Pロマ社製の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒問題が
世間を賑わしている。
残念なことに死者も出て、今なお重い後遺症に苦しんでいる
人々もいる。とても悲しい事件である。
事故じゃなく事件と書いたのは、私も建築に関わる業界に
身を置くものとして、何故もっと早く気づかなかったのか
対策をしなかったのかと自責の念を感じ得ないからである。
考えてみれば、住まいのなかにも危険要素はいっぱい潜んでいる。
ガスコンロの配管部品が摩耗すればガスが漏出する可能性があるし
浴室乾燥機でなくとも電気機器は全て漏電の可能性がゼロとは言い切れない。
当然住まいだけでなく交通機関にも自家用車にも危険の可能性は
必ずあり、それを未然に防ぐために安全装置がつけられている。
全ての身の回りのものにはリスクがあり、何らかの安全装置がついている。
「使用上の注意」と書かれた一枚の紙切れも一種の安全装置である。
そういえば、いちいち見ないなぁ。「使用上の注意」
この前買ったUSBメモリにも「死亡や重大な後遺症の危険があります」という
項目があったけど、「わはは。笑わせるなぁ。そんなわけないやん。」と
読み飛ばしたなぁ。
今回の湯沸かし器の一部では部品誤作動を防ぐため安全シャッターをバイパスして
作動しないように改造してあったものもいくつか含まれていると聞いた。
また、経年劣化により安全装置が作動しなくなっていた事例も報道されている。
Cンドラー社エレベーターもブレーキの安全装置に問題があったとのこと。
古いロープ式エレベーターで全部のワイヤーが同時に切れたとしても
(その可能性はほとんど皆無かも知れないが)
安全ブレーキが利き、少なくともカゴごと落下はしないはずなのだ。
安全装置に問題がある=エレベーターのワイヤーが切れかかっている以上に危険なのだ。
危機管理が下手なのは別に行政だけではない。
安全に対する考慮が軽率になり、またもや住の業界で人災が起きた。