ぴょんぴょこさん、がいました。

 

ぴょんぴょこさんは森で二本足で跳ねています。

 

翼がついていますが飛ぶことはできません。

 

 

 

ある男の子と女の子が、森のぴょんぴょこさんに会いに行きました。

 

何とぴょんぴょこさんは友達がいないのに、全ての生き物の言葉が分かります。

 

 

 

どんぐりを持ってきたよ。

 

ありがとう。ぴょこぴょこ。

 

 

 

おいしい?

 

僕が拾ったものよりおいしい。ぴょこぴょこ。

 

 

 

あなたは、神様を嫌いになったことはない?

 

だれ?知らない人だ。ぴょこぴょこ。

 

 

 

………わたし達にも翼があるんだ。

 

ほんとう?きみたちは飛べるの? ぴょこぴょこ。

 

 

 

奪われて生まれてきたのに、かなしくはないの?

 

………今日もどんぐりがあって、君たちに会えたもの。ぴょこぴょこ。

 

 

 

わたし達と一緒に暮らそう。わたし達はもう翼なんていらない。

 

なくなったら何か変わるの? ぴょこぴょこ。

 

 

 

ぴょんぴょこさんと、翼を失った男の子と女の子は楽しそうに、森の奥へと消えてゆきました。

 

 

 

 

ぴょんぴょこさん達は、森の奥の奥で、どんぐりのケーキを食べていました。

 

ぴょんぴょこさんは、とてもとてもうれしくなってしまって、泣き出してしまいました。

 

 

 

 

 

今日は家族ができたからです。

 

 

 

 

 

(おわり)

 

 

 

 

…………………🌷…………………

 

 

 

 

 

 

 

Cozy さんに捧ぐ。