上司らしき刑事の 一言で 床に押し付けられていた俺は 近くの警察署まで パトカーで 連行された。



弁護士事務所の入居している ビルの出口を 出る時に 驚いた。



ビルの前には たくさんの 群衆と 報道関係者や テレビカメラが 並んでいたのだ。



そして 俺に向かって 報道関係者たちの カメラから多数のフラッシュが たかれたのだ・・・。



まるで 極悪非道な犯人が 逮捕された時のような 扱いだった。



どういうことなんだ・・・?



俺には 全く 意味が わからなかった。



( 何かの 間違いだろう 俺は 何もやっていないことは すぐに分かるはずだ。 )



その時 俺は そう信じていた。



パトカーに乗せられる前に 頭部を すっかり隠すように 布を 被せられた。



視界が 完全に遮断された。



刑事が 低い声で 語った。



「 お前を これ以上に マスコミや 大衆に 晒さないための 配慮だ。 感謝しろ。 お前は 有名人だからなぁ・・・。 」



俺が何か質問するのを 悟ったのか 刑事が 続けていった。



「 何を聞いても 今は 答えないから・・・いいな。 署に着いたら 厳しい尋問が待っているから 覚悟しておけ・・・。 」



パトカーから見えるだろう外界は 完全に遮断されて どの道を 走っているにかも 全く分からない 暗闇の中に 俺はいた。 



( きっと 多数の見物の人が いるのだろうな・・・それに マスコミも・・・。)



俺は 憂鬱な気分になった。



刑事が言った 俺が有名人だという意味も よく分からなかった。






( つづく )





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