お客様と建築の打合せをするとき、私としては最初にお客様のライフスタイルや背景が
気になるものである。だから結構世間話に時間を割いている。
お客さんはしびれを切らして本題に戻そうとするのだが
たいてい最初に聞いてくるコトは
「んで家を新築しようと思うんだけど、ツボどれぐらいでいけるんかなー」
と言う内容である。答えてあげたくてもあまりにもヒントの少ない質問だ!
ツボの値段。。。。別に新興宗教ではない。
家を建てるのに一坪(約3.3㎡)あたり幾らぐらいするかという意味である。
これは工事費。お客様としては設計料も監理費も登記料も水道負担金も引越費も
全て含んで幾らかかるかと言うことがまず気になるのだ。
間取りや機能がほとんど決まっていないのに坪単価が気になる。
かといって総予算がこれぐらいでこの大きさの家が欲しいと言っているわけではなく
坪いくらでだいたいのグレードを計り知りたい。広告のこの家とどちらがいいか知りたい。
というお客様も結構多いようだ。
高い買い物だからその金額が気になるのは当たり前である。
しかし、2階建てか3階建てか、木造か鉄筋コンクリート造か、都心のど真ん中か、山のてっぺんか
全然情報がないところで答えを出すことが出来ない。
私は設計と施工の両方を生業とするいわゆる街の工務店さんである。
どんな家を建てたいのかうまく聞き出すのは建築士としてひとつの技術であるし、
そして、気になる坪単価をなるべく早く答えてあげるのもこれまた重要である。
「そうですか。だいたいこういう間取りになりますね。木造ですからだいたい坪40万ぐらいからでいけるんじゃ無いですかと思いますよ。」
「そうですか。もう5万ぐらい安くなりませんかねぇ。」
だから、ちょっと待ってくださいって。。。。。(苦笑)