はじめに
『Bing』というアプリのAI機能、こちらの質問に対してなかなか説得力のある対応をしてくれるが、過信するのはちょっと危ない、というお話。
AIの危うさ
少なくとも、読書感想文で使うのは危険かなぁ。
理由としては、
- メディアミックス(ドラマ化、アニメ化等)がされている場合、どうしてもそちらの要素が多めに抽出されてしまう。
- その不正確な情報を基に、存在しない展開をでっち上げてくる。
- ある程度のクオリティが求められる場合は、自分で情報の精査をする必要があるが、無駄に回答のクオリティが高いため、間違いを見つけるハードルが無駄に高い。
キッカケ
キッカケは些細な思いつき。
『自分がもう一度読みたい小説の一文をAIに聞いたら、どれくらいの精度の回答が返ってくるのだろうか?』
ということで、
『出典やおおよその言葉は思い出せるけど、細かい言い回しは忘れてしまった一文』
を使って『Bing』実験してみた。
神様のメモ帳
今回実験してみた一文はこちら。
『理論が百年かかって橋頭堡を築いてようやくたどり着く地に、信仰の翼は一夜にして至る。』
![神様のメモ帳2 (電撃文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/51kreC4Ey9L._SL500_.jpg)
(出典:神様のメモ帳2(著:杉井光 電撃文庫))
物語後半で真相が段々と明らかになっていく場面で出てくる一文。
これを『Bing』で聞いた結果がこれ。
もっともらしく、ツラツラと解説文が書かれているものの、
少しも合っている要素が存在しない全てデタラメな情報。
原作の1巻にサブタイトルも存在しなければ、
アニメ第1話のタイトルは
『彼女について知っている二、三の事柄』
だし、
セリフの背景も
現場に赴くことの重要性を説いている訳でもない。
そして、最後に示されてる全文も、
問いにあった文章と、1巻の中にあった文章をそれらしくつなげて作られた架空の文章
という、
むしろここまでそれっぽくでっち上げる方が難しいのでは?
という逆に高難易度のことをやってのけた回答だった。
解答編
あぁ、やっぱり小説はソースがあんまり転がって無いだろうし難しいんだろうなぁ、ということでネタバラシとその反応。
『ソースを出せよ』
と、簡単には情報を鵜呑みにはしないAI。
これ自体は下手すると人間よりも賢い対応。
手持ちでソースを用意できなかったため(書籍、本棚の奥に埋もれてて救出困難……)、急遽Kindleで調達してくる。
運良くKindleUnlimitedの対象になっていたため、追加費用は無しで調達完了。
頑なに誤りを認めない!
それどころか
『それ、アニメオリジナルやで。原作とアニメだと細かいところが違うからなー』
と追い打ちをかけることも忘れない隙のない攻勢。
……ということで、悔しくて反撃
さて、反応は……
結論
あまり正確さを求められない文章を短時間で作成するのであれば、便利な代物であるものの、
- 正確さが求められる文章を作る場合
- ある程度詳しい相手に読ませる文章を作る場合
- 題材とする作品選定
- 完成した文章に対する諸々の確認作業
- バレたときのリスク