森田療法とは日本がほこる精神療法(いわゆるカウンセリング)である。
格闘技などで例えるとよく巷で聞く認知行動療法がボクシングならば、森田療法は空手である。
つまり空手のように海外でもわりと市民権を得ている精神療法なのである。それほど有名な精神療法である。
精神科医であれば海外に行った際に「日本からなんだね、森田療法ってどんなの?」と聞かれたりする。
この森田療法とは一般にはそんなに聞き慣れないかもしれないが本もたくさん出ており私の外来でも時々「森田療法をやって下さい」とくる患者さんがいる。一般にもわかりやすい森田療法の本を下に書いておく。

簡単にいうと、森田神経質という性格(強迫性障害に多い)は少しの事でも不安に感じてしまいそれを解消するために様々な行動をとってしまい(例えば手の汚れが気になると思いひたすら手洗いを続ける)日常生活に支障をきたしてしまうのである。これに対して不安を解消する方法を学ぶのではなく不安は不安ではなくて気にしなくていいんだよと気づかせてあげるといった方法である。


それでは具体的に森田療法とはどういう治療法なのであろうか。

まず森田療法の対象患者である。
森田療法の対象は森田神経質とよばれるような神経症であり森田はそれを三分類した。
・強迫観念症
・普通神経質
・発作性神経症
また、森田神経質は内向性、弱力性と強迫性、強力性といった視点からみることもできる。(それぞれ1項目以上満たす)
A、内向性、弱力性
・内向性:自分の存在全体について過度に内省し劣等感をもつ
・心配性:細部にこだわりなかなかそこから抜け出せない
・対人的傷つきやすさ、過敏性:些細な人の言動に傷つく、人の言動が気になる
・心気性:自分の身体や感覚に対して過敏となりやすい傾向
・受動的:イニシアティブをとれない、消極的、新しいことが苦手

B、強迫性、強力性
・完全欲:強迫的に完全にしないと気が済まない
・優越欲求:負けず嫌い
・自尊欲求:プライドが高い、自尊心が高い、人にちやほやされたい
・健康欲求:常に心身ともに健康でありたい、全く不安のない状態を望む
・支配欲求:自分や周囲を自分の思い通りにしたいという欲求が強い

これらに当てはまる人は自分は病気ではないなあと思う人でも自己実現に利用したりするといいかもしれない。

次に具体的な方法である。森田療法はそれを理解し実行することに意味がある。
①理解する。
これはこれまで症状から逃れようとしたり症状をやりくりしようとしてきた努力がかえって症状を増強させてきたという事実を理解することである。
②実行する。
症状に対してそれまでとは違った視点を与えてやる。これが有名なあるがままの態度である。これは症状や不安をどうにかしようとはせずにそのままにしておく姿勢を意味する。そして症状や不安の裏にある生の欲望を実生活において建設的行動の形で発揮していくというより積極的な意味があることも伝える。つまりなすべき行動や生活をしていくという事である。
③終了する。
症状の軽快に加えて患者の生活・行動が建設的な方向に変化していることが重要である。



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森田療法のすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)/著者不明

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これでは物足りなく専門的な知識が欲しい場合は、次のような本もある。



神経質の本態と療法―森田療法を理解する必読の原典/森田 正馬

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精神科の患者においてよく使われる薬が抗てんかん薬である。
てんかんのみならず、双極性障害ではもちろん統合失調症、気分の波がある発達障害や人格障害にも抗てんかん薬を使っているという精神科医がほとんどではないだろうか。
しかもこれらの病気には若い女性も多く、さらに誤解を恐れずに言うとこれらの一部病気には性的にアクティブな方が多いのである。
この事から若い女性において抗てんかん薬の使い方は非常に重要になってくる。

妊娠・出産が現実的な抗てんかん薬を使用している女性においてリスクの少ない抗てんかん薬への変更や多剤併用から単剤治療への切り替えのタイミングは極めて重要である。
奇形発現頻度は血中抗てんかん薬濃度に依存し、併用する薬剤数の増加に伴いリスクは増大する。
てんかん治療ガイドラインによると次の用な使用方法が推奨されている。(ただし高用量の葉酸を服用した場合に奇形が出現したとの報告もある)

1、診断を検討し本当に抗てんかん薬が必要かどうかを考える
2、下記があてはまるならば抗てんかん薬は中止する
 ーレミッション
 ー再発の可能性が低い
 ー患者自身がリスクを理解している
3、もし必要ならば
 ー適正な抗てんかん薬を選ぶ(パルプロ酸は除く)
 ー単剤かつ適正血中濃度内の最低用量
 ー受胎の前に変更を終了する
4、受胎の前に葉酸を投与する
(the treatment of epilepsy ed by S.Shorvon,et al Wiley-Blackwell 2009)

