はじめに

『Bing』というアプリのAI機能、こちらの質問に対してなかなか説得力のある対応をしてくれるが、過信するのはちょっと危ない、というお話。



 AIの危うさ

少なくとも、読書感想文で使うのは危険かなぁ。

理由としては、

  • メディアミックス(ドラマ化、アニメ化等)がされている場合、どうしてもそちらの要素が多めに抽出されてしまう。


  • その不正確な情報を基に、存在しない展開をでっち上げてくる


  • ある程度のクオリティが求められる場合は、自分で情報の精査をする必要があるが、無駄に回答のクオリティが高いため、間違いを見つけるハードルが無駄に高い。



 キッカケ

キッカケは些細な思いつき。


『自分がもう一度読みたい小説の一文をAIに聞いたら、どれくらいの精度の回答が返ってくるのだろうか?』


ということで、


『出典やおおよその言葉は思い出せるけど、細かい言い回しは忘れてしまった一文』


を使って『Bing』実験してみた。



 神様のメモ帳

今回実験してみた一文はこちら。


『理論が百年かかって橋頭堡を築いてようやくたどり着く地に、信仰の翼は一夜にして至る。』 

神様のメモ帳2 (電撃文庫)

 (出典:神様のメモ帳2(著:杉井光 電撃文庫))


物語後半で真相が段々と明らかになっていく場面で出てくる一文。


これを『Bing』で聞いた結果がこれ。




もっともらしく、ツラツラと解説文が書かれているものの、

少しも合っている要素が存在しない全てデタラメな情報。


原作の1巻にサブタイトルも存在しなければ、

アニメ第1話のタイトルは


『彼女について知っている二、三の事柄』


だし、

セリフの背景も


現場に赴くことの重要性を説いている訳でもない。


そして、最後に示されてる全文も、


問いにあった文章と、1巻の中にあった文章をそれらしくつなげて作られた架空の文章


という、


むしろここまでそれっぽくでっち上げる方が難しいのでは?


という逆に高難易度のことをやってのけた回答だった。



 解答編


あぁ、やっぱり小説はソースがあんまり転がって無いだろうし難しいんだろうなぁ、ということでネタバラシとその反応。




『ソースを出せよ』


と、簡単には情報を鵜呑みにはしないAI。

これ自体は下手すると人間よりも賢い対応。


手持ちでソースを用意できなかったため(書籍、本棚の奥に埋もれてて救出困難……)、急遽Kindleで調達してくる。

 運良くKindleUnlimitedの対象になっていたため、追加費用は無しで調達完了。



該当部分に黄色マーカーで目印をつけて、気を取り直してもう一度ネタバラシ。


さて、反応は……




頑なに誤りを認めない!


それどころか


『それ、アニメオリジナルやで。原作とアニメだと細かいところが違うからなー』


と追い打ちをかけることも忘れない隙のない攻勢。


……ということで、悔しくて反撃




さて、反応は……




一旦は現実を少し受け入れた模様。

(しかし、まだ自分にも正しい部分が存在すると主張してくる……アニメは知らんけど、原作1巻には存在しないんだってば……)

ということで、完全説得は難しい……。


 結論


あまり正確さを求められない文章を短時間で作成するのであれば、便利な代物であるものの、

  • 正確さが求められる文章を作る場合
  • ある程度詳しい相手に読ませる文章を作る場合
これらに当てはまる場合は、多分自分で1から文章を書いたほうが早い。


読書感想文で使おうとする場合、
  • 題材とする作品選定
  • 完成した文章に対する諸々の確認作業
  • バレたときのリスク
これら全てを考慮した上でAIを使うことになると考えられる。

結果、

もはや1から作品を読んで書き上げたほうが早い

ということになるケースがあると考えられる。
ご参考までに(笑)