- イエスタデイをかぞえて/インディーズレーベル
- ¥5,400
- Amazon.co.jp
BLCD「イエスタデイをかぞえて」を聴きました!
2015年1月28日発売 原作:綾ちはる イラスト:黒沢要
出演 吉野裕行 興津和幸 矢作紗友里 井上剛 飛田展男 戸部公爾 他
「三島冬至様、お迎えに上がりました」
突然目の前に現れた二人組の死神にそう告げられ、大学生の冬至は自分が死んだことを知る。最後に一つだけ願いを叶えてくれるという死神の言葉に冬至が選んだのは、死ぬまでの人生のやり直しだった。自分が居なくなった後の、恋人・椿武彦の苦しみを想像すると辛い。恋人にならない様、出会った頃の記憶を頼りに再び人生を送る冬至だったが、己の取る行動が尽く裏目に出てしまい――。
三島冬至(CV.吉野裕行)
文学部に通う大学生。武彦とつきあっていたが、交通事故に遭い…。
椿武彦(CV.興津和幸)
冬至と同じ大学の経済学部に通う大学生。その美貌と優しげな物腰から、経済学部の王子様と呼ばれている。冬至の恋人。
興津和幸(椿武彦)×吉野裕行(三島冬至)
※長文です。ご注意ください。
2015年発売のCDではこちらが今年初めて聴いたCDになったのですが、なんとも幸先の良い聴き初めになりました^^。
ボリュームがあり、聴きごたえもあり、キャストの演技も素晴らしく、感動系のお話!今年はいつにも増して素敵な作品にたくさん出会えるような気になってきましたよ!
たくさん書きたいことがあるのですが、大きなネタバレをしてこれからお聴きになる方には最悪な状態になるかもしれません
。ですので、分けました。少しお読みいただきにくて申し訳ないのですが最後の段落は白字にしましたのでネタバレOKの方はドラッグしていただいてどうぞ最後までお読みください。
本作は1枚目が三島目線、2枚目が椿目線で作られています。1枚目で話は完結しますが2枚目では別の見せ方をしていて、だれることはありませんでした。えー。三島は亡くなってしまうのだから同じシーンを繰り返すだけというのは目線が違ってもちょっと・・・と思っていらっしゃるそこのあなた!
大丈夫です。とにかく大丈夫です
。←
1枚目を聴き終わった時もそれなりの感動はありましたが、不明瞭な点も多かったのですよね。2枚目では上手く補いながら新しいシーンと切り口で話が進んでいきます。
私のイメージでは版画が完成していく過程を見ているようでした。1枚の版画を完成させるのに何度も何度も摺り最後にようやく味わい深い作品が出来上がりますよね。本作も全体像を知ってなお細かい部分が次々に加えられ、全て聴き終わった時にようやく全容がわかり感動に繋がりました
。
それから、本作は1トラックの中でも時間が前後することもありますが、わかりやすく作られていて原作未読の私でも理解できましたのでご安心ください。
まずは悲しさのお話をしましょう。
三島は結末を知っていてやり直しをします。更に、付き合ってまだ半年という一番楽しい時に亡くなったことも重なったからか愛情は強く深いです。
にも拘らず椿を遠ざけなければなりません!
前と同じ会話をしながら以前はなかった言葉を用いて突き放したり、一緒に過ごした大切な時間を過ごさなかったり。それってすごく辛いことですよね。顔を合わせる度押し殺して本心と真逆のことを言わなければなりませんし、思い出が三島だけの記憶になってしまうのですから。事実聴いていて「嫌いだ」と何度も三島は言っていますが「好きだ好きだ」と振り絞っているようでした。いくらこれから起こることを頭の中で整理してから話をしても現実には抗えないのですよね。それが心にズキズキ
きました。
こちらのシーンをご紹介させてください。
三島は由香子@矢作さんに椿の誕生日祝いをしようと誘われますが・・・
―予想はしていた。前にも同じ提案をされたから―
「しねぇ」
―あの時も断った。けど、それは自分が誰よりも先に祝いたかったからで、椿の誕生日を独り占めするためだった。その日、初めて体を繋げた。…でも、今回は違う―
「やるなら勝手にやれよ。俺はパス」
1度目も断っていたことがわかります。しかし表向きは同じNOでも中身は全然違うのですよね。1度目どう由香子に返事をしたのかわかりませんが、きっとそわそわして本心がバレないように頑張っていたのではないかと。2度目は少し投げやり気味で声も沈んでいます。
・・・こういうところを聴くと途端に悲しみが色濃くきますね。着実に終わりが迫っている現実を知らされると言いましょうか
。
