- ドラマCD 真夜中に降る光/アーティスト不明
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BLCD「真夜中に降る光」を聴きました。
2007年10月25日発売 原作:砂原糖子 イラスト:金ひかる
出演 吉野裕行 小杉十郎太 矢尾一樹 他
歌舞伎町。雪の舞う寒い冬の朝。傷つき路上で倒れていた新二を、たったひとりだけ助けてくれた男がいた。津久井康文――
長身でスレンダーな体躯。まるで大型の草食動物のように穏やかに微笑む、いかにも人の良さそうな、バカ正直な男。運の悪いやつ――。
新二は、自分を助け介抱してくれた男を、これまでもそうしてきたように、騙し、強請り、脅すつもりだった。だが……。
「君はやっぱり優しいひとですね」。弱者を利用することに、罪悪感の欠片も持たずに生きてきた新二を、男は激しく動揺させた。そして調子は狂いはじめ……。
ついには金のためだと繋がりを持ってしまう新二。どうしてこんな男に出会ってしまったのか。果たして運の悪いのは、どっちなのか―――!?
金崎新二(CV.吉野裕行)
26歳。ホストクラブ「K」の部長。たくさんのピアスをつけ、いつもチンピラ染みた格好をしており、笑っていてもどこか冷たいものを漂わせる青年。中学卒業後、地元で塗装工として働いていたが、クビになり上京。その後、ホストに。同じホストの白坂とは同級。学生時代、スカした感じに見えていた白坂が気に入らず、いじめていた。
津久井康文(CV.小杉十郎太)
32歳。空間デザイナー。飲食店などの店舗等の内装を手掛けている。五年前には設計事務所から独立し現在はフリー。長身で、華奢な眼鏡をかけたノーブルな顔立ち。スマートな大型の草食動物を思わせる落ち着いた雰囲気の青年。過去のつらい経験から、暴力をとても嫌っている。
小杉十郎太(津久井康文)×吉野裕行(金崎新二)
「夜明けには好きと言って」 の感想はタイトルクリックでどうぞ。
(この作品はスピンオフです。)
※長文です。ご了承ください。
発売当初から手に入れておきながら、当時の私は吉野さん受けも小杉さん攻めも苦手だったので気付けば4年も放置・・・!?ちょっと今数えて驚いてしまいました!!!
とうとう時が来ました。
なんと、聴いたのです!!!←
苦手だと言いながら手元に置き続けたのは気が変わるいつかを待ち続けたからで、きっと面白いと確信があったからです。
実際、とても良かったですよ!
と言うか、今回の旧作感想シリーズは積んでいたものから聴いた中で個人的に面白かった作品しか長い記事にしませんので。ぶつぶつ書いていたとしても総合的にはいいもの聴いたぞー!とルンルンしていますからw
調べてみたら、サイバーフェイズのフェア商品としてまだこちらは残っているんですよね。この作品は前回感想を書いた「夜明けには好きと言って」の番外編なのですが、そちらは売り切れているのに・・・。
ちょっともったいないなぁ。確かに聴く人を選ぶかもしれませんが、ハマる人は絶対いると思います。
今から書く感想には大した効力も無いと思いますが、万万が一、面白そうじゃない!?と思われましたら御入手いただきたいです!
さて、なぜ聴く人を選ぶなんて書いたかと言うと、私の中で理由は二つ。
①金崎がどうしようもないクズ野郎だということ。
②小杉さんの声がキャラの年齢には聞こえないということ。
BLCDもかなりの枚数を聴いてきたと思いますが、主人公でこんなにクズだったのは初めてかもしれません。クズなんて本当に酷い書き方ですが、それ以外に金崎を表す言葉が無いのです。
助けてもらったのにろくにお礼も言わず、次のシーンではパチンコ屋で暇つぶし。気にかけて電話をかけてきた津久井に
「誰だー!?」(って、まず第一声がおかしい)
縁で出会えたのだからと言う津久井に
―そりゃまあ、この歌舞伎町で偶然出会ったらな。ハッ…そうか。確かに、縁だよな―
悪い顔が浮かびますよね~。絶対良からぬことを考えてるでしょ!と。
実際この後金崎は礼をすると呼び出し風俗に連れていき
「今夜の客、かなり絞れるぜ」
と、店員に耳打ちします。
まあ、津久井は乗らないので不発に終わるのですが。
おまけに「ありがとうございます。わざわざお礼まで考えてくれて」と恐縮されてしまいムカムカするのでした。
借金を作った客には体を売れと簡単に言いますし、できないなら・・・とライターの火を顔に近づけて
