熊本県のある病院では「こうのとりのゆりかご」という新生児受け入れシステムを
導入予定らしい。
ニュースを要約すると(西日本新聞)
熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が、親が養育できない乳児を託す「赤ちゃんポスト」を設置することが分かった。
「こうのとりのゆりかご」の名で年内にも導入予定で、実現すれば国内初となる。
(中略)
専用の窓を開けて外から乳児を入れる箱型の「ポスト」を置く。内部は保育器と同じ状態に保ち、乳児が置かれると院内のブザーが鳴り、助産師らが駆け付ける仕組み。子どもは施設に預けたり、行政を通じて養子縁組を目指したりすることになる。
ということである。
私にとってはかなりショッキングなニュースであった。
まず、子供を遺棄するニュースを聞くたびに私はショックを受けるのだが
表だって子供の遺棄を助長するようなシステムができると知り、日本も落ちたものだと落胆を隠せない。
病院、熊本市、熊本県、当地の警察、国までもがこのシステムに対し検討を重ねたようだが
その答えは
「医療法上問題ないね。」
「保護責任者遺棄罪に抵触しない。」
という見識だけである。
ちょっと待て。他に大事なこと忘れていないか。
新生児を保護する乳児院や保護施設が日本にはあるが、かなり手狭になっていると聞く。
新聞記事によると2000年度、全国の児童相談所で保護した新生児などの「子捨て」は196人に上っているそうであるが、この「こうのとりのゆりかご」システムにより、全国各地から養育できない新生児が運ばれて来るに違いない。
200人が500人、1000人と増えることもあり得ると思う。
慈恵病院はホームページによると特に小児科や産科に力を入れておられるようで新生児に対する見識があるだろう。これまで数々の検討をなされたとは思うが、仮に1日十数人の新生児がポストに投げ込まれたとき、1病院で万全の対応ができるのだろうか。
このシステムを先に導入したドイツでは同国内に70カ所以上あり、年に40人程度の新生児が救われているらしい。
しかし、このまま日本に当てはめたら数が合わないのではないか!?
新生児の放棄と言っても、種々の事情があってのことだと思う。
親の気持ちとしても、苦渋の決断で子供を捨てなければならない場合もあるのではないかと思う。
だから一概に全てを悪と言うつもりはないが・・
もし、親が子供を捨てるか頑張って育てるか迷っているようなそういう立場におかれた場合、
子供を路上や車上やロッカーにおいて死なせるのは余りにもかわいそうでできないと感じて
それを思いとどまる結果になった事例はおそらくたくさんあるのだろうと思う。
しかし、このボックスに入れれば誰かが育ててくれるということであれば
捨てられる子供の数は減ることはなく、増えるのではないかと容易に想像できる。
記事には「養子縁組の可能性」も書かれているが、今の日本の法律では実の親の了解がなければ養子縁組はできないはず。匿名性のある「投げ込みシステム」では養子縁組についてハードルはかなり高い。
この記事を書いた後指摘があり、実の親が意思を表示できない場合(不明含む)や放棄・虐待など子供に著しく不利益がある場合は実親の了解は不要と民法に書かれていました。コメント訂正させていただきます。m(__)m
また、先天的に障害のある乳児の場合、親に依存しないでその子は生きていけるだろうか。
私はまったく素人の発言をしているのかも知れないが
せめて、この「こうのとりのゆりかご」は医師・看護師と対話して預けることができるようにして欲しい。
もちろん親のプロフィールも確実に明示して。
TSUT▲Y▲の返却ボックスみたいには絶対にならないように。
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