今年はボブディランがノーベル賞を取り、同年代のアーティスト達は大興奮。
クリスマスの約束の前の吉田拓郎の番組でも取り上げられていた。

当然2016年クリスマスの約束のラストもボブディランのカバー曲。
「お父さんお母さんはもう子供たちを思い通りにさせられない。手助けできないのならば口を出さないでほしい」
と、子を持つ母親としては頭を抱えるような詩だった。

小田和正いわく
「ボブディランは若者に30歳以上の大人を信じるなというメッセージを送り続けた。そういいつつ僕はもう70歳」

なるほどね。
道理で日本の音楽シーン、芸能シーンでは本来の活動そっちのけでは反安保運動にいそしむアーティスト達が多いわけだ。
彼等の多くは30歳をとうに越している。大人になった音楽家達が歯向かう相手は国家権力しかない。
ボブディランの魂は不滅だったのだ。

恥ずかしながら私はがっつりとボブディランを聞いたことがない。唯一聞いたのは、ビリージョエルのロシアライブCDに収録されていた、「時代は変わる」のカバーだけだ。
ソ連崩壊後のロシアで歌うボブディラン、西側からの共産主義に対する高らかな勝利宣言のように感じてしまうのは、私のうがち過ぎか。

大御所と呼ばれるアーティストは自身の音楽を広めるだけでなく、後世に音楽の歴史を教える教師たらねばならない。

その意味ではビリージョエルも小田和正も偉大なる教師である。