★ワルプルギスの夜★

★ワルプルギスの夜★

つれづれなるままに・・

8月に観た映画は15本
内、劇場鑑賞は4本

ある時、Net上にNetflixとアマゾンプライムビデオの配信カレンダーが有るのを見付けて
その後は時々、新着・配信予定の作品と配信終了予定の内、
配信終了の中でも今日・明日中に終わってしまうと言う作品のリストを眺めて
一度でも、関心を持った事が有る作品や、

気になる俳優が出演しているものが有れば
時間をやり繰りして鑑賞している



それは、ちょうど昔
映画館の上映が2本立てだった頃の感覚を思い出す
目的の映画が期待外れだったとしても、

同時上映の映画が思いの外良かったりすると
プラマイゼロの気分になったり、

時には儲けものだったと満足して帰っていた

そうして、配信カレンダーで駆け込みで観る作品は

公開当時気になりながらも
“万障繰上げて”まで映画館に足をはこばなかったとか
公開終了後に評判を聞いて見逃した事が気になっていた作品が多い

8月に配信カレンダーの終了情報から観た
『哭声 コクソン』や『ウーマン・トーキング 』は、

少々自分のイメージとは違っていたけれど
『ノースマン 導かれし復讐者』は

フラットな感覚で臨んだ結果、

「あぁ、この作品は映画館に観に行けば良かった‥」と思った




【8月】

Netflix
💻アイ・アム・マザー
2019年オーストラリア・米国
グラント・スプュートリ監督
クララ・ルガアード主演

シアターキノ
🎦 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
2023年米国
アレクサンダー・ペイン監督
ポール・ジアマッティ&ドミニク・セッサ主演

ユナシネ
🎦デッドプール&ウルヴァリン
2024年米国
ショーン・レヴィ監督
ライアン・レイノルズ&ヒュー・ジャックマン

アマプラ
💻ブラック・ダリア
2006年米国
ブライアン・デ・パルマ監督
ジョシュ・ハートネット主演

アマプラ
💻 ウーマン・トーキング 私たちの選択
2022年米国
サラ・ポーリー監督
ルーニー・マーラー&ベン・ウィショー主演

Netflix
💻ベネデッタ
2021年オランダ・仏国
ポール・ヴァーホーヴェン監督
ヴィルジニー・エフィラ主演

アマプラ
💻 ノースマン 導かれし復讐者
2022年アイスランド・アイルランド・英国・米国
ロバート・エガース監督
アレクサンダー・スカルスガルド主演

アマプラ
💻最初で最後のキス(再)
2016年イタリア
イヴァン・コトロネーオ監督
バレンティーナ・ロマーニ主演

札幌シネマフロンティア
🎦フォールガイ
2024年米国
デビッド・リーチ監督
ライアン・ゴズリング主演

シアターキノ
🎦ポライト・ソサエティ
2023年英国
ニダ・マンズール監督
プリア・カンサラ主演

アマプラ
💻カクテル
1989年米国
ロジャー・ドナルドソン監督
トム・クルーズ主演

アマプラ
💻花束みたいな恋をした
2021年日本
土井裕泰監督
菅田将暉&有村架純主演

アマプラ
💻 哭声 コクソン
2016年韓国
ナ・ホンジン監督
クァク・ドウォン主演

アマプラ
💻サバイバー
2015年米国・英国
ジェームズ・マクティーグ監督
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演

Netflix
💻ブラックアダム
2022年米国
ジャウム・コレット=セラ監督
ドウェイン・ジョンソン主演







『ベネデッタ』は、漏れ聞こえて来た評判から

恐る恐る観たのだけど、
主人公が、結構大変な事をしでかしていた割に
不思議とそこまで後味の悪い感じが残らなかったのは
ベネデッタ自身に自己欺瞞は無く、
(ある種新興宗教の教祖の様に)毅然とした様子で自らに陶酔して、

後ろめたさを欠片も感じさせなかったからかもしれない

『フォールガイ』は、劇場で予告映像を観た時に
何でライアン・レイノルズが演るような役を
ライアン・ゴズリングが演じてるんだろう???と思って
完全にスルーするつもりでいたけれど
ほぼCGに頼らず、ちゃんとお金を掛けて撮った映画で
スタントマンの心意気が伝わる上に
ゴズリンの✨チャームが全開だった✨


(『バービー』のケン役が何だか痛々しかったから、

もうコメディは無理なお年頃かと思ってたけど)
彼の隠れ名作『ラブアゲイン』と同じくらい推せるかも❣️














〈オマケ〉

アーロン・テイラー=ジョンソン

顔ちっさ‼️




並んだ時、ゴズリンの顔が大きく見えたくらいだったわ💦


『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』では、

本当に高校生の時に撮影したと言うドミニク・セッサが

(本来なら、もっとカワユイ美少年が演るような役を)

