五月花形歌舞伎 通し狂言 『椿説弓張月』 | nonco diary

五月花形歌舞伎 通し狂言 『椿説弓張月』

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五月花形歌舞伎 於 新橋演舞場 夜の部 

通し狂言 椿説弓張月

上の巻 伊豆国大嶋の場
中の巻 讃岐国白峯の場
      肥後国木原山中の場
      同じく山塞の場
      薩南海上の場
下の巻 琉球国北谷斎場の場
      北谷夫婦宿の場
      運天海浜宵宮の場

曲亭馬琴の原作を三島由紀夫が書き下ろし、自ら演出したという『椿説弓張月』。
初演は、昭和44年に国立劇場に於いて。(翌年に三島由紀夫は自死している)
上・中・下の三巻構成の長編で、新作歌舞伎でありながら
古典歌舞伎の様式を踏まえた作品。

「純歌舞伎手法を使い、上の巻を時代物の竹本劇、
中の巻以下を、各景さまざまな舞台技巧を駆使して
形象化しようとした」
と三島由紀夫自身が記している通り、舞台は歌舞伎の様式美が次から次へと繰り出される。
浅葱幕が切って落とされて竹本の呼び出しで動き出すところは、
『忠臣蔵』の[大序]を思わせる。
染五郎丈演ずる為朝の汐見の見得、翫雀丈演ずる阿公のモドリ、
竹本の聴かせどころ等々。
「薩南海上の場」での回り舞台やセリを駆使した演出も、スペクタクル感に溢れる。

ストーリーは長いので割愛するけれど、
印象的なのは全編通して「死」が散りばめられている事。
「死」は耽美なもの、「死」を以てこそ帰結する、という「三島の美学」が立ち昇るかのよう。

三島由紀夫は初演時、どうも舞台に満足できなかったらしい。
そして、歌舞伎「椿説弓張月」を文楽台本として書き直していたと。
しかし完成したのは上の巻だけで、文楽版「椿説弓張月」は未完のままだという。

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