「黙れって言ってんだろが!このクソ女!!!」
「顔焼かれたくなかったら、腹括って働くか、金持ってこい」
と脅迫するなど・・・本当に・・・。
もちろん、それで全編終わるわけではありません。津久井に出会ったことで一筋縄にはいかないものの徐々に更生していきます。
津久井は金崎も言っていましたが、まるで神父様のようで、常に金崎を根は良い人間だと褒め続けます。何かあれば金崎を咎めるのではなく自分の行いを省みるので、拍子抜けしてしまうのです。悪い言葉も暖簾に腕押しになるのです。
金崎がゲイバーに出入りしているのを目撃した金崎が脅しのネタに使おうとするシーンのちんぷんかんぷんさを少し書いてみますw
「まさか、あんなところで会うとはなぁ。あんたがソッチの人だったとは。道理で風俗なんかには興味が無いわけだ」
金崎、煙草の煙を吐きかける。咳き込む津久井。
「ぁ、すみませんでした」
「あ?」
「あの場でちゃんと話しておくべきでした。せっかくのお礼だったのに、気を悪くしましたか?」
略
「なあ、空間デザイナーってどんな仕事なんだ?」
「え?」
「フリーとかでやってんだろぉ?信用第一の仕事じゃねぇの?俺があんたの仕事先の人間に話したらどうなると思う?」
「金崎君、心配してくれてるんですか?」
「はぁ?」
「僕は、随分頼りない男に見えるでしょう。ええ、僕は同性愛者です」
―なに、馬鹿正直に……―
「隠すつもりは無かったんです。ただ、自己紹介で言うのも変でしょう。それで、結果的に限られた人間にしか話さないでいるんですが……」
―なんだぁ。この柔そうな癖に。堂々と芯の通った態度は。調子が狂う―
略
机をバンと叩く。
「いい加減にしろよ!」
「え?」
「てめぇ、俺がゆするつもりで言ったのわかってんだろ?馬鹿じゃねぇのか?教えてやるよ。この間あの店に連れてったのも礼をするためなんかじゃない、ぼったくるためだ!世の中善人なんか揃ってやしねぇんだ!」
「…君は、やっぱり優しい人ですね」
「はぁ?」
「少なくとも、悪い人じゃない。だってそうでしょう。どうして僕に本当のことを話してしまうんですか」
「っ!」
金崎の性根の腐りきった思考も、プラス思考過ぎて逆に何を考えているのかよくわからない津久井の言葉も、どことなくもやもやするのですが、ここまでの人間ですから正反対でないとまっとうな方へ引き戻すことは難しかったでしょう。
少~~~しずつこの会話も噛み合ってきて楽しくなっていきますのでご安心くださいw
そうしているうちに、金崎はひねくれつつも徐々に可愛い一面を覗かせるようになります。
「オカマってのは生まれた時からオカマなのか?」と臆面も無く尋ねていたのに、「ホモってそんなにいいのか?面白いのか?」興味が沸いてきて金崎の素の部分でそう口にします。
「ちょうどいいや。試してみっか」
「え?」
「お前とキスしてやるよ」
「何言って…」
「試すには丁度いい。気持ちいもんかしてみろよ」
随分と上からの態度ではありますが、なんか、憎めなくなってきますw
Hシーンでは吉野さんの低音受けが聴けますvvなんという私得作品!w
二人で花見に出かけ、(多分)缶ビールのプルを開けてもらい
「はい。どうぞ」
「おう。サンキュ」
この時の自然な感じはすごく好きでした!僅かばかりだった良心が、津久井と会う内に表に出てくる機会が増えたな~とv
あ、でも、このしばらく後、また素直になりきれず津久井を傷つけることを言ってしまうのですが・・・。
そんな中でも、髪を切り黒く染め直し、大量のピアスを外し、並んで歩く時に津久井が恥ずかしい思いをしないように、と気を配ったりもしています。
もっと素直になりなよ~!と背中をバン!と叩きたい!(笑)
聴き終わった後はほのかな安堵と少しの幸福と、そしてしばらく経って充足感が満ちていきました。
私、一つだけ惜しいことをしたなと感じていることがあり、それは「薔薇色の人生」よりもこちらを先に聴けば良かったなと。
最近少し考えていたのですが、吉野さんは、声の演技だけで人物の育ちを変幻自在に操れるような気がします。ぱっと出て来ないだけで他にもそのような演技ができる方はいらっしゃるのでしょうが、しみじみと考えたのは吉野さんが初めてだったので、ちょっとこのまま書かせてください。
吉野さんのよく演じられるキャラクターと言うと、元気系、チンピラ、オタク、ヘタレ、DQN、可愛い系の少年、クールな策士・・・などなど、書いてみると結構幅広い!
