リトルチャの世界 No.17 | のら猫のブログ オフィシャルブログ

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チャタロウチームの誕生

チャタロウの企画調査部は、少ない人数でスタートしていた。チャタロウの個人枠としての投資の調査をするためだったので、大した予算枠ではなかった。リトルチャ程の驚異的な利益は、チャタロウチームは上げなかったので、他の部が本部と名前が変っていたが、依然として部だった。

それでも独立性もあって、実態としては差がなかった。 チャタロウチームの運用枠の拡大は、それでも年間では倍になっていた、リトルチャチームの利益が年間で10倍にもなるのが、元々異常だったのに過ぎなかった。チャタロウは、チャタロウチームの運用枠拡大の3分の一をチャタロウの個人枠としていた。これはリトルチャチームと同様だった。

チャタロウは、長期的な視点で投資したかった。やはりキッタ、ハッタの運用は、変動が大きいと思っていた。企画調査部の部長は、販売会社に目をつけていた。中小の販売会社では営業成績が伸びると、かえって資金繰りが厳しくなってくる事を知っていた。販売力があれば、何でも売れると考えていた。

関東近縁の販売会社で有望で、資金繰りが苦しい会社には、融資ではなくて、出資の形で参加する事にしていた。チャタロウも部長と話して、なる程と思った。利益の一割は、配当とする代わりに、融資とは違い、利子は要らなかった。それでも経営権確保の事もあり、少しつづの出資ではあったが、出資している会社は増えていった。それだけではなかった。この部長と配下の人間たちは、経営改善、経営指導の面倒まで見た。そうすれば、配当は増えた。次第に、企画調査部が出資している比率は少しつづ増えた。

企画調査部は別に経営権を取る事もなく、単に配当を貰い、経営指導をするだけとみんなが理解しだしていた。 チャタロウチームにも、海外の資産管理会社があった。リトルチャチームほど多くはないが、それでもリトルチャチームに運用委託し、その利益を貰っていたので、資産は増えていった。海外から金を還流させると税金が要った。海外でも同様の出資をするために、企画調査部も海外研究グループを作り、海外統括本部とは異なり、実業の会社を調査して、その会社に出資する事にしていた、海外研究グループは、それぞれチャタロウチームの資産管理会社毎に、班に分かれて、その会社に所属して、時々日本に返ってくる事になっていた。

リトルチャチームのシステム


リトルチャのグループは、海外の大きな資産管理会社に資金を集めて、それを海外の金融取引がしやすい国や地方に分散して、運用していた。運用会社での表面的な運用手数料は高く、高い会社では5割を超えていた。それも一部だけ名義人にして、税金補助、名義手数料などを除いて、運用している人の実際の報酬になり、それ以外は、別の資産管理会社を設立したり、各地の大きな運用管理会社、地域センターの指示のある会社への増資となり、ナンダカンダの複雑な契約などをして、株式を各地の地域センターに預けるシステムだった。地域センターの運用担当者も同様に、海外総括本部の指示に従っている複雑なシステムとなっていた。

個々の地域センターは、地域の事しか知らされず、海外統括本部の首脳とリトルチャが全体を把握していた。しかしリトルチャは、細かい事は知ろうともせずに、ただ実際に運用できる金額がどれほどあるかに拘っていた。もはやリトルチャは、投機の世界ではスイスの荒事師と言われる、投機筋では知らないものがない存在となっていた。

各地の運用会社のヘッドですら、ドンが猫である事は知らなかった。会った事すらなかった。取引での指図と取引のチャートに付随して流れてくるドンの一言によって動いていたに過ぎなかった。 各地の運用責任者の表面的な資産は、各地では吃驚する程多く、長者として知られていた。 リトルチャは、投機の世界では猫ではなく、架空の存在といえた、スイスの荒事師と云う称号が気に入っていた。もはや、猫ではなく、人間だと云う想いがリトルチャの気持ちだった。

例の彼を中心とする海外統括本部の首脳たちが作り上げた複雑なシステムだった。当然名義上の人がその資産を私物化しないように様々なシステムが、悪徳とは云えないまでも純粋とは云えない弁護士そして経理士たちのチームにより作り出されていた。各地の地域センターではお抱えの弁護士までいた。

ただどうしても、組織の金を自分でナイナイする人も出てきた。その人への仕打ちは過酷とも云えるものだった。今まで住んでいた豪邸まで取り上げられ、明日の暮らしにも困る程追い詰める事もあった。弁護士たちは、それが役目だった。

ただ地域センターの責任者がリトルチャに嘆願して、リトルチャが初めてそれを知った。リトルチャもそこまで追い詰めるとは知らなかった。運用会社で、責任者ではなく単なるチーフとして働く事を条件に、組織への復帰を認め、豪邸が社宅として与えられた。ただ以前のような莫大な手数料ではなく、一定の報酬だったが、それでも高給と云えた。

リトルチャチームの資産は、莫大になっていた。

流石に運用するには巨額すぎた。実際に運用するのには、全体の資産の3分の一にも満たなくなっていた、地域センターですら、資金が溢れ、債券運用チームを作っていた。それでも保有する現金は余り、各地での現金の輸送に各地の地域センターと話して、輸送代行と称して、金を貸し借りして、輸送している形で、国際間の資金のやりとりに加担していた。ただ闇の銀行になると云う指摘もあり、投資ファンドへの加入と、その権利を指示された人に譲ると云うシステムまで作り出していた。

正人が預かる、全体のリトルキャット運用会社の保留分も増えていった。香奈からの厳命だった、300億のキャッシュどころか、国内だけで、3000億にもなっていた。リトルチャチームの海外からの利益は莫大で、海外のリトルキャット運用会社の資産管理会社ではその何倍もあった。

正人が直轄する経理部では全体像は把握できないものの、リトルチャのシステムは正人でもオボロゲに判りだした。正人は、事態の異常さに気付きだした。リトルチャの動かしている金は、どの程度あるのか判らないと思っていた。リトルチャの運用枠拡大を止めなければ、万一運用に大失敗した時に取り返しのつかない事態になると思っていた。 正人は、リトルチャが苦手とは云え、リトルチャに話をした。運用と運用しないキャッシュとの比率を決まったルールに従い、運用している金を制限するようにリトルチャに伝える事にした。

リトルチャは、思っていたようにゴネた。約束通りにリトルキャット運用会社の子会社に金は渡している。それ以外の金は、我々の金だ。指図を受ける理由はない。 正人は、チャにも説明して、リトルチャに説得してもらう事にした。チャは大体の様子は理解して、リトルチャに説得してくれた。リトルチャもそんなに多くの金を運用している事もなかったし、父親のチャは、取引の師匠でもあった。 正人とリトルチャの話し合いが進み、リトルチャの運用枠拡大に使用する金は、各地のリトルキャット運用会社でプールして、現金で保管しておく事になった。

それでも国内でのリトルチャチームの運用枠も巨大だったので、国内でも同様にブールしておく事にした。 ココの子猫たちの運用枠は大きくなかったが、チャタロウたちのチームもリトルチャとは桁は違うものの、相当大きく、リトルチャが不公平といいそうなので、チャタロウたちのチームは、従来の運用枠拡大に使用している金の半分は、リトルキャット運用会社で現金で保管する事にした。

ただ約束は、この金を長期的に投資するための金で、実際に投資する場合は、正人と話し合って決めるもので、正人が勝手に使える金ではないとも約束していた。しかし、数年たつとその金も巨大になってきた。