BLCD 『マウリと竜』感想 | 半腐女ry生活?

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腐っているような腐っていないような声優&アニメヲタが送る感想ブログ。
(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

ドラマCD マウリと竜/Ginger Records
¥3,240
Amazon.co.jp


BLCD「マウリと竜」を聴きました。
2014年9月19日発売 原作:元ハルヒラ
出演 豊永利行 遊佐浩二 日野聡 新垣樽助 花江夏樹 金田朋子 五十嵐裕美 他


「各地を巡り幸福をもたらす「巡り神様」たちは、恋をしました」
山間の小さな村を訪れた大きい竜と、生け贄として差し出された少年マウリの出会いを描く表題作『マウリと竜』をはじめ、
高校生と素直じゃない白蛇さまのじれったい初恋ストーリー『雨降らしの神様』
春を告げることりとクールな狩人の不器用な恋を描いた『常春の狩人』の3編と
マウリと竜のラブラブアフターストーリー『マウリと竜と温泉』も同時収録。



※全体的に厳しめな気がします。おまけに長文です。それでもよろしければどうぞお読みください<(_ _)>



まあ、こんなものでしょう。
と書くと随分作品に愛情が無いように見えるかもしれませんし、試聴時の激しい萌えっぷりをお読みになった方は落差に呆れていらっしゃるかもしれませんが、あの後はまた冷静さを取り戻していたのでこれは普通の反応です。
よっぽど確信が無い限りは過度な期待をしないのが楽しく聴くコツだと思っています。
キャラクターは可愛かったですよ。お話も日○昔話を見るような感覚でさらっと聞けました。

問題は脚本と編集!
ここが肝になってくるとは思っていました。何しろ本作は台詞が少なく絵で伝える部分が非常に多いですから。
サイレントのエピソードをどれだけ上手く脚本にするか、それをどう演じるように指示を出すのか、あとはSEなどどうするか。CD化を決めたからには重要なのはそこだったように思います。
まず、原作より台詞も増えていることですし、それならばもう少し説明描写も増やした方が原作をお読みになっていない方にも情景が浮かびやすく聴きやすい作りになったのではないでしょうか。CDから入られて楽しみ尽くせなかったと感じた方は原作をお読みになってみると良いと思います。
ひとまずこれだけは押さえておくべき設定は、神様たちは想い人と気持ちが通じ合うと相手と同じ姿になれます。気持ちが離れると戻ってしまいます。これを知っていると物語を捉えやすい部分もあると思いますので頭に入れて聴いてみてください^^
次に、3作収録されていますが全部で約53分しかありません。内訳はあとで書きます。
それから個人的に気になったのは、全作の語り部を共通して遊佐さんが務めていることです。語り自体は素敵ですが、本作に限っては各々の話に関わりのない神の視点が必要だったように思うのです。
どの話も巡り神たちが愛する人に出会って土地神になるという共通の設定があります。そこに必要なのは別の人物である気がするのです。有名な方でなくて良いですし個性もいりませんので、語り部という役を充てて欲しかったです。

未練たらたらで納得していない感じになっていますが・・・そんなことないですよ!
3作のうちどれかの感想はかなりテンション上がっています(笑)。




『マウリと竜』


収録時間:約18分54秒(「マウリと竜と温泉」含む)


マウリ(CV.豊永利行)
村を訪れた竜に生け贄として差し出された少年。
竜(CV.遊佐浩二)
山間の小さな村を訪れた、大きな竜の巡り神。
チビ(CV.小野早稀)
マウリと竜の愛の結晶。


遊佐浩二(竜)×豊永利行(マウリ)



マウリというキャラクターは、竜も惹かれていましたが目が綺麗です。村から女がいなくなりマウリは代わりに男たちの相手をさせられていました。たくさんの男たちの慰 み 者にされていたにもかかわらず、マウリの目は濁っていません。それどころか澄み渡っています。

