遅ればせながら例の佐藤ママの東大突破本を読んだ。佐藤ママから見習いたいことを羅列してみたい。
「学校はすぐに休ませる。皆勤賞は重要じゃない」
佐藤ママ曰く、不登校は成績が原因になることが多いので、テストの点を頑張って取っておけばなかなか不登校にはならない。
我が家の場合、上の子は小1で休ませると勉強が遅れそうで怖い。その為休む日はその日学校でやる漢字を必ず家でやるよう言い聞かせている。病児シッターにも遊べる程元気ならば漢字と計算プリント2枚をやらせてほしいと頼んである。
子どもの痛い、だるいは正直本当か分からない。
親が迷うぐらいならば休ませようとこの本を読んで決めた。
朝から欠席ならば病児シッターの手配が出来て私は出勤できるけれど、子どもの早退にはシッターは対応しきれず私も早退~。
それにせっかく学校を休めても結局は勉強責めなのだから、サボろうなんて気持ちにはならないはず。
「子どもの鉛筆は親が削れ」
躾としてはどうなのとは思う。勉強と躾を天秤にかけたら勉強の方が大事なのかな?ただ鉛筆は親が削ったら親のストレスが減りそう。ガミガミ言う方も大変なのよー。
子どもが勉強する気になったらすぐに勉強できる環境を整えるあげたい。
せっかく机に向かったのに、親が
「鉛筆を削りなさい」
なんて小言を言ったら、子どもは一気に勉強の意欲が削がれる。
でも学校の筆箱は自分でやらせている。
「散らかすのは子ども、片付けるのはお母さん」
おもちゃを片付ける事を考えながら遊んだら子どもは楽しめないし、子どもが全力で遊びに集中できない、からだそうだ。
「お手伝いはさせなくていい」
理由は子どもが4人(佐藤ママすごい!)いると目が届かずに危ないから。そして今しか出来ないことをやって欲しいから。
勉強は早ければ早い程沢山のことを吸収できる。少しでも頭の柔らかく無限の広がりがあるうちに沢山のことを学んだ方がいい、と佐藤ママ。
「子どもにちょっと待って、は禁句」
子どもの興味の対象はすぐに変わっていく。親がすぐに応じなければ!佐藤ママは子どもの興味に応える為に茹でかけのそうめんを何束も無駄にしたそうだ。
最近私は上の子に実験の本を買い与えた。来年の夏休みの宿題の為だが、娘はどハマり。すぐにやりたい!となった。
発泡スチロール、画鋲、ストロー、紙コップ、切り口が丸い木の棒、水性ペン、消毒用アルコール。意外と家にない。更にうちには幼児の下の子がいる。危険物は家に置きたくないのだ。
夕食の準備で一番忙しい時に娘から、
「ねえこの実験をやりたいんだけど」
と実験の本を突きつけられたので、私はどっかーん!娘を怒鳴りつけてしまった。
「うちには下の子がいるんだから危ない物はないよ!それにあなたが実験すると下の子もやりたがるんだよ。実験はママが食事の用意をしていなくて下の子がいない時にして!」
あーあやっちゃった。
一応翌日の午前中に夫に下の子を連れ出して貰って、丸いスポンジを包んでいたプラスチックの容器で薬玉を作らせた。
丸い木の棒はあった。娘の初節句用法被を飾る和製ハンガーを分解したのだ。これと紙コップ、タコ糸で虫笛が作れる。
なおこの本には言及はないが、佐藤ママは受験が終わるまで恋愛禁止を説いて大炎上したと言う。
私は中学生から男女交際していたが、今になって思う。それらの恋は何ら自分の糧になっていなかった。
当時のボーイフレンドは一流進学校に通っていたけれど、彼の成績はガタ落ちしていた。同級生はみんな東大、悪くて早慶に進学したのに、彼は二浪の末中堅私立大学に進学。
若い頃の恋愛なんてどうせ結婚まで至らないし、男女共に性欲優先になるのだから、やっぱり勉強よ~。
そもそも私の場合は親とそりが合わず、家庭に居場所がなかったので恋愛でもしたら私の孤独が癒えるかしらと思って男漁りをしていた。もし娘が十代のうちに色狂いになったら、私が娘に寂しい想いをさせているんじゃないかと自分を責める。
楽器の習得にもページを割いてあり、「スズキメソード」に言及があった。そう言えばアメリカ版佐藤ママの「タイガーマザー」もスズキメソードを支持していた。
非常に読みやすい本である。読み終わった後に妙に肩の力が抜けるような感覚を感じた。
「子どもにすがらないのが親の自立」
自分の翼で飛び立とうとしている子どもの足を親が引っ張ろうとするのは18歳までの関わり方が足りないからだ。
なんでできないのとイライラして子どもとの関係が悪くなるよりも、出来ないことはやってあげて読み書き算盤を教えてあげた方がずっと前向きだ、と佐藤ママは言う。
「習い事はゴールを決めてから始める」
「子育てには出せるだけのお金をかける」
「お母さんも抜くところは抜く」
など、みんな心では思っているけれど、人前で口に出すのを憚ることを佐藤ママは主張し、結局子ども4人を東大に送り込んでいる。
一読をお勧めする。
余談
売れている小説家は高学歴が多い。
この本を読んで理由が分かった。
難関校の試験はとにかくボリュームがあり、受験生は時間との戦いになる。猛スピードで数学を解く灘高生と、書き殴るように原稿用紙を埋めて行く小説家の姿が重なるのだ。
限られた時間で自分の全てを出し切る。
頭脳の運動神経が良くなければ東大にも受からないし、今をときめくステキな話を読者が読みたいタイミングで届けることも出来ないのだ。