ある光17
※ジェジュンの語りになります。
サインをし終わるのを見計らって、おっさんは俺からペンを奪うと
契約書を満足げに眺めてデスクの上に置いた。
「さあ、これで君は俺のものだ」
振り向いたおっさんの顔は…今まで以上に歪んで見えて、
俺ははっと息を飲んだ。
夢から醒めたかのように、突然俺は自分のしたことの意味がわかったんだ。
じわじわと沸き上がるのは後悔の念。
こんな簡単にサインしてしまった…。
誰にも相談せずにここに来てしまった…。
サインした直後に考え直すなんて、ホント馬鹿だろ?
こんな簡単に目の前のエサに釣られるくらい、
俺は本当に幼くて周りが何も見えていないただの子どもだったんだ。
焦って立ち上がりかけた時、おっさんの大きな手が俺の肩を抑えた。
「スターになりたければ、なんでもやらないとな?」
すごい力で俺はソファに押さえつけられて、
そのままおっさんがのしかかってきた。
俺は何をされているのかわからなくて、
ただ恐怖心が背中から一気に這い上がってきて。
なんとかおっさんを退かそうとしたけど、腕も足も抑え込まれていて
かろうじて動かせるのは頭だけの状態だったんだ。
「ククク…怖い?」
おっさんが蛇みたいに目を細めて、口をつり上げて笑った。
それで、やっと俺は意味がわかって血の気が引いたのを覚えてる。
「みんなやってることだから、そんなに怖がらなくてもいい」
おっさんはそう言いながら俺の首に顔を埋めた。
鼻息がモロに当たって、気持ち悪いのなんのって!!
叫びたいのに、心底の恐怖って声を奪うんだな。
喉に何かが詰まっているみたいに声が出なかった。
「むしろ慣れないといけないよ?これからお前は頑張らないといけないんだからね」
俺の片腕はおっさんが身体ごと抑え込んでいて、
空いたおっさんの手が俺のシャツの中に入ってきた。
…今でも思い出すだけで震えてしまうよ。
熱くて分厚い掌の感触が、今も俺の脇腹あたりに残っているんだ。
おっさんは言った。
「これからプロデューサーや監督、助監督、大御所俳優、いろんな人に営業しなくちゃね…。
ただし、世間に知られてはいけない。
お前みたいな新人が騒いだところで、誰も相手にしないし騒げば騒ぐほど、やっかい者とみなされてお前を起用する芸能関係者はいなくなるだろうね。
もちろんそんな新人にファンなんてつかない。」
「こうやって、少しずつ顔と身体を覚えてもらって、一緒に頑張って行こう。」
涙が出た。
…自業自得なのにな…。
俺は、歌手になりたかったはずだよな。
歌を歌いたかっただけのに。
ホント、馬鹿な俺…。
「かわいそうに…緊張し過ぎて身体がこわばってるよ」
笑いを含んだ声でおっさんが言って、俺のものをぎゅっと掴んだ。
背中が凍り付くような恐怖が体中を走り抜けて、俺は大きく震えた。
これって男の本能だよな。
他人にモノを掴まれたら、潰されるんじゃないかって思う。
「仕方ないなあ…かわいそうだからコレをあげるよ」
おっさんはそう言ってポケットから白い錠剤を取り出すと、
俺の口もとへ持ってきた。
けど、そんなの飲めるわけないじゃん!
俺はぎゅっと歯を食いしばって思いっきり頭を振った。
できるだけ抵抗したけど、突然唇に感じたぬるっとした感触に
身体が硬直した。
恐る恐るおっさんを見ると、おっさんが俺の目を見ながら
舌だけ延ばして俺の唇を舐めていた。
ペロペロ。
ジュルリ。
おっさんの唾液が俺の口唇の上で音をたてる。
ぬるぬるとしたおっさんの舌の感触。
しこたま舐めては唇をこじあけようと舌尖らせてくる。
当然唾液は俺の顔を濡らして、
またそれをおっさんが目を細めて喜んで見ていた。
まるで、おっさんが人間じゃなく、どこか別世界の悪魔に見えた。
絶叫したい…!
けど声が出ない上に口を開けたら
そのわけのわからない薬を飲んでしまうことになる。
悔しくて怖くて、ぶるぶると身体が震え出すのに、
目の前のおっさんはさらに嬉しそうに唇を釣り上げて
鼻の穴を膨らませた。
すごく我慢したけど、限界だったんだ。
気持ち悪さに耐えかねて、俺はとうとう口を開けてしまった…。
To be continued…
…本当にごめんないTT
モロ昼ドラ設定で…。ううう。