原作を読んでいて1番印象的だったのがこの目で(原作をお読みになっていない方もブックレットの描き下ろしのマウリをご覧になれば言いたいことはおわかりいただけるかと思います)、どれだけ豊永さんが再現してくださるのかをとても楽しみにしていました。
大体は試聴した時と同じような気分で聴いていましたが、時々マウリの目を思い出せなくなることがありました。
私は豊永さんのマウリに充てた声の高さや基本の演技プランは超可愛くて好きですラブラブ!!!
竜がとても大きいのもあってかマウリは小さな子に見えていましたが、試聴してみると少年よりちょっと上という感じがしました。年齢で言えば幼すぎないけれど、話し方が舌足らず気味で純真無垢さが体中から発せられていて、マウリの可愛さはそこにあったのだなぁと気づかせられました!
「あぁ、うん」「え!?」等の返事やひとつひとつの受け答えが丁寧で、そういう時はマウリのまあるくて宝石のような目がこぼれんばかりに輝くような、思わず笑顔になってしまうほど愛しさが溢れてきます。
個人的には、マウリの動きのお芝居にもご注目いただきたいです。「っ!」「わああ!」等、上に書いたことに繋がりますが、抜かりなく丁寧に演じてくださっています!
それだけに時々舌足らずでなくなりただの元気な少年になってしまっているのが惜しいです。


竜役の遊佐さんは、試聴と特に印象は変わりませんでした。
竜は神様ですから、威厳や長く生きてきたという部分が見えると色々な意味で大きさが伝わってくるでしょう。それを渋さで表現してくださっていたのだろうと受け取りました。
彼はちょっと変わった神様ですよね。今っぽいと言いますか、若者っぽいと言いますか(笑)。

神様らしい神様を想像していると、最初の「チェンジ!」というキャバ嬢の顔を見た途端に指名替えするみたいな言葉に度肝を抜かれるでしょう。遊佐さんの端々に滲む軟派な読みがその設定と調和していたように思います^^。さすがです!
ただし、時々遊佐さんだな~ということがありました。竜としては何ら変わっていませんが、遊佐さんらしい読みをなさっていてブレていないからこそ、遊佐さんがいるなと思うのです。
竜は原作の中でデフォルメされて描かれていることがあります。その時に親のように優しく(*´∇`*)マウリを見ていることもあればプンスカ(○`ε´○)というような表情を見せることもあります。CDではそれが全部普通サイズの時と変わらなかったので、余計に遊佐さんらしい読みを私の中で拾ってしまった部分もあるのかもしれませんあせる



不満点は、最初に収録時間の短さについて書きましたが、それなのに原作通り律儀に2人のやり取りに語りを被せてきたことを挙げます。
マウリが魚を獲ってきて竜にあのねあのね!という風に話すのですが、あと数台詞で終わりなのにわざわざバックグラウンドで流して語りを被せていました。
いや、そこは分けてもよか・・・寧ろ分けた方が良かったのではないでしょうか(´・ω・`)。
短い中の貴重な台詞でしたから、聞き取れはしますがバックグラウンドで流れていってしまうこと自体が残念でした。
しかしたった1か所ですので細かいことを書いているなこの人くらいに読み流していただいて結構です。
あ、マウリがいただきますしているシーンがない!思いやりで満ちていて好きなので入れて欲しかったなぁ。



今回はその被っているシーンをご紹介しますね。
息を切らして走ってくるマウリ
「見てください!こんな大きな魚!」
「随分立派だねぇ」
「池にはもっと大きな魚もいたよ」
「ほーぉ」
「小さい魚がたっくさん集まって、大きな魚になって、それを追いかけて大きな魚がすいーって!」
「ふんふん」


竜だけでなく私もマウリを温かな気持ちで見守っていました。抜き出したシーンはそう感じられる1つです^^

お聴きになる際には注目なさってみてください♪




『雨降らしの神様』


収録時間:約11分24秒


神梅松里(CV.日野聡)
実家が神社の高校生。生まれつき人には見えないモノが見える。
白峯(CV.新垣樽助)
松里の実家に住み着いている、白い蛇の神様。本当は巡り神だったのだが……。
阿&吽(CV.金田朋子、五十嵐裕美)
神社の狛犬。


新垣樽助(白峯)+日野聡(神梅松里)



たった11分半しか収録されていません!
いやぁ、原作既読なのでこれが1番短いというのはわかっていましたが、今時付録CDだってもっと長いことが多いですよー;;
などと文句を垂れつつも、11分半でキャラクターの心の機微を感じ、キューーーン!とすることがあるのだなと感心しました。
聴く前、1話目と3話目はBLCD初主演の方がいらっしゃるので自然と注意が向いていましたが、こちらはキャストがキャストですから特に不安に思っている部分もなく、3作の中では安心も大きい分1番何も考えていませんでした。



突然ですが、『萌え』というのはどれくらいキャラを知っていれば得られるものなのでしょうか。
最近巷で話題になっている壁ドンや頭を撫でるといった描写も、相手がその作品のヒーローで主人公が好意を持っているから素敵だと思うのでしょう。好意を持つことについても、ある程度ヒーローのカッコ良さや優しさをこちらが受け取っていないと温度差が生まれる気がします。
話を戻しますが、しつこいようですがこの作品は11分半しか収録されていません!しかも神梅目線で進んでいるので白峯というキャラクターはほぼ神梅を通してしか伝わってきません。おまけに、神梅が「大っ嫌いだ!!!」と言ってしまったせいで白峯は白蛇の姿に戻ってしまい、岩戸に籠って出てこなくなります。

登場シーン自体少ないわけです。
にもかかわらず・・・!


