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BLCD「愛してないと云ってくれ」を聴きました。
2007年9月21日発売 原作:中原一也 イラスト:奈良千春
出演 水島大宙 井上和彦 鈴木千尋 宮澤正 他
日雇い労働者の街のど真ん中で診療所を営み、自分の理想を掲げて屈強な男たちを相手に毎日奮闘中の青年医師・坂下だが、彼に日々何かとセクハラをしかけてからむリーダー格の斑目は、仲間から一目置かれているフェロモン全開のワイルド系エ□悪オヤジで…。
人のいいおっちゃんや、元気な弟分の双葉などクセのある面々に囲まれて、二人の関係にどんな変化が!?
坂下晴紀(CV.水島大宙)
29歳。日雇い労働者が集まる街のど真ん中で診療所を営む青年医師。医学界の裏の面に幻滅をし、自分の理想を掲げて日々奮闘中。
斑目幸司(CV.井上和彦)
34歳。無精ひげのエ□オヤジ。坂下先生にセクハラばかりしている。日雇い労働者のオヤジ連中からも一目置かれるリーダー的存在。
双葉洋一(CV.鈴木千尋)
マグロ漁船に乗っていた過去あり。いろいろ経験もしており、若いのに世の中をよく知っている。斑目の親友的存在。
おっちゃん(CV.宮澤正)
羊羹と酒が好きなおっちゃん。前歯が欠けているため、坂下を「しゃかしたしぇんしぇ~」と呼ぶ。
井上和彦(斑目幸司)×水島大宙(坂下晴紀)
※ネタバレしています。今後お聴きになる予定のある方は御注意ください。
やっぱり!面白かったです。
と書き出してみます。つい先日もそんなことを書きましたが、今作も面白いだろうと思いながらも積んでいた一作です。
そしてこれまた同様に、買った当初は声優さんがBL的な意味で得意ではありませんでした。でも、面白そうだとは思っていたので待って待って・・・今になって聴いてみました。
前の作品と違い、今回は大丈夫になったわけでは無く、再生してからの数分間でその後聴き進められるか自ずと決まってくるだろうと思っていましたが、始まってみれば何を無駄に身構えていたのだろうと思うほどすんなり魅了されていました。
中原先生のCD化された作品では、いつも書いていますが「欲望の犬」が一番好きです。「よくある話。」も良いですが、こちらは内容よりも演じ手の巧みな表現によってキャラクターが生き生きと動いたように思います。「ワケアリ」は後半ダレた印象。
他にもCD化されている作品はありますが、なぜいくつか並べてみたのかと言えば、今作はどの位置にあるか比較してみようと思った為です。
中原先生の真骨頂はオヤジを主役にしたお話にありますよね。そういう意味で私の好きな「欲望の犬」からは遠ざかっています。進んでみると意外とあれれ・・・と思うような、言い換えれば何ともない展開を迎えるのと、声優陣によってキャラクターが膨らんだという意味では「よくある話。」に近いような。(ですが、エピソードはしっかりと聞かせますし、先の展開をワクワクさせもしてくれます!私は声優さんの演技によって王道的?展開にもドキドキしてしまいました!後で詳しく書きます。)
また、もっとモノローグやシーン描写を長くしたら「ワケアリ」のような作りになってしまっていたかもしれません。(散々なことを書いていますね。作品ファンの方、ごめんなさい<(_ _)>)
今作の、事件や行動がモノローグで簡潔に説明されてしまうのは物足りなく思われるかもしれません。
一つの事件を一作の中で軸にして描いていますが、あるシーンを会話を大切に濃く描写したと思ったら、それからの流れは坂下のモノローグでさくっと進んでしまい、せっかく入れ込んでいたのに拍子抜けしつつ・・・(苦笑)。しかし、全部描いてしまうと終わりませんし、ダレる可能性もあるのでこれで良かったのではないかと思います。原作未読ですが、大切なシーンや台詞はしっかり盛り込んでいるように感じました!
