1:11
目が覚めた。
夜はまだ僕を見下ろしている。
トナリのワンちゃんの鳴き声、
風の音
サイレン
僕のあくび
そしてまた風の音。
あいなどなかったひび
あきなどなかったふゆ
あれよとながるるとし
涙の味など思い出したくも無いが
そんな記憶ほどはっきりと出る様
朝まで後何回あくびすればいい
朝まで後何度巡り巡ればいいの
また光が欲しい
だが黒も恋しい
紡がれていない安い言葉
黒く凍った無い筈の言葉
言葉の嘘
言葉のひかり
夜、夜、
死よりも確かな現象
生きたい、行きたくない、
そしてまた眠る、眠る、
ねむる、、