7月20日、東北に入って4日目。この日、Otonowaは夜に大船渡で演奏予定でしたが、7月16日に新宿で共演した岡さんがジャズフォー東北の第42回ツアーで近くに来ていることが分かっていたので、午前中から彼らが演奏する釜石近くの大石漁港に立ち寄ってみることにしました。地図上では大槌→大石はそれほど距離はないのですが、大槌のホテルの方に聞くと「あ~、結構大変ですよ。1時間はかかります」とのこと...。海沿いの道がかなりカーブの多いくねくね道のようです。

1時間かかるとなるとジャズフォー東北の演奏に間に合わないかもしれなかったのですが、岡さんとメールでやり取りしながら、とりあえず行ってみるということになりました。

問題はGoogle Mapsにもカーナビにも大石漁港が出てこないことでしたが、とりあえず行ってみようということで、ホテルの方から聞いた道順に従い、国道を降りて海沿いのくねくね道に入っていきました。雨の降る中、「本当にこの道で合ってるのかな?」との不安を持ちつつ、ひたすら道を進んで行くと、突然視界が開けて、海の近くの集落に。「多分ここだ!」と海辺まで降りていくと、漁港らしき場所に車が何台も止まっているのを発見。近くまでいってみると、ここまで人気(ひとけ)がなかったのが嘘のように、たくさんの人が細長い建物の軒下に集まってごった返しているではありませんか。

早速岡さんを探し出して再会を喜び、今回のジャズフォー東北のツアーで来ていたベースの高瀬さんとギターの小山さんとも挨拶させていただきました。この漁港でのイベントは、大石の小学校が廃校になった16年前から、当時の校長先生であるイベント主催者の方が年に1回の交流会として毎年行っているもので、海の幸とお酒を存分に楽しみ、地域住民の皆さんの交流を図るためのものだそうです。今年は大石の伝統芸能である虎舞(とらまい)の演技と、ジャズフォー東北によるジャズ演奏も行われました。

我々Otonowaは遅れての到着でしたが、皆さんの昼食会に誘っていただき、着いていきなりホタテ、イカ、ホヤ、サバ、エビ、カニ、ムール界、生ウニなどのご馳走を楽しませていただくことに!

oishi


雨が降っているのも忘れてひとしきり夢中で美味しい海の幸を楽しんだ後、機材をセッティングして演奏です。皆さんのご厚意で、まずOtonowaとして何曲か演奏させていただきました。その後はジャズフォー東北の岡さん、高瀬さん、小山さんに入っていただき、全員で「どんぐりころころ」をジャズ風に演奏。

withjazzfortohoku


ジャズフォー東北は今まで50人以上のジャズミュージシャン達が参加してきた、ライブジャズを被災地に届けるという活動を続けて来た素晴らしい団体です。震災の直後からの彼らの40回以上にわたるツアー活動は僕もウォッチしていましたし、知り合いのミュージシャン達も何人か参加してきたので、今回こういう形で共演が実現し、つながりが出来たことは本当に嬉しいです。彼らの継続的で献身的な活動にはおよびもつきませんが、これからも自分にできることを少しずつ続けて、他のミュージシャン達や色々な人達と連携して震災復興を応援し、そして「天災は誰にでも起こりうるのだから、その時に助けられる人が助けて、長い目で見てお互いに助け合いましょう」ということを忘れないように呼びかけていきたいと思います。