(ストーリーは、おっちゃんが病気で余命幾ばくもなく、別離していた(おっちゃんは捨てられています)家族にそのことを伝えるのですが邪険にされます。亡くなった後、宝くじの当たりくじを所持していて、それを坂下にあげる(た)と遺していたことが判明。その旨を記した手紙がうっかり家族に渡ってしまい、気が狂った家族に狙われることになります。おっちゃんの死をきっかけに坂下と斑目の恋愛関係も動き出します。)
坂下@水島さん
水島さんがBL作品で演じられるキャラクターは、学生や可愛い系が多いですが、今作は29歳の医者です。
イラストをお描きになっているのが奈良先生なので潔癖でクールな印象を持っていましたが、全くそんなことはありませんでした。冷静に考えてみればそうですよね。わざわざ大病院を辞めて日雇い労働者の為の診療室で碌にお金も取らず診察しているわけですし。
良いところ育ちのお坊ちゃんという感じがとてもします。それは特におっちゃんの家族の元へ出向くシーンで強く感じられるのではないでしょうか。
「ご家族の支えがあれば、治療への気持ちも、前向きになると思うんです。どうか、おっちゃんに、オオシロさんに、会っていただけませんか」
こう諭せば改心してくれるに違いないと疑うことなく思っているのがありありと浮かびます。
現実はそう甘くなく、にべもなく追い返されて思い知ることになりますが・・・。
患者と接するシーンも、このようなシーンも、水島さんの持ち味である優しく温かみのあるまあるい包み方をしてくれる声と話し方にほっとします。
おっちゃんと話すシーンは、本当のおじいさんと孫の関係のように聞こえるほど。おっとり同じ目線で話をし、善意で溢れる姿を水島さんはそのままに演じてくださっています。その中に坂下なりのお坊ちゃん育ちであることの葛藤があるのも良いです。
斑目のセクハラは軽くあしらっていますし、待合室で喧嘩を始めてしまう患者は一喝しますが、完全には拒絶しない、隙があるところが坂下の人柄を表していると思います。
良い配役だと思いました!私の中で、水島さんの主演作では3本の指に入ります!かわい~い役を避けたい方には特にお薦めします。
斑目@井上さん
井上さんのオヤジとしてのカッコよさを初めてまざまざと見せつけられた役でした!
井上さんに限らず、同世代の人気声優さん方は皆さんオジサマ系だと私は思っています。品があると言いましょうか。もちろん、たくさん聴いていると他の一面にも出会いますが、目の当たりにするまではオジサマのイメージなのです。
私の中では井上さんはまだそのイメージだったので、ダンディではなくワイルドにプラスして日雇いのオヤジ臭を出されていることに驚きました!息遣い一つ取っても獣のような荒さを感じることがありました。
同時に、どこか哀愁漂ってもいて、普段は「俺だって病人だぞ。先生を思うと、股間が熱病にかかったみたいになるんだ。これは間違いなくマラリアだな。マ ラだけに…」というような下品な下ネタを吹っかけて坂下を赤くさせたり青くさせたりしていますが、ふとした時に、斑目という人間の裏を読みたくなるような大人の渋さを背中に感じさせてもくださっています。さすがの演技でした!!!
ただ、34歳では無かったかと・・・。目指したのは50代・・・?
双葉@鈴木千尋さん
メインで演じられる時は可愛いとか薄幸そうとか綺麗とか、が多いような気がしますが、脇役となるとまた違った魅力を発揮してくださいますよね。
普段は斑目とつるんで坂下をからかっていますが、斑目がかなり本気で言っているのに対し、彼はあくまでも冗談の範囲内で言っていて、良識的な人物だと受け取りました。
温厚ですが、ブクレの紹介通りその辺の若者とは肝の据わり方が違っているように聞こえます。話し方は、どこか間延びしているように聞こえるような、大船に乗った心地にしてくれるような、実はそれらは全部相手を安心させるようにそう話しているような・・・などと色々勘繰りたくなりますが、実際イイ奴に違いありませんので、彼の行動も丁寧に追ってみてください^^
おっちゃん@宮澤さん
宮澤さんすごい!!!おっちゃんが愛しくなります;;それだけに、わかっていた展開にも悲しくなりしばらく気分はお通夜状態になりました・・・。
私の中で宮澤さんは威厳を放つ役を演じていらっしゃるイメージがあり、今作のような空気の漏れる話し方のホームレスのおじいさんはどう演じられるのかと気になっていたのですが、いざ聴いてみれば、なんと可愛らしいおっちゃんなのでしょう!!!
あまり身長は高くなく、腰は少し曲がっているような。服はぼろく汚れていて顔もたるんだ皺が深く刻まれているような。でも、笑顔だけはとびきりでいつも和ませてくれる、そんな感じがしました。
“「しゃかしたしぇんしぇ~」と呼ぶ”とブクレに書かれていましたが、この台詞の読みは決してブレず印象的です。読み方は何通りもありますよね。イントネーションもですが、柔らかさや気持ちの入れ方一つで聴き手に伝わるものは全部変わってしまうと思うのです。
他を聴いたわけでもなく比べようも無いのですが、比べること自体無粋だと強く言い切りたくなるほど、宮澤さんの読み方は100%おっちゃんを作って下さっていました。
※ここから大きなネタバレになりますので、御注意ください。
斑目の正体は・・・という設定はありがちな展開だとがっかりされる方もいらっしゃるかもしれません。
決定的な場面を聴く前から薄々勘付いてはいましたが・・・実は天才外科医だったなんて・・・。
しかし、私は展開に関しては深く考えていなくて、声優さんによってこの後のシーンがどれもドキドキさせてくれるものに変わったことで、萌えまくっていました!
