朝晩の冷え込みがきつくなってきました。今日は、母と子の絆を歌った、アメリカの大御所女性シンガー・ソングライター・ドリー・パートンの心温まる代表曲『Coat of Many Colors』を紹介したいと思います。

Essential Dolly Parton

Coat of Many Colors

 

アメリカ南部・テネシー州の山間の町に生まれ育ったというドリー。これといった産業がないその町ではその日の暮らしもままならない家も多く、彼女の家もその一軒で、ドリーは小さい頃からラジオ等に出演して家計を支えていたようです。この歌は、厳しい冬の近づいた頃、貰いものの端切れで母親が一針一針愛情込めて作ってくれたコートを、学校でクラスメイト達に馬鹿にされてしまうのですが、他の子達のどんなきちんとしたコートでも、母の愛情が一杯詰まった自分の継ぎはぎだらけのコートには敵わないと実感し、そんなコートを着られる事を誇りに思うという、涙なくしては聴けない歌で、歌詞は彼女の少女時代の体験が基になっているそうです。特に、「One is only poor only if they choose to be(貧しいと思えば貧しくなってしまう。)」という一節にはっとさせられます。何かと慌ただしい日常生活の中で、あれも欲しいとかあれがしたいとか、こうだったらいいのにとかついつい足りない所ばかり見てしまいがちですが、便利な世の中に暮らす私達現代人が普段見失いがちな物を改めて教えてくれる一曲だと思います。

 

同名の絵本も出ていて、カラフルな挿絵が素敵な一冊になっています。

Coat of Many Colors

 

この歌を基にした、これまた同名のTV映画のDVDも出ているみたいで、カラフルなコートがどの様に映像化されているのか、機会があれば見てみたいですね。

Coat of Many Colors [Blu-ray]

Coat of Many Colors (輸入盤DVD)