今でも夏休みの課題に読書感想文があるのか疑問ではありますが。
夏だし海行ってハメはずして遊びたいんだよぅぅぅ!!ってのが大人も子供も本音。
しかし、感想文は書かねばならない。
ならば気分だけでも海でハメをはずせばいいじゃない(´∀`*)
というワケで、おそらく学校の先生が勧めないであろう、しかし図書館には間違いなくある「海でハメはずしすぎちゃった男子高校生」が主人公の本をご紹介。

太陽の季節 (新潮文庫)/新潮社

¥540
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第34回芥川賞受賞作。
著者はニュースでもよく見掛ける、東京都知事の石原慎太郎先生。
弟である故・石原裕次郎氏から聞いた話をモチーフとして書かれた、登場人物ならびに作者の若さが大暴走した作品である。

どんなストーリーかといえば、酒と煙草と博打と喧嘩と女遊びに勤しむボクシング部在籍の高校生・津川竜哉が街でナンパした少女・英子とヤッちまったところ、英子は竜哉に惹かれ付き纏うようになる。
そんな英子が鬱陶しくなった竜哉は、彼女を兄貴の道久に5,000円で売り付ける。
以降、3人の間で金が行ったり来たり・・・してる内に英子の妊娠発覚。(父親は竜哉)
産ませる訳にはいかないので中絶させたところ、手術は失敗。
英子はこの世を去る。
彼女の葬儀で亡くなった事を「自分への復讐」と感じた竜哉は、遺影向かって香炉を投げつけた・・・。

こう書くとどうもこうもない作品なんだが、実際どうもこうもない。
まず主人公である竜哉が、絵に描いたような不良だ。
いや、実際に字で書いた不良なんだけどさ(;´Д`)
酒と煙草と喧嘩に勤しむ主人公なんてのは、今時だって不良モノの作品にはよく出てくる。
でも彼らは彼らなりの正義というか、一本通してる筋みたいなモノがあったりするんだけれど、竜哉にはそれがない。
そしてヒロインである英子も、ナンパされてほいほい付いてってさくっとヤッちゃえる程度に遊んでいた少女。
手術が失敗して生命を落としてしまったという結果こそ同情を出来なくもないが、妊娠中絶に至る経緯は自業自得としか言い様がない。
好意を覚えたからといって、付き纏ったりすれば無碍にされるのも仕方がない・・・んだが、ここでの竜哉の行動もぶっ飛んでる。
手酷く振ったとか、多少暴力を振るったとかではなく

兄貴に売った。5,000円で。

当時(1955年)の大卒初任給が12,000円だったらしいので、実の兄弟なのに結構な額を吹っ掛けました。
もうちょっとまけてやれよ、竜哉。
で、結局、女も混ざって3人で金銭のやり取り。

酒・煙草・喧嘩・不純異性交遊・売/買春。そして障子。

これが未成年者(道久は成人してたかな?)のみで行われている。
さすが映倫が出来る切欠になった作品。
もうね、いっそ一学期最後の日にこれを読ますかDVD観せるかして、「こういう夏休みは過ごしちゃダメだ!」って指導すればいいよ。
きっと素晴らしい反面教師っぷりを発揮してくれるよ、この作品なら。
はだしのゲンを小学3年生に読ませるより、高校3年生に太陽の季節を読ませるべきだ。
大丈夫。
あらすじだけ書き出すと教育によろしくなさそうだけど、芥川賞受賞作を読む事に問題ない。たぶん。
まぁ、英子が竜哉に惹かれた理由とか、この歳になっても未だに理解出来ないので、中高生からしたらギャグに感じられるかもしれんけど。
「太陽の季節」に限らず、石原作品は女性の心理描写がアレだよね。
英子はもちろん、「狂った果実」の・・・は、いいとして、「処刑の部屋」の顕子は睡眠薬飲まされて犯されたのに惚れるとか。
そんなんで惚れ込んでもらえるなら、そら常識のない箍の外れた若人は拉致監禁したりカルモチン盛ったり睡眠薬盛ったりするわ。
俗に「太陽族映画」って呼ばれてる作品群の主人公たちは、揃いも揃ってクズとしか言い様のない男どもなのに、みんな被害者に惚れられるという(笑)
そして「完全な遊戯」ではさすがに無理があると気付いたか指摘されたかなのか、正常な判断が出来ないヒロインになってしまった。

女性の社会的地位はまだそれほど確立されておらず、翌年には戦後復興完了宣言がされたほど景気のいい時代。
ほんの十年前が嘘みたいに豊かになってきた社会でも恵まれた環境にある若者の退廃的な姿ってのは、きっとこんなイメージだったんだろう。
それを小説という事で強調して書いたら、妊娠中絶とか拉致とか強姦とか輪姦とか、終いには殺人に至ってしまったという作品たちが生まれてきて、加害者は誰ひとりとして(法的には)裁かれないっていうね。
倫理観ってなんだっけと考えさせてくれる。
何故ならここまでやらかしちゃった主人公たちは、みんな「悪い事をした」という感覚がない。
もしかしたらあるのかもしれないが、少なくとも私には感じられない。
同時に、彼らは「悪者」にも感じられない。
何というか、石原都知事の言葉を借りるなら「足りない」感じがする。
道徳観念とか色々足りてなくて、「やっていい事」と「やってはいけない事」がわかってないというか。
高度成長期で親御さんの仕事が忙しくて、物質的には裕福だったけど精神的には放って置かれた子供がそのまま大きくなって犯罪を犯してるのに、本人も周りの大人も気付いてない、みたいな。
こう書くと今時の若者の置かれている環境に似ているような気がしないでもない。
だから気付く事、感じる事がありそうな気がするんだが。
教育の現場にいたら進められる作品じゃないわな(笑)





もっとも、一番大事なのは

「丁度」を「調度」と書いてしまう程度の漢字力で某I大学法学部に合格、小説を書いたら芥川賞を受賞、晩年は政治家として活躍出来るんだと教えてあげる事だと思う。
ついでにこういう話を書いた方が、裸が出てくる漫画はうんたらかんたらという事をおっしゃっているという事もwww
あれ、ドラえもんもダメなんだぜwww