4月の初旬、まだスタッドレスタイヤを履いてた時期のとある出勤時でした。

いつもの様に高速道路を走っていると前のハイエースがフラっと右に蛇行した瞬間、

左側に大きなくの字に曲がったラダーの様な物が!

追い越し車線で時速100キロ。

それが見えて0.1秒。急ハンドルを切ればスタッドレスではスピンしかねずそのまま衝突。

ドスンという鈍い音と共に左前輪が乗り上げました。

フロントガラス側に飛んで来なかったのが幸いでした。

取り敢えずそのまま出勤し会社の駐車場で確認すると思いのほかとんでもない状態。

社外のFRPで出来たバンパースポイラーが見るも無残な状態でおまけに前輪もパンク。

これでは帰宅出来ないので保険会社に電話してレッカーでディーラーに引き上げてもらい

代車で帰宅となりました。

ディーラーで社外のバンパースポイラーを手配してもらったのですが

納期が3か月との事でそれまで代車というわけにはいかないので

バンパーだけノーマルを持参して取り換えとなり、

社外のバンパースポイラーは代金を振り込んで自分で手配となりました。

タイヤもバースト、ホイールも傷、ヘッドライトもクラックで交換でした。

そしてバンパースポイラーを発注して待つこと3か月。

7月初旬にようやく物が届きました。

取付けるとなると事故処理は済んでいるので自分でとなります。

やるなら夏休みか。となりました。

以前付けていた状態がこれです。

S660.COMというメーカーのNSXチックなやつ。

しかし中央のシルバーのバーがやけにデカい。

Photo:ボディーカラーはバレンシアレッド・パール カーボンファイバー エクステリアスポーツ パッケージ、NSX専用鍛造アルミホイール(ペインテッド)、カーボンセラミックブレーキローター&レッドキャリパー装着車