「ぁぁ…!松里!だめだ!まだ足りぬから!」
「何してるの?」
「どうにか、どうにかな、お前の機嫌を直そうとな、いろいろ、集めて…いやいや、だめだ。秘密だ」
「!キラキラしてる」
「いや…だが…その……PSなんたらだのが手に入らぬのだ。欲しいと言っておったに!」

白峯、人間の姿に戻る
「7日も探しているのに、どこにもなくてな……っ……」


心臓がまあるく跳ねました!てれ


神梅は出会った瞬間からずっと白峯に想いを寄せていますが、子ども扱いされていることにもやもやして時々ふてくされたような表情を見せます。
不思議とその事実が神梅の言葉が無くとも伝わってきます。背伸びしたくなるけれど頑張っても追いつけないというのをなんとなく私も感じているのですが、「まだまだ子供かの」と言われた時にはっきりと正体を見せつけられてしまい、神梅はショックと共にもやもやが噴出してしまいました。わかっていることを口に出されてしまうと悔しくなってしまうという感じです。
子ども扱いしないでよ!白峯には、白峯だけにはそう言われたくないよ!なぜかって・・・言わなくてもわかるでしょー!みたいな。感情移入しすぎですね(笑)。
日野さんは神梅のもどかしく思っている感情を言葉にできそうでできない感じに演じてくださっています!心の優しい子なのだと伝わってくるほわっとした表現が素敵です(*´∇`*)


そして、抜き出したシーンですよ。
白峯@新垣さんは長髪で美人な神様なので、私の中では声の高さは中くらいで妖艶な雰囲気を漂わせているのだろうと想像していました。ところがいざ聴いてみると割と低めで老成した落ち着きぶりが魅力的で、その中にくらっとしそうな色気が!!!
私は第一声を聴いて初めて、そうだ!白峯は神様だった!ということを実感しました(遅っ!)。
ところがこのシーンでは別の一面を見せます。
白峯は見た目よりもずっと余裕がなくて、神梅の機嫌を損ねてしまったけれどどう直せばいいのかわからずあたふたしています。
神梅をすごく好きで、どうすれば1週間前の関係に戻れるかを捻り出そうとしているのですが準備が整いません。なんて可愛い神様なのでしょう。なんて大切にしているのでしょうブーケ2
始まって10分も経っていないのに!、神梅を大好きだという気持ちも白峯がどんな神様なのかもぜーんぶ数台詞に詰め込まれていて、それが心に届いて、『萌え』ました!アップ
新垣さんって何者なんですか!?どうして何でも演じられるんですか!?o(>ロ<o) (o>ロ<)oバタバタo(>ロ<o) (o>ロ<)o



ドラマCDは登場人物も少ないことが多いですし音声のみな分演技力が物を言う世界だと思います。誰かがちょっと違うだけでもあっという間に壊れてしまいます。
キャストをご覧になりましたか?阿&吽が金田さんと五十嵐さんだったんですよ!?実はここに一番驚きました。周りのキャラもぴったりの方が演じてくださるとまとまり方が違いますね!
お2人とも妖精とか精霊とかそんな風な小さくて可愛いファンタジー(けれど、ちゃんと和風!)を感じられる狛犬でした♪



神梅が「大っ嫌いだ」と言ってしまう経緯の伝え方がCDでは唐突に聞こえてうまくないと感じましたが、マイナス点を差し引いても良かったです!虹
2人のその後が聴きたいです!晴れ




『常春の狩人』


収録時間:約23分6秒


ことり(CV.花江夏樹)
各地を巡り春を告げる、鳥の巡り神。
ジーン(CV.日野聡)
鎮塚山に一人で暮らす狩人。


日野聡(ジーン)+花江夏樹(ことり)



