投資信託、「ポートフォリオ運用の効用」について
こんにちは、実践派FP 斉藤俊行です。
読者のみなさん、いつもありがとうございます。
お元気でしょうか。
2014年10月5日(日)は、一日、仕事をしておりました。
台風18号が日本に近づいている関係で、
東京は、日曜日の朝からずっと雨が降っています。
明日、10月6日の月曜日まで続きそうですね。
雨が強まることが想定できますので、
外出される際には、皆さんも気をつけて下さいね。
さて、今日のテーマは、
『投資信託、「ポートフォリオ運用の効用」』です。
先週は、為替と株価が大きく動きました。
2014年10月1日(水)、
ドル円相場で、一時、1ドル=110円まで行き、
2008年8月(リーマンショック:9月15日)以来、
実に6年1カ月ぶりの円安水準になりました。
ただ、円安にも関わらず、この日(10/1)の日経平均株価は下落し、
さらに、同日・米国時間取引中に米国NYダウ工業株30種平均が、
前日の17,042ドルから230ドル超下落し、
17,000ドルを割り込みました。
翌日、10月2日(木)に日経平均株価は、
前日の米国市場の影響を受けるかたちで、
前日終値16,082円から420円以上も値を下げました。
これまでは、円相場で円安に推移しますと、
日本株高が投資家の基本認識でありましたが、
今年の夏以降、少々その相関性が小さくなった感じです。
賢明な投資家は、常に相場の流れが急変するリスクや、
将来の株式相場、為替相場で、
上げ下げどちらの意味でも”絶対・確実”ということが
どんなときでもあり得ないということを承知しているものです。
ですので、
私は、クライアントさんを直接担当させて頂く際に、
アセット・アロケーションに尽力します。
ここ2週間程度の期間でみても、
ポートフォリオ運用におけるアセット・アロケーションは、
効果を発揮しています。
例えば、
株式ファンドと相関性が低い債券ファンドを組み合わせた
運用ポートフォリオのアセット・アロケーションは、
株価と円相場の変動が激しいここ最近2週間でも効果を発揮しています。
期間:2014年9月19日(金)~10月3日(金)
●株式・債券・REIT・バランス型ファンドを組み合わせたポートフォリオの例
・アセット・アロケーション
・株式ファンドの投資比率:2割
(内訳)日本株ファンド:1割、世界株ファンド(除く日本):1割
・債券ファンドの投資比率:6割(いずれも為替ヘッジあり)
(内訳)先進国債券ファンド5割、新興国債券ファンド1割
*先進国債券ファンド(為替ヘッジあり)の
標準偏差:3%~5%(年率)程度
・REITファンドの投資比率:1割
(内訳)J-REITファンド(日本のREITへ投資するファンド)1割
・バランス・ファンドの投資比率:1割
(内訳)株・債券・REIT・コモディティ・現金等へ投資するファンド
実際に、上記のアセット・アロケーションで、ご提案した運用ポートフォリオでは、
ここ最近、相場が大きく動いた9/19(金)~10/3(金)までの2週間でも、
各ファンドの価格変動は大なり小なり生じても、
運用ポートフォリオ全体では、価格変動の幅を抑えられたと考えます。
実際に、この運用ポートフォリオをご採用されたクライアントさんへ
組み入れたファンドのなかで、
一番、下落率が大きかった投資信託は、世界株式ファンド(除く日本)です。
9/19(金)~10/3(金)までの2週間で、5.63%もマイナス(下落)でした。
運用ポートフォリオへ採用した、
各ファンドのここ最近2週間の騰落率は次のとおりです。
(マイナス)
・世界株式ファンド(除く日本I):-5.63%
・日本株ファンド:-3.88%
・バランス・ファンド:-2.28%、
・新興国債券ファンド(為替ヘッジあり):-0.54%
(プラス)
・J-REITファンド:+0.50%
・先進国債券ファンド(為替ヘッジあり):+1.71%
日米で株価が下落する局面でも、
運用ポートフォリオ全体では、0.32%のマイナスで抑えられました。
以上から分かることは、
ハイリスク・ハイリターンな株式ファンドなどは、
下落するときには、短期間でも大きく基準価額を下げます。
反対に上昇するときの上昇率の幅も非常に大きいものです。
一方で、
株式ファンドと相関性が低い、比較的リスクが小さい債券ファンドなどは、
基準価額の上下の幅において、安定的に推移する代わりに、
株式が売られ債券価格が上昇(金利は低下)する相場でも
株式ファンドなどと比較しますと、
債券ファンドの基準価額の上がり方も緩やかです。
だからこそ、
株式ファンドと相関性が低い債券ファンドなどの投資比率を
1:1など同程度の投資比率に設定しても、ほとんど意味がないのです。
以上から、
アセット・アロケーションで分散効果を発揮させるためには、
各ファンドのリスクの大きさと各ファンドの相性となる相関性を十分に検討する。
次に、株式ファンドなどのハイリスクな投資信託と
安定型債券ファンドの投資比率は、リスクの格差を考慮し適切な配分を行う。
例えば、
株式の上昇相場が続いた年には、
株式ファンドへの投資比率を100%にすればよかったとか、
株式相場が軟調だった年には、
安定型債券ファンドだけでじっくり運用すればよかった、
など、過去を振り返り、結果論を語るなら何とでも言えます。(笑)
市場関係者をはじめ、
私と同業者の投資アドバイザーやファイナンシャルプランナーが、
このような相場を後追いする結果論を言うことは許されませんが、
投資初心者の方は、結果論として考えがちなのは、
ある意味、仕方ないと思っています。
とはいえ、投資の経験上言えることは、
相場が急落したり急変するときに、直ちに適切な投資判断を下し、
思い切った大胆な行動をとるのは、大きなリスクが伴いますから、
誰でも簡単に、そのようなことを実践できるものではありません。
毎日、相場の変動やマーケット動向に肝を冷やすことなく、
生活者や投資初心者が、安心して人間らしい生活を送るためには、
アセット・アロケーションを適切に行うことは必要不可欠だと理解しています。
これからも投資信託のリスクと上手に付き合っていきましょう。(笑顔)
本日も最後までブログを読んでくださり、ありがとうございます。
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これからも
『「投資信託にだまされるな!」にだまされるな!』に
関連する内容や是非伝えたいことをブログでご紹介していきます。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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拙著:『「投資信託にだまされるな!」にだまされるな!』は、
マネー知識ゼロの女性の方を読者として想定し、
女性の感性へ働きかけるよう意識して書きました。