- ルボー・サウンドコレクション ドラマCD 初恋のあとさき/ルボー・サウンドコレクション
- ¥3,150
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BLCD「初恋のあとさき」を聴きました!
2013年2月27日発売 原作:日高ショーコ
出演 小野友樹 間島淳司 高橋広樹 他
仁科が打ち合わせに訪れたカフェは、学生時代の親友・美山がオーナーを務める店だった。10年振りの再会を懐かしむ仁科とは対照的に、美山は自分を覚えていないかのように素っ気ない。確かに存在した“友情以上”の関係。切ない「初恋」だったあの頃にはもう戻れないのか──?
仁科透(CV.小野友樹)
大手の上場企業に勤めている。お見合いで結婚をしたが、すぐに離婚することになりひとり暮らしをしている。
美山洸平(CV.間島淳司)
仁科の高校時代の同級生。仁科の祖父の珈琲店に興味を持ったことをきっかけに仁科と友人になった。現在は、カフェのオーナーをしている。
安東(CV.高橋広樹)
スタイリスト。美山と親密な関係。素直じゃない美山を放っておけず、面倒をみてしまう。
間島淳司(美山洸平)×小野友樹(仁科透)
※リバあり
お、面白かったー!久々に繊細なタイプのお話でテンション上がったー!
「嵐のあと」を聴いた当時はBLCDの発売枚数が多く、流れ作業のように聴いてしまっていたなぁと思ったので本作を聴いた後に聴き直してみました。中村さんの声はほんとに中毒になります。・・・ではなくて、以前よりも心情の流れなど丁寧に追って聴くことができて、良い機会になりました![]()
しかし、私はこちらの方が好きです。なぜなら、「嵐のあと」はゲイと完全なノンケがくっつくまでのお話で、榊目線で話が進み、ノンケである岡田の心情はあまりわからないので、どうして挿入まで至れたのか原作未読だとわかりづらい部分がありました。一方「初恋のあとさき」は、こちらもゲイとノンケのお話ですが、10年前に一応付き合っていたので気持ちが再燃
していく様子が掴みやすかったです。また、モノローグが両方にあるのでお互い何を考えているのか、人間らしいズルい思考の応酬を聴くことに非常にのめり込めました。
残念な点もありました。
まず、モノローグの際の音が変です
。低音質で録音したかのようで、割れているように聞こえます。演者さんがせっかく丁寧に心情を演じてくださっているのに、台無しです。どうしてこんなことに・・・orz
それから、どちらか目線で進んでいく時はまだ良いのですが、2人の会話が続いたり軽く触れ合い出したりすると、小野さんと間島さんの声が混同することがありました。話す際に「美山」「仁科」と相手の名前を呼ぶことも多いので冷静に聴けば大丈夫だと思いますが、特に声優さんに詳しくない方は原作を片手に再生する方が良いかもしれません。筆者は間島さんの美山タイプの声の聴きわけには自信があったので、えっと、今のは・・・と考えている自分にちょっと悲しくなりました
。
同じ出来事を、仁科から美山へと視点を移して語られるシーンもありますが、全てがかぶっているわけではないのでくどく思う方は少ないのではないかと思います。心理描写が上手いのでなるほど、と思うことばかりでした。ただし、聴いている最中は私は先が気になって仕方なかったので、繰り返しにうずうずしてしまいました(笑)。
上に書いたことの続きになりますが、初めは仁科視点で話が進んでいきます。
その為、二人が美山のカフェで再会した際も仁科の動揺だけがこちらに届きます。美山は仁科に対してまるで気付いていないかのように接客します。
仁科視点で見ているとどうして何も言ってこないのか、という不安は理解できるのですが(知れば知るほど、なぜかき乱すような真似ができたのかも考えてしまうところがあります)、所謂神の視点になってみると、ここまでで美山が仁科を深く想っていたことはわかりますし、仁科だって他人の振りをしているのですから、お互い隠したままなのに心の中はじりじり燃えているなぁと見ることができるかと思います。
仁科は美山の変わらなさに顔をほころばせたり、名乗り出ようとしたりもするのですが、あと一歩言うことができません。
