ついに5/17に発売となる、ももいろクローバーZのニューアルバム『祝典』、そしてそれに伴う祝典ツアーも本日5/1が初日ですね!
アルバム発売前にツアーが始まるのは5th dimension以来なのかな、まだ聞いたこともない新曲も多くあり、どんなツアーになるのか期待が膨らみますね。
残念ながら初日裾野は行けませんが、武道館は参列できそうなので、その日を楽しみにしています。
さて、アルバム発売に先駆けて配信開始された新曲『MYSTERION』、皆さんもう聞きましたか? まだの方は名曲ですのでぜひぜひダウンロードや一聴ください。
5th dimensionやGOUNN、AMARANTHUS~白金などに連なるような、大袈裟なまでのケレン味満載の、壮大なスケール感で歌われる、まさに祝祭の始まりの歌でした。
個人的な話ですが、私はももクロさんの描く色んな世界観の中でこの路線も大変好きで、アルバム等の壮大な世界観に毎回かっけえ!と胸を撃たれています。
5D~GOUNNくらいまではどこまで本気なのか、照れ隠し的に半分くらいふざけた空気も交えてましたが(ネオスタMVとか)、国立ネオスタやら5D、GOUNNツアー、ドームトレックなどを経て、今や直球でキメキメで成立してしまうのもまた良いですよね。
さて、そんなMYSTERIONですが、これまでのオープニング曲などと通じるものがありつつも、新たな感情が加えられている気がしました。
NEO STARGATEでは扉を開いて次元を越えろ、GOUNNでは良い因果応報の果てに自分の化身(理想の姿)になる、AMARANTHUS~白金では死生観とその先の夢を歌い、
一段階大人になった5thアルバムのロードショーでは『これから皆様はこのshowの一部になります』と、大人の余裕と、周りも巻き込んで、ショーを楽しみましょう!という意思表示をしました。
では、MYSTERIONはどうか。
歌詞をみると、変わらず前向きではあるものの、これまでと異なる要素として、『怒り』の感情が綴られていることに気づきます。
『怒り』という単語自体も2回使われ、曲調も何か、気合がマグマのように沸々と滾っているように感じ、明らかに何かに怒っています。
では何に怒っているのか。
『やり場のない怒りで もう涙は枯れ果てた
このまま僕らはいつまで諦めつづけるのだろう?』
『何かを信じつづけるって ほんとはとても難しいんだ』
普遍的な意味でもとれますが、時勢的に浮かぶのはやはりコロナ禍でしょうか。
人と人ならお互いの言い分や相互理解などもあるでしょうが、ウイルスではそんなの関係ない。だから怒りのやり場がない。
ももクロだけじゃない。どれだけのアイドル、どれだけの人達が悔しい思いをし、諦めてきたことか。
ももクロの歌でここまではっきりと『怒り』の感情が表現されたのは、実は初なんじゃないかなと思います。
ただ、やはりももクロは、怒りの感情を噴出するだけでは終わらない。その怒りすらも、
『でも後悔しないからさ 今ここにいることを
まだ前に進めるか試されてる』
『絶望は理想の糧になる 今見つけるよ希望の種』
と前向きに超えて、原点である
『ただ笑顔でいてほしいと 歌い踊り愛を叫ぶよ』
と歌う。
だから『怒り抑え 頬上げろ』なんですね。
寄り添うだけではなく、同じ怒りを携え、
でもその怒りを超えて、笑って前に進む。
なんという強さと優しさとカッコよさ、
そして、ももクロらしさか。
これには今くじけつつある、あるいは挫けてしまった人も力を貰えたりするんじゃないでしょうか。
そして、もう一つ歌われていること、それが『自由』というなのことかなと。
自由というか、誰かが作った道を行くんじゃなく、自分自身で切り開くんだ。そこは獣道で本当は怖いし、自由の代わりにあてもないけど、帆を上げて、手を取り合って進み続けるんだと。
このテーマ自体は、これまでもももクロが歌い続けていてことではありますが、
『荒れ果てた海原に 航海に出て後悔はない』
『本当は怖いけど 人生というショー楽しみましょう』
と歌っていたよりも更に自発的で能動的で、
その覚悟の強さに執念すら感じる。
ここで歌われている、
怒りを越えて、道なき道を怖くても進む意志、覚悟。
それらを『This is pledge』(これは誓いである)と、
自分自身すら鼓舞するように連呼する。
その誓いに嘘や裏切り (betray) はないと。
この歌を貫く凄みみたいなものは、こうした覚悟の強さが楽曲の根底に深く流れていて、それが沸き上がるように伝わってくるからなのかなと感じました。
そして、手を取り合って進もう、『未完成の物語に君が命吹き込むんだ』と、聞いているこちらも同士、仲間として自然にカウントしてくれてるのが嬉しいですね。
行き場のない怒りを超えて、笑って前に進むんだ。
怖くても、己の道を自分で切り開くんだ。
それらを包括した、悦びの詩を刻み付けるぞと。
それは、大っぴらな宣言や行事じゃない。
MYSTERION。即ち、秘密の儀式。
水面下で沸々と、仲間だけに発信・共有することで、
だがそれこそが、ももクロなりの祝祭だと。
なんというカッコいい誓いと、
祝祭のはじまりのうたでしょうか。
(演出や構成は儀式っぽくしてるけど、めちゃくちゃ素直にももクロとファンがつくる関係性やライブ空間のことを歌っているんですよね、たぶん)
まさに今の時代に則した、かつ従来から歌ってきた意志を正統に進化して強く乗せた、『最新のももクロ』に相応しい素晴らしいリード曲だと感じました。
この曲をリードに始まる、祝典ツアー。
新曲ばかりのこのツアーがどうなるのか楽しみですし、アルバム本編も本当に楽しみです。
初日に参戦できる人達が羨ましいなあ!
ネタバレを気にしつつ、どんな祝祭になるのか、今からずっと楽しみにしています。
参戦する方々みなさん楽しんでくださいね!
しかし14周年を目前にしても、変わらずももクロさんは芯はブレずに、かつ尖りながら歩み続けていて、改めて本当にかっこいなと。
これからもずっと応援していきたいです。



