賢明な読者ならここで疑問を抱かれるのではなかろうか。
「なぜ自分で設計できる建築士が建築家にわざわざ設計をお願いするという選択になるの?」
ここには明確な理由がある。
私の「建築家」へのイメージが大きく変わったからである。
当社では2年前から「R+house(アールプラスハウス)」という住宅を取り扱うようになった。
その高気密・高断熱という性能に惚れたのが一番の原因だが、
このR+houseは「建築家とつくる家を手のとどく価格で」というキャッチコピーが示すように
基本プランから実施設計までを住宅を専門とする建築家が一棟一棟丁寧に携わるという
スタイルに興味を持ったのが導入の理由である。
最初のお客様は初めて建築家のプランを見て「これでお願いします」と即決した。
二人目のお客様は「これはいいですね。」と顔色がぱっと明るくなった。
三人目の夫妻は感動で涙を流された。
それぞれ別の建築家で、全く要望も好みも予算ももちろん土地も違っているのに
建築家がプランを提示する、二回目の建築家ミーティング(私達はP2と言っている)では
感動や笑顔や涙やいろんなものがこみ上げてきて、
ご一緒する私達もただならぬ感動を共有できるのである。
そう、もちろん住まいづくりの主役はお客様であるが、この日だけは
建築家が主役を食うぐらいの大きな存在感を醸すのである。
助演男優賞決定。(女優の場合もあるが)
なんだかR+houseの宣伝みたいになったが、それはこのブログの主旨ではない。
とにかく何度も建築家の活躍を横で見て、私の建築家像が大きく変わったのである。
「自分の家を建てるなら建築家に頼んでもいいかな・・」
これが私のプライドと経験を捨ててでも冒険をしようと思わせるきっかけになったのである。