本物はこんな感じです。2019年からメッキがボディーと同色になりました。

なのでシルバーの部分を塗りなおしてもう少しシャープにする事にしました。

夏休みの工作の始まりです。

まずは塗料の調達から。

ネットで調べたら2液タイプのウレタン塗料がセットで少量販売されてたのでポチッと。

ホームセンターでマスキングテープを買い込んで作業開始です。

パール塗装なので3コートで塗る必要があり結構面倒です。

シルバーの部分を#800の耐水ペーパーで水研ぎし足付けしてから

大体似せたイメージで塗分ける部分をラインテープで形を決めて他を全てマスキングし

下地のホワイトを塗装しました。

作業部屋の後ろにビニールシートを張って、ハロゲン投光器の熱で硬化促進させます。

塗っては15分おきにまた塗ってを3回繰り返しムラの無い状態に仕上げます。

15分位経つとウレタン塗料は硬化剤で硬化させるので手で触ってもべたつきません。

ただ、投光器の熱が60度位になるので部屋はエアコンを付けてもかなり汗だくです。

扇風機は埃が舞うので使えません。

お次はパールを塗ります。

ホワイトがパールホワイトになりました。

同様に3回ほど塗りました。もう暑くてたまりません。

あとはクリヤーを吹いて完成です。

パール塗装が終わり、次はバー以外のシルバーの部分を周りと同じブラックで塗ります。

まずはバーの部分をマスキングします。

そしてブラックで塗装です。

やっと塗分けが終わりました。

しかしここで塗り方をミスっていることに気づきました。

本来塗る度に半乾きの状態でマスキングを剥がさないと塗分けた端に段が出来てしまい、

端がガサガサになってしまうのです。

本来は塗る度に半乾きの状態でマスキングを剥がしまたマスキングして塗るのだそうです。

しばし考えた末、段差を#1500の耐水ペーパーで水研ぎして慣らし、

再度上から段差のエッジを丸くするためにクリヤーを吹くことにしました。

ここで1日目終了となりました。

時計は翌日近くを指してました。

クリヤーを吹いてから周辺と馴染ませるため小型のポリッシャーを買ってきて

中目→細目→極細目の順でコンパウンドで磨き何とか塗装は完成しました。

段差もクリヤーのおかげで滑らかになりました。

本来ならこれで取付けなのですが、元々高速通勤ならではの悩みがありました。

飛び石による傷です。

特に社外品のバンパースポイラーはFRP製なのでちょっと大きめの石を喰らうと

欠けてしまい、そのたびにタッチアップペイントで修理してたのですが、

点々と欠けが発生していたので今回そのまま交換するのも芸が無いなと思ってました。

何か良い方法は無いかとネットで調べたらペイントプロテクションフィルムなる物を発見。

飛び石を喰らっても紫外線で自己修復機能があるとのことです。

早速調べると業者に施工してもらうと軽く15万位します。

バンパースポイラーもう一つ買ってお釣りが来ます。

ネットを見るとフェラーリやランボルギーニ等のスーパーカー相手の商売みたいです。

さすがにそれは無いなと思い、ならば自分でとネットで調べたらありました。

ただ、安いやつは評判がそれなりで自己修復機能がありませんでした。

業者向けで自己修復機能がありバンパースポイラーを覆うサイズだと5万オーバー。

これも痛いなーと更に探すとその半額で業者向けの自己修復機能有りを発見しポチッと。

更に施工する専用の液と工業用精製水、噴霧器、水分とエアーを掻き出すヘラを購入。

3万位掛かってしまいました。もう後戻りは出来ません。

翌日到着し早速施工開始。

ところがこのフィルム厚さ0.15ミリと窓用フィルムより厚く接着力がかなり強めでした。

窓用のフィルムのつもりで単体だし1日あれば楽勝と考えてましたがとんでもありません。

裏紙を薄めた施工液を噴霧しながら剥がすのに息子と妻の手を借りて大騒ぎでした。

やっとバンパースポイラーに被せましたが、なんせ凹凸が激しく窓の様にはいきません。

濡らしてないと直ぐに乾いて貼りついてしまい一旦貼りつくと剥がすのが大変でした。

少しずつ濡らしては貼ってヘラでしごいて液と空気を出しシワになったらまた剥がして。

その繰り返しで3次元的出っ張っている部分はドライヤーで温めて引っ張って貼ります。

ところが凹んだ部分は谷の部分がどうしても浮いてきてしまいます。

どうしても浮いてきてしまう部分は仕方なくカッターで切れ目を入れて貼ってゆきました。

開口部の一段目を貼り終えたところで1日目終了となりました。

貼っていると他の部分が勝手にフィルム同士が静電気のせいか貼りついてしまいます。

こうなると剥がすのに破れるんじゃないかっていう位の力でないと剥がせません。

あちこちこんな状態で体力勝負です。

特にパール塗装の部分が飛び石でダメージが大きかったので

1枚で綺麗に貼るのは諦めて形状に合わせてカットしながら貼っていきました。

が、3次元曲面はシワになりやすく何度も貼っては剥がしを繰り返してたら

ガーン!一部塗装ののりが甘かったのかフィルムにくっついてしまいました。

ここまできて...この部分のフィルムは使えません。

そして剥がれた箇所はタッチアップでごまかしました。

塗装がついてしまったフィルムは位置をずらして貼ることで何とかリカバーできました。

どうにか3日間かけて貼り終えました。

とても満足いく結果には程遠く、近くで見ると細かな気泡や継ぎはぎ箇所沢山あります。

素人なので仕方ありません。

今回の大変さを考えると業者の材料費込みで15万超えは当然だな~と納得しました。

さすがにもう二度とやる気は起きません。舐めてました。

工業用精製水20リッターも買っちゃって結局15リッター以上余っちゃっいました。

飲めないし、ラジエターに足すかウインドウウォッシャー液位しか使えません。

翌日は開口部へのグリルの網を取付けからです。

グリルの網を裏からあてがいFRPに埋め込まれた針金を通して曲げて固定します。

ところが1か所FRPが剥がれて針金がグラグラになってました。

たまたま昔買っておいたホルツのFRP補修キットがあったのでそれで修理しました。

かなり昔に買ったのでFRPが茶色く変色してましたが裏なので固まってくれれば良しです。

網を付けたらもう一つ気になっていた部分がバンパースポイラーの底の部分。

車高調サスを入れて若干車高が下がったせいもあり車止め等に前から駐車した際、

ガリっとやってしまうのを軽減する目的でゴム製のリップを貼る予定で買っておきました。

アマゾンで1600円弱の廉価品です。両面テープで張り付けるだけなので楽勝です。

やっとバンパースポイラーが完成しました。

ここから取付け開始です。

まずはノーマルバンパーを外します。

裏側に4か所クリップで固定されているのですが車高が下がっていて工具が入りません。

ガレージジャッキもバンパーの下に当たってしまい入りません。

仕方ないので以前買っておいたカースロープに前輪を乗せて前を持ち上げます。

他に上側4か所とタイヤハウスのビス2本を外しバンパーを外しました。

前側両サイドに付属のステーを予め取付けてバンパースポイラーを被せます。

クリップを元の位置に嵌めますが上の3か所の穴位置が合わずヤスリで長穴にしました。

この頃にはすっかり夜になってしまいました。

裏のクリップをはめるのに寝転がって車の下に入るのですが、まだアスファルトが暑いです。

両サイドの付属のステーにビスでとめて取付け完成しました。

あとはナンバーを取り付けて完成です。

今日はここで作業終了です。

翌日、ちょっともうひと手間追加しました。

GTカー選手権に出場しているNSXの真似をしてワンポイントラインテープを貼りました。

こいつの真似です。

あまりあちこち貼るとキリがないし下品になるのでワンポイントにとどめました。

嫌になったら直ぐに剥がせますし。

気になっていたシルバーのバーの部分も細くなりスッキリしました。自己満足ですけどね。

なんだかんだで計6日間も掛かってしまいましたが何とか事故前の状態+αとなりました。

ジジイの夏休みの工作でした。