建築家青木淳の個展があるという情報で大阪にふらっと立ち寄った。


taro nasu bambi と名付けられたその会場は、間口4m、奥行きは間口の3倍ほどの


ちいさな部屋がひとつだった。個展といいつつ、その部屋以外何の展示もない。


そしてこの部屋全体が作品となって、我々は作品の内部からこれを見ることになる。


一言で言えば「胃袋の中に入った」みたい。


木毛セメント板を尺5角(45cm角)にカットし、白ペンキでベタッと塗られている。


それが壁・天井に張り巡らされ、壁・天井のところどころからほのかにひかる物体が


にょきにょきと鍾乳洞のつららのように生えている。


焼肉のホルモンを思いだした。室内が赤黒く塗られていたら誰もがそう思うだろう。


でも幸い白。


つららが何で出来ているかはここでは内緒にしますが、このほのかな光は周りの白と相まって


神秘的な雰囲気も醸し出している。瞑想に良さそうな空間である。


サイトで建築家本人も話しているとおり、無機質でソリッドな空間とオブジェ(曲線はほとんどない)に


もかかわらず、有機的で自然産物的な特徴も併せ持っている。


いずれにしても僕のような凡人建築士には考えつかない構成である。


10分ほど一人で見て(誰も他に人がいなかった)帰った。


個展をイメージしていたので多少がっかりもしたが、その作品のインパクトは


ボディブローのようにだんだん効いてくる。


aokijun
イメージ写真。壁からニョキニョキが生えている図。


http://www.taronasugallery.com/exh_osaka/index.html

公式ページ。但しこの個展は既に終了。



↓絵本ですがなかなか良かった。大人も楽しめます。

家の?/青木 淳

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