今日お客様に聞かれたのですが、
「今から太陽光パネルを設置したら何年で元を取れますか?」
よくこの質問を受けます。
私は20年と答えています。
えええ!そんなにかかるの?
と思った方多いと思います。
今回は建築士らしく真面目に解説しましょう。
(最近脱線ばかりでしたので)
まず、太陽光発電設備を屋根の上につけた場合
自分の家で消費する電力(自家発電)
と
余った電力を買い取ってもらう(余剰電力)
の両方が得られます。
余剰電力買取制度は2009年から始まりましたが
買い取ってもらう余剰電力の単価を10年間固定しますよという制度が2012年から始まったFIT(固定価格買取制度)です。
2009年では1kwあたりの電気料金が21円だったのに対し買取価格が42円と、買った倍で売れるというかなりお得な条件でした。ただしその価格は毎年変動します。
2012年からFITが開始し、(一般的な)住宅の場合は10年間固定を確約する、いわば投資が可能な設備となり、一気に太陽光発電の普及が進みました。
ということで太陽光発電を早い時期から導入していた方は8年から10年で元が取れるということで売電目的で検討された方も多いと思います。
今年関西電力では1kwあたり8円の卒FIT価格を発表しました。つまり今年太陽光発電を設置される方は11年目から1kwの買取単価が8円になるということです。10年間は1kwあたり21円ですけど、これは買う電気代と同じかちょっと安い水準です。
結論としては売電を目的にした太陽光パネル設置は不可ということです。
では太陽光発電の設置はもう意味がないのでしょうか。
私はそうは思いません。太陽光発電や再生可能エネルギーの利用は環境のためにも懐のためにもまだまだ可能性があると考えています。
まず今後の電気料金の高騰に対するリスクヘッジをとることが重要です。
脱原発で化石燃料に価格負担が増大することに加え、円安が進み燃料の輸入コストが割高になることが考えられます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金の国民負担が上がることにより電気料金が上がりますので、今後電気料金が今より下がることは考えにくいというのが私の意見です。
個人的には原子力発電所が再稼働できるまでは電気代が上がりつづけると思います。
講釈が長くなりましたが
太陽光発電は自家使用のために設置する
(さらに環境保全のために貢献する。)
という割り切りが必要です。
それ以上の利益は求められません。(たとえ補助金をもらっても)
。。。という前提で、何年で元を取れるのかということですが
1ヶ月あたりの電気、ガス合計の光熱費が月10,000円として、4kwの太陽光発電で光熱費ゼロ、つまり月10,000円の節約ができる算段をしますと
私ならそういう計算をします。
おそらく太陽光パネルは1kwあたり20〜25万円が相場でしょう。そこにパワコン、架台、工事費、足場仮設、パワコンの修理代(10年目)を考慮すると大体200万円あたりになると思われます。金利が安かったり設置費によってもっとメリットが出る方もいると思います。
20年かかるとは言えその間の電気代高騰に関係なく、光熱費ゼロの生活を送れるとすれば幸せではないでしょうか。
蓄電池もまだまだ高価ですが、普及すれば安くなるので時期を見て検討されるのが良いですね。蓄電池がないと深夜電力は安いとは言え夜間はゼロにはならないですからね。
今日は長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました😊