ぬくぬく育ちました~という感じも出されますし、荒みきった感じも出されますし、バックグラウンドが謎な感じも出されますが、二極化するのではなく、中間の平凡な育ちのキャラクターもその通りに演じていらっしゃいますよね。高度な技術だと思うのですが・・・お読みくださっている方はいかが思われますでしょうか。
ちょっと脱線しましたが、今回の金崎は本当に最底辺だと私は思います。思考回路に善は無いのですよね。掠めすらしません。何かあればすぐに利用してやろうとか金が第一!金の為ならなんだってやるとか。そうなってしまったのは少なからず育ちが影響していると思うのです。
救いようないよ!
とツッコんでみたのですが、同時に、私は吉野さんの主役キャラでここまで酷い人間性のものを聴いたことが無かった為、やっぱりここまでできるんだ、とちょっと興奮してしまったんですw
大元は変わらないながら、金崎なりに少しずつ変化していく過程も素晴らしいですしv
書きたいことからどんどん遠ざかってしまっていましたが、「薔薇色の人生」のモモはカテゴライズすれば金崎と似た境遇にあるように思います。しかし、実際は全く違う人生を送っていますよね。
吉野さんの演技を聴き比べていると同じようにチンピラとまとめることができなくなります。
モモはくたびれていて、アイロンの掛かっていないシャツを平然と着ているイメージなのですが・・・。亡くなった両親に謝罪し人生をやり直したいと心底思いながらも結局弱さに負け、でも、ロンちゃんに出会い・・・。
元が弱い人で、大分丸くなった部分がクローズアップされているように思います。
対して金崎はいきがっています。暴力をふるう父と酒浸りの母という家庭環境で育ったせいか後ろ暗い感情を持て余していて、学生時代からいじめを主導していたような典型的な不良。そして、一生そのまま変わろうとも思っていないのだろうなと・・・。
上手くまとまらないのですが、良い普通悪いに分類した際、悪いの中で更に細かく演じ分けていらっしゃるんですよ。
そう気付いたら次は、キャラクターの年齢を考え、金崎を聴いてからモモを聴いてみたら別の新鮮な感動があったのではないかと思ってしまったのです。
今から「薔薇色の人生」を聴き直せばいいのですが、初めて聴いた時とは受けるものが違うので・・・。
あらら。なんだかCDの感想では無く吉野さんの演技について書きまくってしまいましたね。
小杉さんですが、ブクレを見ないで聴き始めたので、大分年上の男性との出会いによって金崎は更生したのね!と納得していたのですが・・・後で見てびっくり!32歳!?
ちょっとそれは無理がありましたが・・・原作をお読みになっていない方は年齢など考えずに内容に集中された方が楽しめると思います!私がそうでしたから^^
小杉さんは、男臭い演技の印象がありますが(と書きつつ、私が一番好きなのは「史上最強の弟子ケンイチ」の秋雨ですがw)、今作は終始丁寧語。
感情が昂ることも無く、金崎がいくら暴言を吐いても全くカチンと来ていないどころかどこをどう取ればそうなるのかわかりませんが感動すら覚えていることがあります。
声に一切の邪心が含まれていないのです。さすがに絶対今のはイラッとしたでしょ!・・・いや、してないんですね、よくわかりました。の連続でした。
実は昔荒れた時期もあったという設定なのですが、温厚過ぎて未だにその辺は事実だったのか?と疑問に思ってしまう程です。
過去とは関係なく、正義の心からチンピラを撃退して金崎を助けるシーンがあるのですが、その時に「来い!」と有無を言わせず腕を引いた時はかっこよかったな~!!!その時しか丁寧語を使わない時が無かったと思うのですが、だから余計に頭に残ってます(*´∇`*)
私も言われたいな~かっこいいな~小杉さん♪←ちょwキャラと混同するなw
ちなみに、助けた後「あの彼女と、君は寝たんですか?」と静かに尋ねるのですが、ちょっと嫉妬入っているんだろうな~と( ̄∀ ̄*)
三木乃はくじらさん!?のように聞こえたのですが、出て無かったよね~と思ってブクレ見て、矢尾さんだったので驚きました!矢尾さんがご出演されているのは知っていたのですがどこで出てくるの?と思ったらまさかのママ!w
サイバーのCDってファンブックがついてきましたよね。
聴き終わった後読んだのですが、私は吉野さんのご意見に賛同します。
最後、すれ違った白坂たちとはもう会うことはないのではないかな~と。
このファンブック、結構内容や演技についてお二人が追求してくださっているのがわかって読んでいてテンション上がりました!
吉野さんは原作を読み込んで下さったようで、キャラについての理解が深く、聞き逃していた金崎の可愛い部分を聴き直したくなりましたvv
小杉さんは、やっぱりこんな静かなキャラは振られないそうで、すごく楽しんでやってくださったと書かれていました!
私は演じる方から作品に対する愛情を感じると、ますます内容に入れ込んでいくので、リピする時にはよりこの作品を好きになっていることでしょう^^