悲しいお話は苦手だー!という方にはそれだけではないですよ!ということをお伝えしたいです
。
私は三島の心は純粋さに満ちていると感じました。と言いますのは、三島は冒頭事故に遭い亡くなってしまい目の前に現れた死神に願いを一つ叶えてもらいますが、その願いは人生をやり直して恋人と付き合わないようにしたいというものでした。死んだということだけでもショックなはずなのに冷静に捉え、しかも自分の為ではなく人の為の願いを叶えようとします。更に聴き進めると再び迫る死の恐怖は全くと言っていいほど書かれていなくて愛する人が悲しむのが辛いということだけがこちらに重く届きます。全体通してそのスタンスを貫いて作られていて、またおおよそ同じ類の心を持った人しか登場しない優しいお話だと思いました。
その優しさは常に葛藤と哀切に苛まれる中で作品全体の空気を柔らかいものにしてくれています。
素敵なシーンがたくさんありましたが、その柔らかな空気感と丁寧な描写のおかげで風景が瞼に浮かぶようでした。
流れでお聴きいただいて初めて気づいたシーンなので伝わりにくいとは思いますが、文学部の自習室での一幕はボーイズラブだなぁとしみじみしました。
三島は頬杖をつき澄んだ瞳で椿の顔をまじまじと見つめ、鼓動が早鐘を打つのを隠しながら椿は三島に見惚れていて。手を握って会話して、同級生に酷なからかいを受けても堂々としていて。でもまだ2人は恋人ではないのです。美しいシーンだということが目の前に光景が広がっているかのように鮮やかに届きました。
最近一部のCDで何をやっているのかよくわからないことがありますが、こちらは全部を語らず想像の余地を残しながらもはっきりと見せてくれていました![]()
他にも風景が動くシーンがたくさんありますので、皆さんもお好きなシーンを探してみてください!
私の陳腐な文章で書いてしまうのは申し訳ないので少しにしますが、坂をのぼりながら雪のある日常を伝えるところもいいですよね。ある人にとって見慣れたものが別の人には宝石のように感じられるというのがまたキャラクターを引き立てています。実在する場所の描写であることも好きです。
三島@吉野さん
イラストとあらすじを読んだだけだと三島はとても可愛い子に見えたので、吉野さんのことは好きですがまさかブリブリした感じで演じられるのかと一抹の不安が・・・。いえ、嫌なわけではないのですが、普通に演じていただく方が好きです。
ところが聴いてみると王子様とヤンキーという設定だったことが判明。そして吉野さんの演技も至極普通の親しみやすそうな兄ちゃんで、思わずガッツポーズしてしまいました(笑)。誰とでもすぐ仲良くなってメアドも気軽に教えてくれるそうで、そういう感じがすごく出ています!
だからこそ!!!拒絶しようとしている姿にあああ~;;となりました。時には結局突き放しきれず傍にいてしまうこともあります。隣に座っている時はそちらが本来の画だよねとしっくりきただけに余計・・・(ノ◇≦。)。
三島目線のお話では、2人のシーンが長い分濃密かと思いきやわからないことはわからないままです。その分葛藤している様子が濃く描かれていて、その表現が素晴らしかったです!![]()
とあるシーンで椿が―口調の割に優しい声音―と感じていましたがまさにその通りのお芝居でした。
近年吉野さんの作品は外れませんね~!ちょっと調べてみましたらここ数年全部買っていますね(笑)。聴いていない作品ほとんどないです。またぜひご出演いただけたら嬉しいです(*´∇`*)
椿@興津さん
吉野さんにも言えることですが、興津さんは更にモノローグの読みがゆっくりしていて作品の流れを損なわず且つ1シーン1台詞が脳裏に留まりました。
今更気づいたことなのですが、私さらっとした声の方が好きで逆にねっとりした方は少々苦手なようです。恐らく聴き疲れしてしまうのでしょう。で、興津さんはその両方を演じられる方なのですよね。ねっとりしていても基本的にキャラに合っていれば大丈夫なのですが、振り切って濃厚なこともあるのでそういう時は結構胸焼けしてしまいまして・・・。それで、本作はどうなのかと思っていましたらすごく王子様
でした!基本的にふわっとした笑みを浮かべていて女の子たちが群がるのに納得!一方で声に少し気怠さもあって(さらっととねっとり両方できる=中間を出せるという強み!)、とにかく甘いです。
椿がどうしていくら邪険にされても三島に固執しているのか最初は全くわかりませんが、想いの強さだけは伝わってきます。嬉しい時は100%の嬉しさを、悲しい時は100%の悲しさを三島にぶつける演技が素晴らしいです!
