落日 | 書架再生

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20140901失くした1000冊を取り戻す

湊かなえ 『落日

出版社/ハルキ文庫

 
■本文より■

思い出すのは、あの子の白い手。忘れられないのは、その指先の温度、感触、交わした心──。//あれが虐待だったとは、今でも思っていない。
だけど、ファンレターは届いても、批判の手紙が届いたことはない。目の前で作品がおもしろかったと言われたことはあっても、文句を言われたり、石を投げられたりしたこともない。わたしはそっちを世間だと思ってる。
映画を撮ろう。撮り続けよう──。

ちゃんと繋がってはいくけれど。先へ先へと強く惹かれはしなかった。魅力的な裏切りもなく。小さなエピソードの細やかな部分は面白いのに。全体的に何だかリアルじゃなくて。湊かなえだからこそ物足りない。
この中のテーマを一つ、深く読ませて欲しい。湊かなえを信じているから、何度でも手に取る。

 

落日 (ハルキ文庫 み 10-3)