風上の スモーカー抜き 大股に
斬り込む夜は 清か(さやか)に匂う
ちょっとね、仕事でね。ふうん、そうですかあ。っていう日があったなら。はい、改めます。で終わりにしちゃおう、ってやっと思えるようになりました。
本当に子どもだったなあ。あちらとこちらの言い分を並べては、どっちがより「うなずける」のか、白黒出そうと躍起になってたの。
経験が増えれば、客観的には判断出来る。
でも最後は気分に負けるんです人間は。尊敬し好感を持つ人から言われれば自分の負けにするだろう。すごい人だと思っても、笑いのツボが違うから痛みも悲しみも分け合いたくない人だったら、正論ですらまっすぐは受け取らないもの。
あ、私は正論に相対して捻くれていたんだな、と思った夜。わーっ と職場を一通り掃除して、退出しました。
煙たい! そう思って目をあげた。歩きタバコの男性が目の前を歩いてる。あ、やだわ、だいたいあのコンビニかドラッグストアしか営業してないもの、数十メートルは煙をお裾分けされちゃうのね!って思ったんです。風向き変わらないかな、って。
…でも。別にねえ、いいじゃない?この知らないどこぞの方に恨みもなければ、煙草を吸う男性が嫌いなんてこともない。人通りの殆どない時位、私だって少々何か、あ らやだこの人、と思わせてるかもしれないし。(煙草は吸いません)怪しいハミングとか……イヤホンの曲に縦ノリとか……。
抜き去ってしまえ! と、ちょっとへとへとの夜だったけど、脚に力を入れちゃって。ぐいぐい歩いて抜いてしまいました。誰の背中も見ない夜は何の匂いもせず、清々しい空気でした。
あ、これでいいじゃない。……今夜、たったか、たったか掃除してきて、良かったな、って。
……でも、煙たがってる 辺り、かわいくない後輩なんだろうな。そこまでは変える気はないのでした。
風上の匂いをくれた、通りすがりのスモーカー。