ある日カフェに訪れた時、時計の秒針がコチコチ
と鳴り、どんどん心理的に言うべき方向へ向かっていきます。
―今なら、このタイミングなら、俺のこと、思い出してくれるだろうか。今この瞬間、美山と呼んでみようか。もしかしたら、何もなかったように……―
聴いている私も、そうだ!言おう!言うんだ!と念じていたら・・・
「あの!」
「案外さ、味覚って昔と変わらないんだな」
「!?」
「手も、指の形も、昔と変わってない。あとさ、指輪は?結婚したんだろ?どうしてしてねぇの?」
バン!とテーブルを叩く音
「なぁ、仁科」
「ぁ」
「こうやって何度も店に来てさ、無視してあげるつもりだったのに、もう疲れちゃったよ」
「っ」
「そうだなぁ。今から昔話でもしようか。10年前にお前が言ってた、まともな人生ってやつについて?」
「美山……」
一気に噴出したこのシーンの凄さ!!!噴出と言っても、大噴火ではなくて、高温の溶岩
がドロドロ流れ出てくるような感じです。言おう言おうとしていた矢先に響き渡るどこか嘲笑しているような冷たい声。言い訳の余地も与えさせない滑らかでいて責める言葉。
言おうとしていた言葉が引っ込んでしまうのは当たり前で、二の句が継げない緊迫感が伝わってきます。
私の中で間島さんは、このシーンのテーブルを叩くのもですが、他のシーンでも感情の捌け口として電車内(駅構内かもしれません)でドアを殴ったり、皿を割ったりするような激しいキャラを演じるには大人しい気がしたのですが、沸々と胸の底で煮えている感情を表すのが本当にお上手なので
、時々表に出てきても因果関係としては何もおかしいことはなく、興味深く聴けました。
この激情の後視点は美山に移ります。そこで仁科がカフェに足しげく通っていた時の美山の気持ちが明らかになります。
一つ前の話題に戻りますが、更に良いのが間島さんの甘えた声の上手さです!
本作の絡みは、最終的には仁科受けなのですが途中までは美山が受けなのかな?と思ったほど彼が触れられている時間が長いです。
お互いの体をまさぐり合いながら「仁科……好き……好きだ」と美山は駄々漏れさせるのですが、この色っぽさにはもうドッキドキしちゃいました!!!![]()
途中までは、片鱗は覗いているものの、仁科視点が長かったこともあってどちらかというと彼の気持ちに傾けて話を見ていました。
最初に美山が感情を露わにしたシーンの後、家についていった仁科は、体込みでしか関係を持てないと半ば突き放すように言う美山に
「……いいよ。泊まる」
「!」
「いいって言った。いいよ。明日休みだし、泊まる……美山、昔と同じこと、しよう?」
こういう誘いも聴き直すとああ~ズルいな~とわかっていながらも、同時にムラッときてしまうのもわかる気がします。
私の最初の印象で言えば、日高先生の描くイラストの仁科より小野さんの演技は美人でないような気もしたのですが、別の面で惹きこまれました![]()
一見美山との再会を喜び、自ら「しよう」なんて言ってしまうノンケを応援しそうにもなります。
ただその割には「まともな人生を送りたい」なんて酷い言葉を浴びせかけた過去が今や無かったことのようになり親しげに寄ってくるのは矛盾しているようにも思えます。
モノローグで仁科はその感情の正体をするすると語っていて、わからないでもないけれど、隠し通せているつもりでも現実はそう甘くないよ?と彼を少し上の位置から眺めるようになりました。
後に美山は核心を突きます。優越感に浸っている、と。
好きという感情も見えはするのですが、美山という他者からの一言でちょっとスッとしたので、上手く書けませんが、ここまで綺麗そうに見せておいて、でもどこかしら納得のいかない違和感を小野さんは丁寧に表現なさっていたと聞こえていたのでしょう。![]()
美山は誰よりも仁科をよく見てきていて仁科もそれはどこかで知っていたはずなのに、心の中が透けて見えてしまわないだろうと高をくくっていたのは・・・(^^;。
美山も美山で見透かしているのに逆手に取っているのですからお互い様なのですけれどね。実は似た者同士なのでは・・・?
