苦手な方はご注意を
幼稚園児の頃
両親が与えてくれた子ども用の
図鑑、百科事典
特に 繰り返し見ていたのは
いきものだった
動物、昆虫、爬虫類、鳥類、
魚類、古代生物
馴染みのある生き物と
見た事もない生き物
実物を見てみたい、触れてみたい
思いと
怖い、気持ち悪いという思い
その中でも蛇は
気持ち悪い怖い生き物と
私の中で位置付けられていた
時が経ち
五年生になった夏休みのこと
遊びに行こうといつもの道を
歩いていると
年下の男の子達が小さな蛇に
石をぶつけていた
うわぁ…
目を背けたけれど
蛇はきらいだけど…
嫌いだからといって
殺さないで 欲しい
そう思い、男の子達に掛け合うと
蛇を逃すことに皆が
納得してくれた
捕虫網を取りに帰り
弱った蛇をこわごわと掬った
焦げ茶色と黄土色に
錆浅葱色の線の体色を持つ蛇
見たことのない色をもつ蛇
遠くの草むらと小川のある場所へ
放す事ができた
二日後、家族旅行で家を留守にした
一週間の旅行を終え
自宅に帰って来た私達を
出迎えたのは
玄関先のドアの前で
待ち受ける蛇だった
普段は蛇はおろか虫もたくさんは
見かけない我が家なので
とぐろを巻き鎌首を持ち上げた
小さな蛇でさえ
私を驚かすには十分だった
珍しい色の蛇。
身体に傷もある蛇??
頭の中で
パズルのピースがあわさり
記憶を呼び起こした
助けたヘビだ!
思わず声をあげる
チョロチョロと出した舌が
わたしには
ありがとよ〜
に、見えたんだ
へびはそれだけ告げると
静かに去って行った
子供の私には
助けて良かった…
そう思った出来事だった
今でもへびは実際にみると
さわりたくないし怖いけど
やっぱり殺して欲しいとまでは
思わない
民間伝承はいにしえの民の
思いを知りたい
現代の不思議は科学的に
検証、分析、解明はしてみてほしい
けれども
自然からの目に見えない言葉
いきものからの言葉を
信じる、よろこぶ、受けとる
慈しむ
畏怖の念を持つ
幼き日の心は
失いたくないと思っています
酷暑の夏を耐え
凍てつく冬も乗り越え
生き延び、命を繋いだ生き物に
再会できる
これってじつは
しあわせなことなんだね
春を知っているから
冬も乗り越えられる
平成30年 師走



