第51回総選挙の結果が出ました。予想通りで自民党が衆院選小選挙区の86%で勝利し、首都圏79勝1敗、31都県を独占しました。
衆議院では、自民の単独議席(316議席)だけで国会の議席の2/3を越えたので、憲法改正(改悪)案の発議ができてしまう状況になりました。自民 +118, 維新 +2, 中道 -120, 国民 + 1, 参政党 +12, みらい +11, 共産党 -4 , れいわ -7,
今回の選挙で野党左派3党(日本共産党、れいわ新選組、社民党)の勢力は11議席減って、たった5議席になりました。大政翼賛の政党ばかりが伸び、与党をチェックすべき対抗勢力が消えかけているように感じました。
高市首相はこの選挙前に「国論を二分するような大胆な政策改革」を行うといい、肝心の「大胆な改革」の内容を明らかにしないまま、総選挙に打って出ました。自民党の悪政が国会で暴かれる前に高市政権の支持率が高いうちに解散しようと言う、「自己都合解散」といわれる解散で、これを梃に有権者に白紙委任状を求める選挙でした。そして多くの有権者は高市首相を支持しました。
白紙委任を求める「国論を二分するような大胆な政策改革」の内容は、選挙戦では明らかにされていませんでしたが、高市政権発足直前に公表された自民党・日本維新の会連立政権合意書に書かれていますので、以下のような政策を実施していくのでしょう。
以下の政策は全部「保守的」な政策です。これを有権者が指示したとは私には思えませんが、高市政権はこれらを一つ一つ実施していくでしょう。これらの政策には予算が必要になるので、社会福祉費が削られ、多くの人が求めていた選択的夫婦別姓制度なども遠のいた感じです。今後政府の行う政策と国民の要望の齟齬が大きくなるものと思います。
自民党・日本維新の会連立政権合意書の内容:
①スパイ防止法
②対外情報庁創設
③「5類型」撤廃(防衛装備移転三原則の運用緩和、殺傷能力のある武器の完成品の輸出可に)
④防衛力の抜本的強化
⑤憲法改正
⑥日本国国章損壊罪
⑦皇室典範改正
⑧旧姓使用法制化
⑨外国人政策の厳格化
この中には入っていませんが、原発再稼働や次世代原子炉の開発も推進の立場です。今後どうなるかは分かりませんが、消費税の削減は入っていません。与野党からなる国民会議に議論を委ねるということですが、消費税減税には赤字国債を充てないのであれば、大企業や富裕者への適正課税で取るしかありませんが、国民会議でそのような結論が出るとは思えません。結局は赤字国債での穴うめ、それも2年間限定となりそうです。
参政党やチームみらいの政策も自民・日本維新の会の政策と似たり寄ったりなことを考えると、国民全体が保守化しているように見えますが、最近の国民の意識調査を見てみるとそうとも言えません。
憲法9条と日本国憲法:
2025年5月時点の調査では、憲法9条を「変えないほうがよい」が56%でした。また、2025年8月の調査でも、改正「必要ない」が47.4%となり、「必要ある」の23.6%を大きく上回っています。改憲全体でも慎重: 改憲論議そのものに対しては、「急ぐ必要はない」との回答が65%に達し、慎重な姿勢が続いています。
原発再稼働:
一方、原発については2025年12月の主要世論調査では、原発の再稼働に対して「賛成」が4割超から6割超に達し、反対意見を上回る傾向が強まっているものの原発立地地域などでは依然として慎重な意見もあります。 新潟県が2025年9月に実施した柏崎刈羽原発の再稼働に関する意識調査では、地元周辺地域では依然として再稼働への反対意見が約60%を占めるなど、地域による意識の差が見られます。
今回の選挙結果:
今回の選挙結果はSNSによる選挙活動の特殊な影響があるように感じています。それでないのなら、「政治とカネ(裏金)」、「台湾有事」発統一教会問題、遡っては「桜を見る会」、「森友学園、加計学園の問題」、「公文書偽造」等々の問題が目白押ししている自民党に対する批判票が出ていないこと自体がおかしいと言わざるを得ません。
高市政権の「国論を二分するような大胆な政策改革」の改革内容は国民が望む方向とは正反対のように思います。まだあきらめてはいません。 今後も、原発再稼働反対、憲法改悪反対、立憲主義をまもる立場で声を上げていきたいと思います。

