停電や節電のなか、オール電化住宅は?
東日本大震災の影響のひとつ首都圏の計画停電で、私たちは自分の生活がいかに電気に支配されたものかを実感..........≪続きを読む≫


最近よく訊かれます。


結局地震時どれが一番有効なのか。


このアメーバニュースの通り「オール電化」は停電時が最大の弱点ですね。



こう見えても一応住まいづくりのプロですので(笑)

要点を整理して考えてみることにしましょう。



前提  地震の被害で電気・水道・ガスが完全に停止した状態


想定  1.一戸建てのオール電化住宅または集合住宅

     2.エネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)導入の一戸建て住宅

     3.太陽光発電システム搭載の一戸建て住宅

     4.電気・ガスを併用した一般住宅


日本の住宅で一般的なこの4パターンでこの災害を乗り越えられるか考えてみましょう。



1.一戸建てのオール電化住宅または集合住宅


まず、オール電化住宅の場合、あたりまえですが停電時全く機能しません。

停電が解除されるまでは調理・入浴・冷暖房を含め全ての生活機能がストップと考えます。

しかしながら電気が復旧さえすればその日から入浴(給湯)以外の生活は可能でしょう

もちろん、地震により家屋や配管・配線に問題が生じていないことが前提ですが。

電気温水器・エコキュートが壊れていなければその日から再加熱しますので

翌日にはお湯がでる状態になります。入浴も可能です。

もし断水が続いていても、温水器内の水(たいてい浴槽2杯分はあります)は

飲み水を含め生活用水として使えます。そのための取り出しコックがついている機種もあります。

長期の断水が予測されるなら、お風呂に使わず生活用水に回す方が賢明です。

(飲み水に使える期間は2日ぐらいを目安にしてください。)

あまりクローズアップされませんが、ワタシは生活用水取り置きタンクとしての機能が

災害時の電気温水器・エコキュートの最大のメリットだと考えています。


マンションの場合高架水槽の水がそれに当たりますが

たくさんの家庭で同時に使用されるためあまり頼りにはなりません。

また、肝心のポンプへの電源が遮断されているとその水は新たに供給されることがありません。

ただ、大規模のマンションでは自家発電装置があるところもありその場合は少しは安心ですね。


計画停電の例にあるように電気の使用時間を考えると

基本的に夜中に多くの電力を使うオール電化は

間接的に社会に役立つのかも知れません。


2.エネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)導入の一戸建て住宅


都市ガスを使って電気を作るコージェネレーションシステムは停電に強いはずですが

その発電モーターは電気により動かしているので

結局停電時には生活電力を確保できません。電気の復旧まで待ちましょう。

もともとこのシステムは節電を考えられたものなので

電気復旧後は大いに節電に役立ちます。

社会貢献度は高いと言えるでしょう。

ただし、空中架設の電線と、地中埋設のガス管では復旧のスピードが違ってきます。

電気が復旧しても都市ガスがまだ・・ってことも有り得ますのでご注意を。

※ちなみにガスが復旧していなくても電気で生活は出来ます。


3.太陽光発電システム搭載の一戸建て住宅


震災後最もお問い合わせが多いのが太陽光発電。

誰にも迷惑をかけず発電するので魅力がありますよね。

確かに設備が故障していなければ太陽光はその日から発電を始めます。

但し、直流を交流に変えるパワーコンディショナーに電源が必要です。

結果、発電した電気が生活で使えるようにならないわけで・・

停電時にはいくら太陽が照っていても生活電力を確保できません。

停電解除後は節電にも有効でしょう。

電気・ガスと違って、化石資源に多くを頼るシステムではないので

普及すれば社会的影響がもっともでないシステムだと考えます。

現在日本国内での家庭用太陽光発電普及率は1割にも遠く及ばず

人口一人あたりの発電量はスペインやドイツの約1/4といったところ。

設置費(イニシャルコスト)が未だ高いのが難点ですね。


4.電気・ガスを併用した一般住宅


これは一番弱いようで一番強いのかも知れません。

オール電化のように「他熱源を使ってはならない」という縛りはありませんし。

エネファームのような初期費用もかかりません。

家屋に被害がなければという前提ですが

プロパンガスやカセットコンロ、灯油は問題なく使えます。

井戸水が使えれば加熱して生活用水に使えそうです。

雨水タンクを用意しておけばトイレに使えますね。

ただし、震災後の裸火は相当危ないです。

二次災害にならないよう十分に注意する必要があります。




日本では復旧のスピードは

電気・上水道・都市ガスの順に速いといわれています。

直下の被災地でなければ復旧は早いですので

パニックにならないことが重要です。



もちろん、家屋の応急危険度判定は重要ですので

ご自分で判断せずに必ず参考にしてくださいね。

そのことについて詳しくはまた後日に・・