BLCD 『夜明けには好きと言って』感想 | 半腐女ry生活?

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腐っているような腐っていないような声優&アニメヲタが送る感想ブログ。
(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

夜明けには好きと言って (幻冬舎ルチル文庫)/砂原 糖子
¥580
Amazon.co.jp

BLCD「夜明けには好きと言って」を聴きました。
2007年5月30日発売 原作:砂原糖子 イラスト:金ひかる
出演 福山潤 森川智之 吉野裕行 阪口周平 中村悠一 他


生まれ変わりたい。今ならそれができる。アイツはここで死んだ。もう、どこにもいない―

交通事故で一命を取り止めた白坂一葉は、大怪我を負った顔を形成手術で変え、名前さえ捨て、別の人間として生きることを決意した。惨めだった自分の過去をすべて封印して―。

だが、新たな人生を歩き出そうと夜の世界へ足を踏み入れた白坂は、出会ってしまった。ホストクラブ「プラチナ」のナンバーワンホスト・黒石篤成―

それは、白坂にとって、もし再び会うことがあったらどんなに詰ってやろうかと、真剣に憎んでいた男だった。中学時代に告白され、夏の間だけ付き合い、信じ、そして……嘘に騙された。復讐を胸に、『一夜』の名で黒石と同じホストの世界へ身を投じてゆく白坂。

だが、運命はまるでループを描くように、白坂を十年前と同じ境遇へ追いやり始めた。黒石から再び向けられる好意。自分は、いったいこの関係を楽しんでいるのか、それとも苦しいのか……。劣等感から解き放たれ、生まれ変わったこの『顔』でなにができるだろう。だが、白坂の人生は再びループを描き始めた―

『…今度は、なんの罰ゲームなんだ―』


白坂一葉(CV.福山潤)
25歳。幼い頃から、相手の顔をきちんと見ることができないほど、自分の顔にコンプレックスを持ちながら生きてきた。交通事故で生死の境をさまよい、形成手術で人相が変わった後、過去を捨ててホストの世界へ。
黒石篤成(CV.森川智之)
25歳。ホストクラブ「プラチナ」のナンバーワン・ホスト。親が事業破綻で残した巨額の借金をひとりで返済する為、ホストとして働く。その恵まれた外見とは裏腹に、古民家が好きで虫に詳しい、純朴で心根の優しい青年。
金崎新二(CV.吉野裕行)
25歳。ホストクラブ「K」の部長。白坂、黒石と同級。学生時代、スカした感じに見えていた白坂が気に入らず、いじめていた。いつもチンピラ染みた格好をしており、笑っていてもどこか冷たいものを漂わせる青年。


森川智之(黒石篤成)×福山潤(白坂一葉)



スピンオフ作品「真夜中に降る光」 の感想はタイトルクリックでどうぞ。



今頭からStacie Orricoの「Stuck」が離れないノルアです。
CDの感想書こうと思ってるのに「I hate you but I love you I can't stop thinking of you」って鳴りまくってるわけです。
でも、突然気付きました。そっか。状況は違えど、今から感想を書く作品の主人公の頭の中もそんな感じだったのかも、って。
大っ嫌いで復讐してやろうとしていても、再会した黒石の人となりを見ていくうちに気持ちは混在して。
大っ嫌いなのに、大っ嫌いな黒石のことばかり考えているじゃない。
あれ?そんな話じゃない?ちょっとこじつけ過ぎ?
何の脈絡もなく一部だけの関連性を切り取っただけの歌詞が頭に浮かぶこともあるよね、ということで(^^;



一枚のCDから作られるドラマ性の髄を尽くした作品です!
起承転結のしっかりついているところ、キャラクターの心情が丁寧に追われているところもポイントが高いです!
そりゃ人によっては、すっごく面白い!とは思わないかもしれません。ですが、聴いて良かった!良い時間を過ごせた!とは思えると思います。
結末を知っても、白坂と黒石の様々な感情がこもって一つ一つのエピソードが出来あがっているので、起承転結の結の部分にばかり気を取られずお聴きいただきたいです。
私は寧ろ、2回目以降を楽しんでいます。結末を知り最初の表情を追う作業も面白いですが、この作品は人がコンプレックスを抱えていたり復讐心を持っていたりと、結構暗い部分を主に描いているのに重くなり過ぎないのです。
主要人物の白坂、黒石、金崎。みんな家庭環境が良くありません。劣等感から他者をストレスの捌け口にしたり、救いを求めたり、純粋に嬉しくなったり、そのようなところが話の要になっているのに、聴き終わった後にしばらくはいいやとはならないのです。
明確な理由はわかりませんが、最初に挙げた理由以外で考えるなら、集中して聴いていると設定やエピソードに甘さがあるからかもしれません。本来ならばそんな単純に物事は進まないと思わされるのですが、逆にそこをかっちり作り過ぎると疲れる作品になってしまうとも思うのです。
具体的な部分を書こうとしたのですが、聴いている時は思い出すのに書く時には忘れてしまっているんですよね。メモしておけば良かったのですが、する気も起きなかったというか。その程度のことなのです。



