待ちに待った夏休みが近づいて来ましたね。船今回紹介するのは、夏休みに読むのにうってつけなティーンの少女と少年のラヴロマンスや彼らと両親との親子愛を感動的に描いたニコラス・スパークスの『The Last Song』です。

The Last Song

The Last Song (オーディオブック) 

ストーリーは、NYに母と弟と住む17歳の少女・ロニーは、三年前にピアニストの父が家を出て行って以来、好きなピアノも辞めたり万引き事件を起こしたりと反抗的な態度ばかり取るようになる。そんな彼女を心配した母は、父の希望もあって、夏休みの間父の住むノース・カロライナの海辺の家に子供達を預けるが、弟のジョナは父と楽しく過ごすものの、ロニーは反抗的な態度を取り、家にあまり寄り付かない。そんなある日、家の近くの浜辺でウミガメの卵を見つけたのをきっかけに、アライグマに襲われそうなその卵を守ろうと決意。海で知り合った水族館でボランティアをしているウィルという少年を助けを借りて卵を守ることに奮闘し、彼とも次第に惹かれあっていく。そういう出来事を通して父とも徐々に打ち解けて来た時、父の病気が発覚してしまい・・・。

という感じです。ここの所スパークスの作品を何冊か続けざまに読んでいるのですが、そんな作品群の中でも心を揺さぶられる箇所がトップ3に入るくらい多いの作品で、読んでいる途中に何回テッシュのお世話になったかわかりません(笑)。それ程泣いた話でもありました。主人公・ロニーの父親・スティーヴの周りに対する思いやりが素晴らしいんですよね。彼は、ピアニストという職業柄か、言葉よりもピアノ等の芸術的な手段を通じてのコミュニケーションの方が得意なようで、自分の素直な気持ちを相手になかなか上手く言えないために、ロニーや既に離婚している彼女の母親ともなかなか心を通わせる事が出来ないのですが、その奥に秘めたたとえ自分が犠牲になっても相手を思いやるという純粋な気持ちが人一倍強くて、それが痛いほど伝わってきました。そして、そういう性格はロニーの弟・ジョナに相当受け継がれていて、彼の姉や父を思いやる言葉や行動にも感動させられっぱなしでした。ロニーは、最初こそ父に反抗してばかりなのですが、自宅近くの砂浜に産み落とされたウミガメの卵を守ると決めてからは徐々に父親譲りの純真そのものと言っていいくらいの優しさが顔を出し始め、ネタバレになりますが、父の病気が発覚した時にピークに達するのを読んでいると、「やっぱり蛙の子は蛙なんだな~。」と思ってしまいます。ロニーのボーイフレンドになる地元のお金持ちの少年・ウィルも、家族や友達思いな子で素敵です。それにしても、スパークス作品の登場人物って、ステレオタイプなアメリカ人像よりも、日本人像な性格の人が多く、日本人としては親近感を感じます。ニコニコ

英語は、いつもの彼の作品と同程度です。日常会話がふんだんに盛り込まれているので、「普段の」英語を学ぶのに丁度良いですね。グッド!

当時大人気だったディズニー・チャンネル出身のティーン・アイドル、マイリー・サイラス主演で映画化されており、スパークス自身が執筆段階からマイリーがキャスティングされる事を念頭に置いて描いたと言っているぐらいなので、ロニーはマイリーのイメージピッタリで、違和感なく見れます。原作との違いもさほどありません。ロニーが父に捧げる主題歌がまた良くて、聴く人の涙を誘います。

ラスト・ソング [DVD] 


The Last Song When i Look At You

When I Look At You