もう一つだけご紹介したいシーンがあります。高校時代の2人のやり取りです。
美山、教室で走ってくる
「にーしな!」
がばっと抱きつく
「!」
「何やってんのぉ?何それ、塾の課題?」
「ぁぁ……」
「ねぇ、あれ……」
「ちょっとさぁ、キモくない!?」
「変だよね。仲良すぎ」
「特に仁科。だってさ、アイツに彼女いんの見たことないし」
「だよね」
「ねぇ」
「……」
「な。今日は一緒にバイト入る予定だったよな。俺さ、今度こそ絶対にお前が気に入るブレンドを、」
「美山。みんな、見てる……ちょっと離れろよ」
高校という狭い世界にいたわけですし、仁科が最終的に酷い言い方をして突き放すしか術が無かったのは仕方なかったでしょう。
美山は良く言えば無邪気で周りがどう思うかなどは目に入っていません。一方、仁科は人目をとても気にしているので、美山の無邪気さは凶器で、蜘蛛の糸に絡め取られるくらいに思っていたかもしれません。私だけかもしれませんが、それほどまでに、抱きついてくる時の美山の声は澄んでいて寒気がしました
。
よくBLに出てくる女性は2人の仲を認めていたり、逆に積極的に関わって乱していったり、ある意味理解者的な側面を持っている気がするのですが、ここに出てくる女子は遠巻きに見て「キモイ」と噂していて、現実的な痛みを与えられます。これは普通の反応の一つだと思うのですが、全てが合わさるとこのシーンはねじれの元凶を集約しているように思え、私は結構気に入っています
。
高橋さん演じる安東はとても大人の男性でした。美山と体の関係はあるものの、どちらの話もきちんと聴いて実は仲介役を担ってくれていました。
高橋さんの中では少し低く渋めの役作りで、独特の話し方の癖が合わさると、達観しているように聞こえました!素敵でした^^
Hシーンは、(私が数えたところ)ディープ キスが1回、触り合いが2回、本番が2回。どちらも結構喘いでいらっしゃるので、リバっぽさが苦手な方にはあまり好まれないかもしれません。私は間島さん受けが好きなのでラッキーでした♪(あまり違いがわかりませんが、最後のHはリバらしいです。)
最後の方は糖度の高いHになりますが、最初の方や高校生の頃の回想は打算的な一面があるので苦手な方はご注意ください。
「やぁ……」とか「そこまでは……」とか拒んでいる時にはっきり告げられる「好き」の威力は絶大です!
シャワー
を浴びるシーンでの「濡れたら、もう帰れないかと思って」という台詞も好きです。
特典フリトは約18分。
トークテーマは「現在と、高校時代の2つの時間軸があるが、演じていて気にかけたことはあるか」「子供の頃の夢は?今の夢は?」「派手で明るい美山、地味で静かな仁科。学生時代どちらが近かった?」「高校生からやり直せることになったら絶対やりたいことは?」「リスナーへメッセージ」
間島さんが高校時代の美山を若く作ってきてくださったそうで、あまり違いを出さないように作ってきた小野さんはもっと若くと言われてしまったそうですw
間島さんが心がけられたピュアさは1度聴いただけでしっかり感じましたよ!
小野さんがサッカー選手を目指していらっしゃったのも、間島さんが声優になりたかったのも聞いたことがありましたが、間島さんが親御さんに公務員に向いているんじゃないかと言われたというのは初めて知りました。なんとなくわかる気がしました^^
3つ目の質問から徐々にトーンダウン!?小野さんは女子とそんなに話したかったのか!?wイケてるメンズの真似がおかしいwww実際こんなんじゃなくないか・・・と思ったものの、今改めて思い返してみると小野さんの真似は的を射ている気がします(笑)。
好奇心として、鈴村さんも人懐こさもありどこか恐ろしさも醸し出すキャラクターを演じるのがお上手なので聴いてみたかったです。間島さんで大満足なのですが、前に別の方が演じていらっしゃるとどちらも聴いてみたくなるのは声優ファンにはつきものなのかもしれませんね。
思っていたより評判は芳しくないようですが、私は好きです!ご興味持っていただけたらぜひ![]()