み取るのは自画像の方が難しいと思うんだ。

 

まあ、自画像の多くはコスプレ衣装を着ているのでそれがヒントにはなるとは思うけど。

 

鎧をまとった自画像

1948

油彩/カンヴァス Oil on canvas

50 ×40cm

ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)

 

 

 

古風な筆致で厳しい表情で懐古的な感じが鎧で一層際立っているんだ。

両親はイタリア人でギリシャ生まれのキリコさんは18歳の頃にイタリアに移住したので

第一次世界大戦では戦勝国側のイタリア兵として参戦したんだ。

そして第二次世界大戦では敗戦したイタリアに住んでいて戦後にこの絵を描いたって情報は

この絵を見る上では全く役に立たないような普遍的な力強さを感じるんだ。

 

 

他の絵もこんな感じでちょっと難解に感じられ、肖像画コーナーは重苦しくもあったんだショボーン

 

 

 

 

次は「形而上絵画」コーナーおねがい

 

ここから難しく考えずに直感で見れるようになったんだ。

言葉や文字にはならない感覚だけで通じ合えるって感じね!

世間ではいろいろ謎解きを試みて解説しているようだけど、

俺は感じるだけにしたんだてへぺろ

 

そんなわけで、俺が気に入ったものを転載させてもらうウインク

額装された絵は会場のロビーにあるコピー画撮影コーナーで写真を撮ったもので、

それ以外はネットから借用させてもらった口笛

 

 

バラ色の塔のあるイタリア広場

1934頃c.1934

油彩/カンヴァス

Oil on canvas

46.5 × 55cm

トレント・エ・ロヴェレート近現代美術館

(L.F.コレクションより長期貸与)

 

 

 

続いて「マヌカン(英語ではマネキン)」コーナー

人間ではなくマヌカンにすることでデフォルメ効果で普遍性が増し意図が伝わりやすくなったと思うんだ。

図録でのマヌカンの解説を転載しちゃうウインク

 

マヌカン(マネキン)のイメージは、アヴァンギャルドの「機械人間」の機念と並行して誕生する。

ただし、デ・キリコのマヌカンは、進歩に沿った近代世界という楽観的なキュビスム、未来派、

構成主義のヴィジョンを突き抜けて、完全に独創的な図像として現れる。

形而上絵画の着想源そのものであるニーチェの思想の延長線上にあって、マヌカンは、

理性的な意識を奪われた人間の外観をもって、世界にあるその他の謎を帯びた存在を介して謎めいた様相を呈し、

歴史の夜明けにおける原初の人間を名乗る。

 

 

ちょっと、何を言っているんだかわからない(ってサンドイッチマン富澤さんの声が聞こえそうだけど)

 

不安を与えるミューズたち

1950頃 c.1950

油彩/カンヴァス Oilon canvas

97×66cm

マチェラータ県銀行財団 パラッツォ・リッチ美術館

 

 

確かに不安な感じがバリバリ伝わってくるニヤリ

 

 

 

 

続いて「古典への回帰」コーナー

 

キリコさんはただの懐古主義的でなくアヴァンギャルド的なものに対するアンチテーゼとして古典画を描いたらしいんだ。古くさいさの打破を目指したアヴァンギャルド自体がその隆盛により古くさくなってしまっているのを皮肉る意味みたいなことが図録の解説に書いてあったんだけど、絵を見るだけの俺にはそのへんはよくわからないんだ。

 

 

パリスと馬

1952

油彩/カンヴァス Oil on canvas

50 x 60cm

ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)

 

 

馬が愛らしいので見惚れてしまったんだ。

もしかしたら馬はアプロディーテーかなおねがい

 

 

 

 

 

 

 

オイディプスとスフィンクス

1968

油彩/カンヴァス Oil on canvas

90x70cm

ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)

 

 

 

 

胸を出しているお姉さんは半身浴でもしているのかって思ったんだけど、

スフィンクスで「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物はなあに?」って謎謎を出しているところかなウインク

それでオイディプスが思案中ね!

ギュスターヴ・モローも同じ主題で描いているのでそのパロディかもしれないけど、

こちらの方が分かりやすい爆笑

 

 

 

 

 

 

瞑想する人

1971

油彩/カンヴァス Oil on canvas

90×70cm

ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)

 

 

 

 

日本のアニメとの関係も気になるえー

 

 

 

 

 

 

 

 

それで一番気に入ったのがこれ!

 

オデュッセウスの帰還

Return of Odysseus

1968

油彩/カンヴァス 0il on canvas

59.5×80cm

ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)

 

 

見た瞬間笑ってしまったんだ爆笑

なんたって部屋の中でボート漕いでるんだからね!

今までニーチェを始め哲学などに触れながらいろいろ考えたことが狭い部屋の中で足搔いていただけって悟ったんかな〜って爆笑

 

題名にあるオデュッセウスはギリシャ神話の英雄でトロイの木馬を考えた知将として知られ、また戦場から祖国へ帰る際にいろいろあって苦難の中帰国するまで10年以上かかったのでオデュッセウスは長い苦難の象徴ともされているらしいんだ。

そんなことから、この絵の説明文ではキリコさんは自分の試行錯誤の画業の苦難とオデュッセウスの帰国までのそれを重ね併せているみたいなことが書かれていたんだ。

さらに図録の解説では、このボートの行き着く先は黄泉の暗がりで、半開きの扉は古代ギリシャ・ローマ時代の石棺のメタファーみたいなことが書かれていた。

深読みご苦労様って感じ爆笑

この時、キリコさんは80歳で、これから10年後に旅立つことになるから、なるほどと言えなくはないんだけどねニヤリ

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、これは必携の図録!

絵本を見ているようで気楽に見れて楽しいんだおねがい

 

 

 

 

図録はこちらで通販購入が可能ですウインク

デ・キリコ展グッツ

 

 

 

 

 

 

 

お気に入りのポストカードを早速部屋に飾ってみたんだおねがい

 
 
 
キリコさんの絵がその後の「シュルレアリスム」に影響を与えたようで、確かにそーだろうなって思わずにはいられないし、ピカソで有名な「キュビズム 」との関連もないとは言えないだろうとは思うだけど、「キュビズム 」や「シュルレアリスム」の絵画からは血やぬくもりは感じないけど、キリコさんの絵からはそれらを感じてすっごく愛しいんだおねがい
 
 
この展覧会はお薦めなので是非行って欲しい!
東京は8月29日までで、その後9月14日から神戸で開催!
 

 

 

今回はちゃらっと行ってしまい、お気楽な記事になってしまったけど、もう少し勉強して再訪して再び洞察力と知見に優れた記事を書きたいと思いますプンプン

 

それでも、やっぱりキリコさんは気軽に気楽に鑑賞するのが良いと思うって結論になりそうではあるんだおねがいおねがいおねがい