国土交通省にむけて今般の建築士制度見直しについて提言するから
意見を聞かせて欲しいとのことだったので
あらためて国交省社会資本整備審議会の議事録を閲覧してみた。
http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/architecture/kihonseido/images/060626.pdf
気になるところはなんと言っても一級建築士再試験のくだりであるが
実際の議事録の内容と先日のマスコミ発表の記事とは大きく異なる内容に驚いた。
いや、誤解の無いように言うと、書いてあることは同じだが、かなり脚色されて報道されている。
この議事録の内容が間違いでなければ、マスコミの記事からはかなり悪意が感じ取れる。
建築士制度の見直しの方向性について(素案)
国交省発表では、一級建築士に変わる新たな資格について
「既存資格者の新資格への移行については、講習の受講、修了考査の実施等により、
所要の能力を有することを確認した上で新たな免許を付与することとする。」
これを26日付の新聞記事では
「1級建築士の資格件を厳しくするため、約30万人いるとされる1級建築士は
構造設計などの知識を問う試験に合格すれば、「新1級建築士」として認定する。
合格しなければ、現在の1級建築士を別名称の資格にするか、2級に降格するかを検討する。」
となっている。これ同じこと書いてますか?
いやいや。内容は一緒でも切り口が全然違います。
国交省は、「既存の建築士が能力を持っているかどうか確認し、新たな免許で認定する。」
と書いてあるのに対し、マスコミは
「既存の建築士は試験を受け、合格しない場合今後一級建築士と認めない。」
と書いてありませんか?
私にはそのようにしか見えません。
先日の記事が国交省の議事録通りの書き方であったら
私はこの案には賛成と言っていたでしょう。
消費者のため、技能者はレベルアップし続けることは当たり前だから。
でも今までの一級建築士を再試験してふるい落とすと言われたら
やっぱり、それは今までの一級建築士を否定していると・・・・(以下しつこいので略)
他にも
「消費者による建築士の選択・確認が可能となるよう、建築士名簿を開示するとともに
免許証(顔写真入り)を業務実施時に提示させる。」
※ 氏名、登録番号、登録日、処分歴、講習の受講歴等を閲覧対象とする。
は
「消費者が建築士を選べるように、処分歴などを記した建築士名簿を開示し、
仕事をする際は顔写真入りの免許証を提示する。」
・・・これって犯罪者扱いじゃないっすか(悲)
マスコミは間違ったことを書いていませんが、
これらの発表を受けてニュースのコメンテーターが
「一級建築士ももっと高い意識を持ってくれないとゆっくりと家にも住んでいられませんね。」
とか言われてるやんか!(泣)
とにかく、マスコミと言葉の怖さを思い知った今日この頃です。