ネタバレになるので白字にしますが
「僕もその三島とかいう奴目当てだから!」
とっても嬉しそう^w^
それから、三島が2度目の死を前に身辺整理を始めると、察した椿が部屋を訪れて・・・
「ねえ三島、どこに行くの?」
「別にどこも行かねぇよ」
「嘘だ!三島…もう僕、無理だよ。お願いだから…僕も、連れてって……」
o(;△;)o
由香子@矢作さん
矢作さんだーーー!とキャスト知った時からわくわくしていました!登場シーンは少ないですが、気の置けない女友達感がよく出ていてさっぱりしているところがいいな~と^^
三島の葬式で焼き場に行くことを決意した時の「私、行きたい」には悲痛で気落ちしている中にも凛とした声が宿っていて、短い台詞でこれだけキャラクターを伝えられることに改めて感動しました。
椿の母親役も演じていらっしゃいますが、こちらはしっとり聞かせてくださっています。ぜひ聴き比べてみてください^^
長谷川@井上さん
ハンサムヒーロー系のボイスを想像していたら意外と声に音が混ざっていて成熟した大人っぽさがありこういう感じできましたか!と^^。この作品はほとんど2人芝居と言っても過言でないほど2人のシーンが長いです。きちんと存在感はありつつ主役を際立たせる脇役に徹してくださっていました。
椿に何度もあることを言いかけては止める時の躊躇いは特に心中が伝わってきました。
それにしても由香子も長谷川も良い友達ですよね。
演出に対しての疑問なのですが、2度目に三島と椿が出会ってしまった後4人で会っている時に2人が話す度由香子と長谷川の笑いを挟んでいましたが、あれをもう少し自然な形で入れられていたら更に良かったです。
絡みは2度あります。
どちらも2枚組にしては短めですが、最初から最後までしていますし、残された時間が短く愛情は深い為1回に込める想いが強く聞こえました。繋がって良かったです;;
個人的にはえろさよりも作品の流れから得られる恋人らしさを感じました。こういう絡みシーンの描き方は大好きです(*´∇`*)![]()
あと、吉野さんの掠れたあ え ぎも大好きです(*´ェ`*)←
巻末フリトは約1分13秒、特典CDは約11分40秒。
1度目の収録から10日も空いて2度目の収録が行われたそうです。まるで続けて録ったようでした!
トークテーマは「印象に残っているシーン」「もし突然死んでしまって1つだけ願いが叶うとしたら何を願う?」
大学の学食のお話やら合コンのお話やら(ただ払わされたっておいー!(* ̄□ ̄*;))。
吉野さんが、通らなかった道だから40になっても大学生は大人びて見えるとおっしゃっていましたが、それわかるな~。自分がしていないことをしている人って未知でいつもすごく大人に見えるんですよね。
あ、吉野さんは三島っぽい!真面目にそうお答えになるなんてお優しい方なのですね。意見するなら、一時は悲しくても楽しい思い出を皆さんお持ちでしょうからずっと記憶の中で生きるべきだと私は思いますよ!
で、興津さんのその後の答えが女湯を覗きたいって・・・おいおい!(笑)
さて、ここから大いにネタバレします。ご注意ください。
これから聴く予定のある方は本当に読まないでください!感動が9割減になってしまいます!
と書いているのについドラッグしてしまった方に朗報?を。
この作品、サッドエンドではありません。
私、聴いていてずっと疑問に思っていることがありました。
飛田さん演じる死神のお芝居が興津さんのお芝居と被りすぎていやしないかと・・・。
いや、確かに近いと言えば近いお芝居をなさる方ですし、飛田さんの柔らかいお芝居は割とよく聴きますし・・・。
結論。飛田さんが凄い!!!
抜きん出てお上手なベテラン声優さんがキャスティングされると作品がしまりますよね!今でもBL作品にご出演くださることに改めて感謝したいです。
で、そうなってくると卵が先か鶏が先か的な意味で時間軸がぐちゃぐちゃしてきて意味のわからないところもありますが、ファンタジーということで片付けることにします。と書いた後フリトを聴いたら吉野さんも同じことをおっしゃっていました!
本編最後の時系列もよくわからないのですよね。三島が築き上げた2度目の思い出は三島の死後を知っている椿にとってどうなってしまったのでしょうか・・・。椿は三島が死ぬ夢を何度も見ていましたが、その夢が死後の世界を生きる椿と繋がっていたということでしょうか。
あーまた余計なことを考えてしまった・・・orz
余計な考えが良く変わった部分もあります。
2人は付き合って日が浅く1番楽しい時だったから特別ドラマチックになったのではないかと・・・うわぁ人でなし・・・な考えを持っていた時もありました。
が、聴いていくと三島も椿も元々そういう人間で、いつであっても無償の愛を注いだことでしょう。この気持ちは先ほど「優しい話」と書いたところに通じていきます。
生きている時もしああしていたらこうしていたらというのがお互いたくさん出てきます。後悔に引きずられそうになる度、私も未来が途切れず続いていったらいいのにと願わずにはいられませんでした。
また、失われてしまった過去ではどんな会話が繰り広げられていたのか無理だとわかっていても知りたい気持ちもありました。
また書いてしまいますが、BLCDは別媒体ならば都合良く見られてしまうであろう甘い願いを叶えてくれるところが好きです^^。
と、なんだか全部しゃべってしまいましたがこれで終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました<(_ _)>