坂下が斑目の正体を知った後に、それまでと見る目が多少変わったのと同様(尊敬の念が含まれるようになったように聞こえます)、安直ではありますが、私も下品な下ネタさえちょっとときめいて聞こえてしまったり・・・(笑)。
双葉がしくじって敵にやられて運ばれてくるのですが、その前に既に一度襲われていた坂下は手を痛めて彼の治療ができず、病院に行くように勧めます。双葉が拒んでいると・・・
「斑目さん?何してるんです」
「先生、麻酔はあるか」
「何するつもりですか」
「俺が縫うんだよ」
キャーーー!!!
本当に甲高い黄色い声が出るかと思いましたよ!(もちろん近所迷惑になるので出しませんが(笑))
さて、この展開を踏まえて、ドキドキしたHシーンをご紹介したいと思います。
Hは2回あります(更に未遂が1回)。1回目は斑目の交換条件に乗った坂下が逆に挑発して・・・。
2回目と3回目が今回書き出したいところでして、斑目の正体を知った後、尊敬の眼差しを向ける坂下・・・
「先生、いい加減にしろ。そんな夢でも見てるみたいな目で見つめられると、理性が崩れるだろうが」
「斑目さんが…伝説の、外科医…」
「…おい」
「本当に、すごかったです」
「…先生」
濃厚なキス
「違う意味で、スゴかったって言って欲しいもんだなぁ」
「ん…んん……ぁ…ぁあ……まだらめ、さん……」
「そんな顔するなって、言っただろうが」
略
―斑目さんの言う通りだった。俺は、自分の体をまさぐる斑目さんの手に、夢中になっていた。さっき、双葉さんの傷を縫う時に見せられた、繊細で、大胆な手つき。あの手に、あの指に、自分の後ろを嬲られているのだと思うだけで、たまらなく興奮した―
未遂となる3回目は、坂下にしごかせるのですが・・・
「ほら、見ろよ」
「ちょっ…っ…あの…」
「見たいんだろ」
「ハァッ……斑目、さん…」
「???先生、先生の綺麗なその指で、いじくってくれよ」
(↑すみません。一部どうしても聞き取れませんでした;;)
「え!?そんな……・」
マニアックかもしれませんが、私、手の描写が好きなんです。何か手を使う仕事をしている人が居て、その所作が美しかったり魅力的だったりして・・・それをするのと同じ指で相手に触れるというのがたまらないんですよねぇ~。
ええ。気持ち悪いとツッコまれるの承知です。旧作感想は普段より更に自由にやっています(爆)。
未遂の方は、それまで天才外科医としての斑目の指に魅せられていましたが、坂下も良い腕を持った医者なのですよね。美人お坊ちゃんが興奮を湛えて顔を歪ませながら美しい指を相手に伸ばすのもこれまた乙なり・・・と。
もちろん、髪や頬に伸ばしていただいても萌えますよv
うっわぁ・・・絶対引かれるなぁ( ̄Д ̄;)
最初にそれなりに厳しく取られても仕方のないことを書きましたが、最後も個人的な疑問を投げかけて終わろうと思います。
なぜ「愛してないと云ってくれ」というタイトルなのでしょう?トヨ○ツのドラマを思い出しました(笑)。
合っていればそれでいいのですが、聴いていて関連性を見い出せなかったので気になりました。
坂下には斑目を突っぱねていて欲しいという意味かな?と一瞬考えましたが、本編だけでなくブクレの書き下ろしSSを読むにつけてもデレデレになっているのは明白ですし・・・ちょっと無理があるような・・・。
ぱっと見てタイトルが理解できずとも、聴いていくとロジカルな作りになっていてあっと驚かされ深く楽しめることがあり、そんな時にはそれ以降ケースを眺める時に親しみが沸いてくるんですよね。
何か重要な鍵を見逃しているのだとしたら申し訳ないのですが・・・
タイトルの響きが素敵だと思うのは、逆の意味になる言葉がドラマのタイトルになっていて人気作であることからも、一般的な感覚として捉えられるでしょう。それならなおのこと、響きよりも内容に即したものをつけた方が良かったのではないかと。
かと言って私に良い案があるわけでもないのですが・・・。
まーたぶっつぶっつどうっでっもいいこと言ってるよ!と、溜息ひとつで流してやってください<(_ _)>
内容はここまで書いてきた通り色々な意味で充実しているので、オヤジ攻めがお好きな方含め、ご興味沸いた方はお手に取ってみていただきたいです^^