試聴した際に花江さんが思っていたよりも低音で演じていらっしゃったので本編でどういう感想を持つだろうかと考えていたのですが、聴いた後にことりってこんな子だったっけ?と思い原作を読み直すと見落としていた部分をいくつも知り、目から鱗が落ちました!^^
試聴でジーンへ―かっこいいよ―と向ける台詞が聞けたのですが、私は花江さんと解釈が違っていたので本編を聴く前は受け入れられるか少々不安だったんですね。
実際CDを聴いてみてもやはりここの心の持ち方だけは疑問に思い、私は頑固なので譲る気はないのですが(ぇ)、それ以外で違う風に捉えていたところはことりはこういう部分を持っていたのだと素直に頷けました。
元先生の描くかわいらしい絵に目がいってたため(小鳥青い鳥の姿の時も愛らしくてか弱い感じがします)私はもっとことりはマウリ系の純粋で幼さの残る子だと思っていました。
しかし意外にもやんちゃっぽい部分や大人ぶっているような部分も持っていました。
「うっさいな!」「おう!」辺りがそのうちの一つでしょう。
そうやってことりというキャラを絵から受ける印象以外からのアプローチでひも解いていくと、花江さんの低めの声での演技に合点がいき、どんどん好きになっていきました。
あと、―春が来たよ―等、ことりが春を連れてきてくれたのだな~と実感できるような読みが素敵です^^


日野さんは「雨降らしの神様」とは全く違う低音で寡黙なキャラを演じていらっしゃるので、ファンの方にはおいしい1枚なのではないかと思います!
ええ、私は満足ですよ!日野さんのお芝居を聴けるだけで嬉しいのに、2役なんて贅沢させていただいてしまいました!(●´ω`●)ゞ
2話目と3話目は同じ日に収録したようですが、さすが演じ分けが完璧で別日に録ったのかと錯覚するほどでした!
ぼそりぼそりと話す中に良い人オーラがにじみ出ています。不器用ながら考えて自分の中にある気恥ずかしさを落ち着かせて言葉にしているのがわかります。
「今度は俺が君を守る……だめかな」
このような言葉をかけた時の“…”部分、つまりは絶妙な溜めからジーンの実直な人柄が見えるのも好きです(*´∇`*)!!
マウリの発売を処方薬に日野さんのCDを聴きたい病を抑えていたのですが・・・これで楽しみがなくなり再びゾンビ化(┓゜A゜)┓が始まりそうです(苦笑)。またぜひ新作にご出演ください!!!


あと、個人的にはヘビ役の佐々木さんが渋い風格を出してくださっていて良かったです。調べてみたらまだお若い声優さんなんですね。長く生きていて博識な感じがありつつ時々ただのおっさんぽくもありつつ作品に合っていたと思います。



このお話にも不満点はあります。
ことりが歌うことによって春が芽吹いていくのですが、人々を魅了する歌声、もっと言えば言葉を交わしたことのなかった頃からジーンに恋心を宿らせるほどの歌声!どんな素敵な声なのだろうとわくわくしていました。
が・・・なぜか基本的には笛でした・・・orz一番重要なシーンでは女性のオペラのような声になっていましたが、それもなんとなく似つかわしくないような・・・。
人間離れした歌声ですから形容し難かったのはわかりますが、笛にしてしまうとことりが笛を吹いているように聞こえてしまい作品の趣旨から外れているような・・・。
歌声を流さなくともこちらに伝える方法はなかったのでしょうか。いっそ何も聞こえない方が・・・もごもご・・・非常に残念です;;



ネタバレになるので控えますが、先ほど抜き出した「今度は俺が~」を聴ける辺りのシーンが好きです!ことりが「ううん」と涙を溜めるところなど特に♪




特典CDは豊永さん&遊佐さん、日野さん&新垣さん&花江さんで約14分53秒。
トークテーマは「アフレコを終えての感想」「神様と言うとどんな姿を思い浮かべる?」「メッセージ」
豊永さんは初めてのBL作品で感情の込め方を頑張ってくださったそうですよ^^
最後そんな荒まないで!(笑)途中色々書いていましたが、豊永さんのお芝居良かったですよー!!!
2組目は、花江さん、確かに女神さまがいたらいいですよね!あれ?金髪と黒髪でどちらがいいかとか・・・完全邪な方面に・・・(爆)
日野さんはどの作品もちゃんと原作読んでくださっているんですよね。嬉しいなぁ。
新垣さんはシンプルなところから膨らませてキャラを作っていらっしゃったのですね。軸がしっかりあるから萌えに繋がるのでしょう。私、本気で新垣さんのキャラの作り方について全部伺いたいです。