マーケットや投資家の注目を集めているGPIFについて(全体的なお話)
こんにちは、実践派FP 斉藤俊行です。
大変ご無沙汰しております。
読者の皆さまもお元気ですか。
私も元気です。(笑顔)
また、活動は、ほぼ休眠状態ではありましたが、
先日、Facebookの自分のアカウントでトラブルがありました。
私は全くの素人なので、復旧するにはどうしたらよいか?
現在、IT、ソーシャルメディアに詳しい方に、
分かり次第ご教示頂くようお願いしています。
お友達申請頂いていた方々にはご迷惑をおかけし、
誠に申し訳ございません。
復旧後に、また「いいね」をさせて頂きたいと思います。
何卒、よろしくお願い致します。
さて、早速、本題に入ります。
ここ最近、GPIFが話題になっています。
GPIFとは、
「年金積立金管理運用独立行政法人」です。
2006年4月からこの名称になりました。
それまでの名称は、「年金資金運用基金」です。
ちなみに、管轄は、厚生労働省です。
また、GPIFを直訳しますと、
「Government Pension Investment Fund=政府年金投資ファンド」
になります。
ご承知のとおり、日本の年金制度は、賦課方式で運営されており、
社会保険庁が、私たち現役世代から集めた年金保険料は、
まず、現在のお年寄りなど年金受給者の方たちへの年金支払いに充当され、
その残りが積立金となって、
現在までGPIFの原資として積み上がっています。
この二つの年金(国民年金と厚生年金)の積立金、
つまり、GPIFの運用資産は、
現在、約130兆円の規模になるといわれています。
正式に公表されている金額では、
2014年3月末では、126兆5771億円でした。
運用資産の規模では、GPIFは、世界最大の年金基金でもあります。
この約130兆円という金額が、巨大であるため、
GPIFの動向について、
日本経済新聞では「動く巨象GPIF」という表現が使われています。
ただ、日本の公的年金制度全体に視点を向けると、
GPIFの約130兆円という金額は小さいです。
先に述べたとおり、日本の年金制度は賦課方式のため、
年金財政全体では、貢献度は1割弱といわれています。
<今後95年間の厚生年金の種目別財源>
・年金保険料:1190兆円(72%)
・国庫負担:330兆円(20%)
・積立金から得られる財源(GPIF):140兆円(8%)
(週刊東洋経済 2014年7月5日号より)
とはいえ、株式市場全体からみると、
GPIFの約130兆円の運用資産は巨大です。
その運用資産が、ポートフォリオ運用でアセット・アロケーションされ、
現行のGPIFにおける基本ポートフォリオの
構成割合とかい離率(許容できる価格変動幅)は次のとおりです。
・国内債券:60% ±8%
・国内株式:12% ±6%
・外国債券:11% ±5%
・外国株式:12% ±5%
・短期資産: 5%
上記のうち、次の変更について注目されています。
国内株式の構成割合:12%→20%?
国内債券の構成割合:60%→40%?
この比率の変更については、あくまで未定であり、
今秋にも正式に発表されるといわれています。
ちなみに、
2013年12月末時点のGPIFの各アセット・クラスの構成割合は、
以下のの状況です。
・国内債券:52.22%
・国内株式:17.22%
・外国債券:10.60%
・外国株式:15.18%
・短期資産その他資産:1.77%
すでに、2013年12月末時点で、国内株式は、
構成割合の上限18%(12%±6)に達する勢いです。
したがいまして、
GPIFの基本ポートフォリオを現行のままですと、
ほとんど、国内株式を買い増す余地はありませんが、
国内株式の基本構成割合を20%へ広げれば、
最大で26%(20%±6)まで日本株を買えることになります。
約130兆円の1%で1.3兆円です。
その投資マネーが日本株市場へ入ってくるとなれば、
市場参加者や個人投資家にとっては朗報です。
GPIFが動くことを想定し、
国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、
そして私立学校教職員共済組合の3つの共済、
また、他の年金基金等も
GPIFの資産配分を想定し日本株を買い増しているといわれています。
なお、上記3つの共済組合は、
2015年10月に厚生年金と一元化される予定です。
その動きは、年金基金の運用をしている信託銀行が、
2014年1月~6月まで、8,329億円も買い越していることからも分かります。
以上のようなGPIFの動きも想定し、
私は、今年にはいり軟調だった日本株式市場のタイミングに合わせ、
2月以降、中小型株式、新興株の投資信託(ファンド)と
J-REITファンドの投資比率を高めてきました。
ただ、日本株ファンドのボラティリティは、非常に大きいので、
担当IFA(アドバイザー)の立場からは、
リスク許容度が高いクライアントさん以外には、
運用ポートフォリオにおける投資ウェイトの引き上げのご提案はできません。
今後、益々勢いを強めるGPIFの巨額の投資マネーが、
相場の変動に応じて、機動的に日本株を売買すれば、
日本株式市場を大きく揺さぶる可能性は否定できません。
リスクとリターンは同様の意味ですので、
ご自分のリスク許容度に適合する期待リターンと想定リスクを設定し、
その基本に忠実な運用ポートフォリオ、アセット・アロケーションを
実行し続けることが長期投資家になるコツだと理解しています。
本日も最後までブログをお読み頂きありがとうございます。
実践派FP 斉藤俊行
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拙著:『「投資信託にだまされるな!」にだまされるな!』は、
マネー知識ゼロの女性の方を読者として想定し、
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