白坂@福山さん
突然思い立って、リピート率の高い作品を書き出してみていたのですが、福山さんの作品が多いです!やはり福山さんの演技によって話が生きてきている部分があるのだと再確認しました。
今作も福山さんの演技に惹かれていました。(声は比較的低めですv)
舞台はホストクラブです。実はホストが主役の作品もあまり好きではありません(と言っても、他の作品と同じように聴きはします)。チャラチャラしているのが・・・で、シャンパンコールなど入れるのを見ているとはぁぁと・・・。
一夜の遊興に耽っても虚飾の世界に過ぎないと思い白けてしまうのもあるかもしれません。
しかし、福山さんの演じた白坂にはそういうイメージが一切無かったので自然と受け入れていました。
銀行員だったことも関係しているのかもしれませんが、話し方や扱いが上品で客を心底お姫様にしてくれる感じがあるのです。
白坂の働く店自体少しランクが高いようで、そこに見合ったホストなのだと思えました。
客がつかなかった頃外で客引きをしていると道にネックレスが落ちていて、記憶力の良い白坂はその持ち主が誰なのかわかり渡すのですが、そこを聴くと、この人の為に店に行ってもいいな~と。


「どうして私のだってわかったの!?」
「ああ…えっと、覚えてたから」
―時々、キャッチで声をかけては素通りしていく女性。この辺りの店に勤めているのか、いつも、12時ごろに通りかかる―
「ここは、いつも通ってるけど、でも、通りすがりの人の顔なんて、普通覚えてなくない?」
「そうかな?声をかけた人なら、割と覚えてるよ」


細やかな気配りは大切ですね。それだけで心掴みますもの。

さりげない話し振りで押しつけがましさが無く、声を掛けられた女性を特別だと思わせてくれるような感じが出ているんですよね。
もちろんナンバー1になるホスト(に限らずどの世界でも)は人一倍気を配り、話術に長けているのでしょうが、福山さんの声からはホストと一括りにされるのとは違う真摯さが発せられているのです。
全部がシャンパンコールをしているような店では無いでしょうし、ゆったり飲める店もあるのでしょうが、いざドラマCDで考えてみるとぱっと思いつきません。
白坂は大変努力してナンバー1になり、裏を思うとゆったりとはかけ離れていますが、客前でそう見せない福山さんの演技のおかげでますます良くなったと思っています。


ホストの話に字数を費やしてしまいましたが、白坂の恨み骨髄の内面を引き出すのも素晴らしかったです!
過去のおどおどして人の顔色ばかり窺っているような時の声の震え方や、もっと大きい声ではっきり言いなさいよ!とどつきたくなるような(ぉぃw)なよなよした感じ。
黒石に告白された際に彼が何度もズボンに手を擦りつけているのを見ている描写なんて、モノローグに冷静さよりも今その瞬間の白坂の感情が大きく投影されていて、非常に臨場感がありました。
形成手術を受けた後は顔が変わったおかげでまるで別人のようにハキハキと話すようになりますが、どこか神経が過敏で、性格全てが変わったわけではないと良くわかります。
人前では温厚ですが、実際は負けず嫌いで努力家です。
よく確かめもしないまま頭に血が上ることもあるのですが、その過程も含めて繊細な人間なんだと伝わってきます。
過去に関してはモノローグが大半で具体的な描写は重要な場面でしかありませんが、現在を通して過去の白坂の行動や感情がわかります。
描かなくても深みが増し、1枚でも充実しているのです。
魅せ方がお上手なんですよね。シナリオや構成も良いのでしょうけれど、間の取り方や演技の強弱の付け方、台詞一音一音にまで気を配っていらっしゃるように感じました。



黒石@森川さん
福山さんの演技を惹き立てていらっしゃいました。決して影になっているとか裏方に回っているとか言う意味では無く、普段は物静かで無愛想で言葉足らずなところもあるくらいなのですが、ここぞと言う時に感情を体現されるんです!
そうなると一気に黒石の存在感が強くなり、二人の主役のバランスが丁度良くなります。
このようなクールだけれど本当は・・・というタイプの声と演技だと、「P.B.B.」シリーズの純佑に近いものがあります。ただ、私の中で決定的に違うのは「P.B.B.」は忍のことばかり思い出してしまうのです。純佑主体の話もあるのに・・・。忍の方が派手だからでしょうか。
一方こちらは全体で一番記憶に残っているのが降りしきる雨の中黒石が自宅前の路上に立ち尽くすシーンです。
勘違いをして白坂は家の前で黒石を罵倒して帰ってしまいます。