また、次によく困るのは抗てんかん薬服用者の授乳に関してである。授乳については基本的にデータが少なく避けた方が無難であるとどうしていいのやらわからない記載が多い。多施設共同前向き観察研究では初めて前向きに授乳による影響を検討しているが3歳時点における母乳児と人工乳栄養児では平均IQは同等と示された。そのためここで結論を下すことはできないが一概に全部ダメとはいえないし母乳によるメリットも十分に考慮に入れなければならない。

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スピルバーグ、映画監督で世界で一番有名であるといっても過言ではないだろう。ジョーズやジュラシックパークなど様々な名作がある。しかし、彼は映画で富を得ているだけではない、彼は映画をとる事で人生を有意義に過ごす事ができているのである。

彼は直観で映画を作っていると言っている、そのせいからか短期間で撮影が終了することで有名でもある。特に「不安を消したりたい、その正直な思いを作品にした」という事から彼の不安を解消するひとつの方法、自己実現として映画を利用しそれがうまく実を結んでいるのだろう。人間は誰しも不安を感じて生きている、その不安の強さもその解消方法もひとそれぞれであり、この2つの軸がどう絡み合っているかで性格が形成されるとも極端な話言えなくもない。
彼は不安が強かったのだろう、それは作品にもよく現れているし彼自身もインタビューでそう述べている。両親の離婚から「家族が離れるというテーマ」を使用したり、重要なシーンで母親の職業であるピアノの曲を使用したりと。また不安の発散方法として映画を作るというやり方をしている。しかもそれが醜いものではなくきれいな物語として描かれている、そこに製作期間の短さ彼のマインドの美しさが現れているのではないだろうか。彼から学びとる事は不安をねたみや他人への批判にするのではなく映像というスクリーンに理想像をうつす事で解消したという事である。

これらの事から彼は映画を撮る事によって自身の不安を解消しストレスをなるべく少なくする事が可能なのである。

それでは参考までに彼の生活歴を簡単に記述しておく。
1946年オハイオ州で生まれ、アリゾナ州に育つ。父は電気技師、母コンサートピアニスト。父の仕事の都合上、引っ越しが多かった。ユダヤ人であり、いじめも受けた。高校生の頃に両親は離婚。
ハリウッドが近いと言う理由でカリフォルニア州立大学ロングビーチ校にて映画専攻。空き部屋だった掃除小屋を自分のオフィスとして使用してユニバーサルに居候を始め、ハリウッドを出入りする。その後、21歳のときに、映画製作資金を提供してもらい「アンブリン」を完成。この映画がきっかけでユニバーサルと7年契約する。
1972年『激突!』が評判を呼び、1974年に『続・激突! カージャック』で、劇場用映画監督に進出。ヒット作に『ジョーズ』、『未知との遭遇』、『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『E.T.』など多数。1993年には『ジュラシック・パーク』を大ヒットさせ、同年のアカデミー賞では『シンドラーのリスト』で作品賞、監督賞を受賞する。1994年にドリームワークスを設立。1998年に『プライベート・ライアン』で、2度目のアカデミー監督賞を受賞。撮影においてリハーサルをほとんど行わないなど、凄まじいほどの早撮りで、3時間近くある自身渾身の大作『プライベート・ライアン』は2か月で撮影を終えたという。
1985年から89年までは女優のエイミー・アーヴィングと結婚。
女優のケイト・キャプショーとの関係を深め1991年10月12日に2人は結婚し、キャプショーはユダヤ教に改宗した。
スピルバーグとキャプショーの子供は7名。
『フォーブス』誌によると、2009年時点でのスピルバーグの個人資産は30億ドルである。

次にスピルバーグの作品の特徴としては下記のようなものがある。
・ 暗闇から強力な光を発するシーン
・ 太陽を用いた映像
・ 子供が何かしらの危機に陥るシーン
・ 重要なシーンでピアノのメロディが流れることが多い
・ 「離れ離れになった家族」という構図が頻繁に登場する。
・ 第二次世界大戦に関する言及が多い
・ 異文化の登場人物間のコミュニケーション

最近のインタビュー(65歳時)では次のような事を言っている。
・ 面白い事が浮かんだらすぐに実行しないと気がすまない
・ 全て人の成長、過去の自分から変わっていくそれをテーマにしている
・ ヒットでなくホームランのストーリーを作りたい
・ 恐れているものを映像とする事が自分へのセラピー、正直な作品にもなる
・ 絶対になりたい人を映画にしてきた
・ 自分に正直にいる事が大事
・ どうやって前の作品を超えられるかを考える
・ 緊張しない事は自信過剰になっているということ
・ 不安になるからこそ何度も考えなおしている
・ 引退は決して考えない
・ 映画とは心臓に血液を送り続けるもの