8月7日から15日にかけてアラスカで体験した感動の写真とエッセイを発信しています。

アラスカ南西のプリンス・ウィリアム・サウンドの氷河、ベーリング海峡、ゴールドラッシュのノーム、最北の町、イヌピアット・エスキモーのポイント・バロー、アンカレッジのクックインレット湾を臨むHotel Captain Cookの最上階レストラン、クロウズ・ネスト(クジラ漁船の見張り台)でのディナー、雲の裏側に出来た丸い虹とそこに映る飛行機の影(ブロッケン現象)などを取り上げています。



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アラスカのゴールドラッシュと言えば、ユーコン河沿いにある、ビーバーという村を思い出します。『アラスカ物語』のフランク安田が巨大な金鉱を発見して、飢餓状態になった北極海のイヌイットの人達を連れてきて、彼らのために作った村でした。詳しくは、ポイント・バローの稿で書く予定です。


金鉱の埋蔵量は、どこでも限界があり、隆盛した町もやがては消えるか、小さな町となってゆきます。


ノームのゴールドラッシュは既に100年以上も前のことでした。それでも、凄いと思うのですが、今でも小規模に採掘が続けられています。下の写真、金の買い取り所が、メーン・ストリートにありますので、金が採れる、と言うことの証です。


で、このお店が単なる観光者用のデモンストレーションではない、しっかりとした仕事として営業しているんだよ、ということが、ドアの張り紙で分かります。そうでなければ、張り紙に「アラスカ金買い取り社  月曜日~金曜日  午前10時~午後6時  留守の場合は -----にお電話を」 なんというメッセージまでは掲示しないでしょう。

営業曜日や時間、連絡先ぐらいは外壁にペンキで書いておいてもよさそうですが???


ゴールド買い取り店         ゴールド買い取り店連絡先             


ノームが金鉱の町であることは、前稿で掲載した下の写真の敷地を見ても分かります。僕は、嘘みたい、と驚きました。この柱が立っていたのは、ナゲット・イン、つまり、「金塊旅館」の庭だったのです・・・。


ノームからの世界の方位と距離  


金を掘り当て、札束を、バッグからはみ出すように持ち歩き、写真のような街の飲み屋さんで、お客さんたちに派手に振る舞いし・・・そして誰かが喧嘩を始める、そんな場面を思い描きます。

 

下右の写真のモデルさん、30~40才くらいでしょうか。自分が金塊を掘り当ててしこたま上等な酒を飲んできたのでしょうか、それとも誰かがご馳走してくれたのでしょうか、酔っ払っていて、僕に、「ここで俺の写真を撮れ」、と言ってきましたので、しかたなく一枚撮ってあげました。やはり僕は優しいのです。いや、気が小さいだけかも。 

で、彼は自分で金塊を見付けた、と言うことは絶対にありえません。僕に写真を取らせて、「ご馳走してやろうか」、とは言わなかったし、彼の仲間が、「奴はアメリカのクズだ」、などと教えてくれましたから。


もし彼が、これから金塊を探しに行くぞ、と言ったら、僕はついて行ったかも知れませんが。     



ノームの街並み        ドッグレースの記念碑

       

さて、ノームのゴールドラッシュは、けっこう長く続いたように思います。今でも細々ながら採掘されていることからも知られますが、街のあちらこちらに、名残を見ることが出来るからです。下の写真は、ベーリング航空のセスナ機から撮ったもので、ベーリング海峡に行く時、ノーム飛行場を飛び立つと間もなく、湖沼群の中に、見られました。この機械は比較的最近まで使われていたのではないでしょうか。まだ補修して使えるかも知れません。


捨てられたゴールド採掘機械         捨てられたゴールド採掘機械


蒸気機関のゴールド採掘機械


こちらは古びて、十分錆びきっっていますが、金採掘機です。周りにはいくつも捨てられてありました。それにしても、整然と並べられてのは、なぜでしょうか。


下の2枚の写真は、同じ場所のものです。こんな海岸近くで、小さな船が金の採掘をしているのだそうです。


ここは、イースト・フロント・ストリートの東の町外れの方で、僕のホテルを出て間もなく左です。タクシーの運転手さんが教えてくれたのですが、たまに数オンス、約100グラム(?)の金塊が見つかるそうです。100グラム、今ですと40万円ぐらいでしょうか。


この近くの家の前に、中古の金採掘機セットが売り物に出されていました。・・・まだまだ埋蔵の金は尽きないようです。

     
現在のゴールド・ハンター          海上のゴールド・ハンティング


この少し先で、観光客向けに、ゴールド・パニング、「砂金の鍋振り」、をさせてくれる所があるそうです。料金は分かりませんが、日本の金魚すくいのように、それなりの砂金を採ることが出来るのかも知れません。お客さんがいるから営業する、砂金が採れるからお客さんが来る・・・ですか。