―坂を下り、大通りに出た俺は、タクシーが通るのを待った。20分ほど経っただろうか。俺は、ふと坂の上のアイツの家を見上げた―
「まだ…明かりが点いてない」
―いくら待っても、明かりは点かない。気になってたまらず俺は、来た道を戻っていた。どこかで戻る口実だとわかっていながら―
歩く音
「!?黒石……なにやってるんだ」
―雨の中、黒石は、さっき別れた時と同じ状態で、そこに立っていた―
「くろ……ぁ……」
「っ……っっ……ぅ…う……」
―大きな体が、震えていた。雨に打たれながら、黒石は一人、泣いていた―


このシーン、お読みになるとおわかりいただけると思いますが、黒石が泣いているところ以外は白坂が話しています。しかし、頭に残っているのは大きな体で震えながら泣いている黒石の姿だけなんです。白坂の存在は極限まで削られ、想像を働かせていると、むせび泣く黒石が一気に視界に入ってきます。そうしたら、もう黒石で占められているのです。
純粋で優しい青年だとは思っていましたが、ここまで白坂を想って泣き続けられる人だったんだと、彼の悲しみに反して柔らかな気持ちが沸き上がってきました。
ブクレにイラストが載っているので、やはり印象的なシーンなのでしょうね。

森川さんの泣きの演技に注目してぜひお聴きいただきたいです。
この後誤解は解けるのでご安心くださいv


黒石が既知の真実を常に胸に秘めていることは再生回数が増えるに連れて深く捉えられるようになり、彼の内面を考えることに繋がっていきますし、過去を話すシーンでのぽつりぽつりとした孤独はどう反応していいのか適当な言葉が見つからないと思う一方で、彼の強さが制御してくれているので、ただ耳を傾けることができました。



金崎に関しては、次の機会に書くので止めておきますが・・・
「ホーモー野郎!」
・・・絶対こんな風に嘲笑うような言い方する奴(中学生)います。残酷です・・・。
なんだか自分が言われたような気分になってちょっと傷つきました。私は男性でもゲイでもないのに・・・。

吉野さんがそう落ち込ませるだけの素晴らしい演技をされています!


犬森を演じているのが阪口周平さんだったことに驚きました!

関西弁キャラであの声ですからすぐにわかるのですが、珍しいですよね~!?
人の良さそうな明るい兄ちゃんなので、彼が出てくると一気に場が明るくなりました^^
それだけに、白坂の夢の中での「あんた、誰?」はキツかったですけれど・・・。


ついでに書いておくと、片桐という白坂たちの同僚ホストが居るのですが、中村さんが演じています。

すっごく嫌な奴です!!!新人をいびったり嫌味ったらしいことばかり吹き込んで来ます。
ほとんど出て来ないのに、私が中村さんのファンだからかやけに耳に入ってきてしまうんですよねぇ。
いい声だけどムカつくわぁ!とやきもき(笑)。

今ではこのような性根の腐った脇役ってあまり聴く機会が無いので、貴重だな~とv



Hシーンは3回。ちゃんと挿れたのは多分1回です。
1回は愛しい気持ちからではなく、復讐心からそういう関係に・・・。擦っているだけというシーンもあります。
口を塞いで声を殺して快感に身悶える白坂は童///貞なんですから、萌えますv
あまり高音になり過ぎていないので、高音受けが苦手な方にもオススメします^^



丸く綺麗に収まることで、陳腐になる話もあります。
しかし、最初に書いた通り、この作品は決して安っぽくならずがっかり感は無いのです。
現在は入手するのが至極難しいのですが、もしこの感想をお読みになってちょっとでも興味の沸いた方がいらっしゃいましたら、中古ショップなどで見かけた際に迷わず手を伸ばしていただきたいです。もしその勇気が無いのでしたら後ろから背中を押して差し上げたいくらいお薦めできる作品です。



今作で登場した最低人間金崎を主役にした「真夜中に降る光」というお話もあります。
感想書いたので次回こちらも発表しますね。
二つのお話は時々リンクしていますが、どちらかだけでも十分楽しめます。
ただ、金崎しねとでも思った方にこそ、スピンオフ作品をお聴きいただきたいです。
なぜ白坂を執拗に目の敵にするのかもわかりますし、彼には彼なりの八方塞な環境があるんです。
もちろんそれでいじめていい理由にはなりませんが、ちょっと見方は変わると思いますよ。