十二月大歌舞伎 『瞼の母』 『楊貴妃』 | nonco diary

十二月大歌舞伎 『瞼の母』 『楊貴妃』

瞼の母

長谷川伸による新歌舞伎。

昭和六年(1931)東京明治座において初演されたこの作品は、生母に生き別れ四十六年ぶりに再会した長谷川伸の実体験から書かれた物語。

 

博徒の忠太郎は、幼少時に別れた母おはまと二十余年ぶりに再会を果たす。しかしおはまは母としての思いを持ちながらも立場の違いもあり、忠太郎を冷たく追い返してしまう。

以前に獅童丈の忠太郎を見たことがあり、心揺さぶられる物語は強く印象に残る。

今回、忠太郎を演ずるのは中車丈。

「僕も25歳で初めて父(市川猿翁)に会ったとき、(物語と)全く同じでした。『お前は息子じゃない。帰りなさい』って。舞台では、それを母親に置き換えるだけです」と、中車丈のお言葉。

よく知られているとおり、中車丈ご自身がお父上との軋轢、巡り合わせの不運などをご経験であり、忠太郎は実人生と重なる、と。

上記のお言葉も重なり、中車丈演ずる忠太郎の声無き慟哭を感じるよう。

胸に染み入るような舞台でございました。

 

楊貴妃

夢枕獏が坂東玉三郎のために書き下ろした作品で、長編詩「長恨歌」と能の「楊貴妃」を題材とした舞踊。

能楽、歌舞伎を融合させて京劇の女方の手法も取り入れ、舞台上には幻想的な世界が繰り広げられる。

玉三郎丈の華麗な舞とともに筝、胡弓、尺八の音色がそれはそれは美しく、夢幻の世界へと誘われるような時。

今年の舞台は、これで見納めでございます。

 

 

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