ツリ目でアンバランスに手足が長いコがぶすくれて演じているのが、

とても良い味を出してた






先月は、とうとう劇場鑑賞が出来なかった
動画配信とレンタル📀で11本
特に、7月の前半は4月からのシステムトラブルによる

残業三昧で疲れ切っていた

【7月に観た映画】

アマプラ
💻フォロウィング
1998年英国
クリストファー・ノーラン監督
ジェレミー・セオボルド主演

アマプラ
💻エリザベス・エクスペリメント
2019年米国
セバスチャン・グティエレス監督
アビー・リー・カーショウ主演

アマプラ
💻レディ・マクベス
2016年英国
アリス・バーチ監督
フローレンス・ピュー主演

Netflix
💻聖なる証
2022年アイルランド・英国・米国
セバスティアン・レリオ監督
フローレンス・ピュー主演





アマプラとNetflixで続けて観た

フローレンス・ピュー主演の2作品は
同じ時代背景(19世紀後半)ながら、

対極の選択をする女性が描かれていた

共に過酷な人生の中で

自らを救う事を優先するか、

他者を生かすために身命を賭すかを
一人の女優が見事に演じ分けていた




『レディマクベス』は2016年に撮られた作品で
『聖なる証』の方は2022年作
ピュー自身の年齢に合ったタイミングで

それぞれの作品に出会ったからこそ
正反対の生き方をリアルに演じ分ける事が出来たのかもしれない

と、同時に
彼女はこれからも
負けん気の強い跳ね返り娘も
惑い、泣き叫ぶ女も
冷酷で気高い女性も
慈愛に満ちた母親の役でも
水が器に従う様に如才なく演じ続けて行く

逞しさがあるような気がする



Netflix
💻炎のデス・ポリス
2021米国
ジョー・カーナハン監督
アレクシス・ラウダー&ジェラルド・バトラー主演

アマプラ
👛💻デイズ・オブ・サンダー(再)
1990年米国
トニー・スコット監督
トム・クルーズ主演

アマプラ
👛💻マダム・ウェブ
2024年米国
SJ・クラークソン監督
ダコタ・ジョンソン主演

J-COM
💻ウィンブルドン
2004年英国・仏国
リチャード・ロンクレイン監督
ポール・ベタニー主演

GEO
📀バーナデット ママは行方不明
2019年米国
リチャード・リンクレイター監督
ケイト・ブランシェット主演

GEO
📀イノセンツ
2021年ノルウェー・デンマーク・フィンランド・スウェーデン
エスキル・フォクト監督
ラーケル・レノーラ・フレットゥム&アルヴァ・ブリンスモ・ラームスタ主演

GEO
📀 ロスト・キング 500年越しの運命
2022年英国
スティーヴン・フリアーズ監督
サリー・ホーキンス主演






『バーナデット ママは行方不明』と
『ロスト・キング 500年越しの運命』の主人公である主婦は
どちらも、良妻から掛け離れ、

標準的な母親像からも外れた面を持っていた

かつて、天才建築家ともてはやされたバーナデットは

挫折を味わい、今や行き詰まった生活から南極の地へ
職場で上司から理不尽な評価を受けていたフィリッパは、
執念で駐車場の下からリチャード3世を見付け出し、

彼の長年の不当な評価を覆す(実話)






序盤、彼女らは周囲の人間や家族の悩みの種になったり、

笑い物にされたり、
常識人のイケおじパートナー(夫や元夫)が

良かれと思ってしてくれた事に
追い詰められたかと思えば、
本当の事が言えずに悩んだりするけれど
結局、自分が信じる方向にがむしゃらに突き進んで行った

主人公側ばかりでは無く、パートナーや子どもたちからの

家族目線で追う事によって
単に、ママの常識外れな行動を正当化するばかりではなく
次第に理解し、心強い味方になって行く過程までもが描かれていて
自慢のママ、家族の誇りへと絆を取り戻すまでの紆余曲折が、

じんわり染みて来る良作となっていた










〈オマケ〉
イケおじのパートナーと言えば、
海外ドラマの『マダム・セクレタリー』の主人公
元CIA分析官のエリザベス・マッコードが

🇺🇸合衆国国務長官を経て、初の女性大統領になる物語の中で
彼女を支える夫のヘンリーが理想のパートナー像となっている







宗教学者として大学で教鞭を執る一方で、

元海軍兵の戦闘機パイロットだったと言う経歴が有り
責任重大・多忙を極める妻を絶妙な距離感でサポートしつつ、
それぞれ個性的な3人の子供たちの父親として試行錯誤しながら
時に厳しく、常にあたたかく見守る姿に

キュン♡とする視聴者も多かったことだろう


『マダム・セクレタリー』自体がとても見応えの有る作品だった
もしかすると、近々ガラスの天井が打ち破られるかもしれない今、
もう一度見直してみても良いドラマかもしれない‥



6月に観た映画は21本
内、5本は劇場鑑賞

先月観た映画では、一瞬連想した事で

勝手に泣きそうになった作品が有った

その1本目は『関心領域』で
本作自体は、アウシュビッツと壁一つを隔てて、

平和で豊かに暮らす収容所長一家の穏やかな日常風景が

淡々と続くもので



その壁の向こうを走る列車がたなびかせる煙を見た途端、
『シンドラーのリスト』の一場面を思い出して胸が苦しくなった

ソ連赤軍の侵攻によって各地の収容所が解体され、2万人余りのユダヤ人が絶滅収容所へ移送される事となった1944年
シンドラーは、ポーランドの工場で雇っていたユダヤ人の従業員たちを
引き続き彼の出身地に買った工場で軍需物資の生産ラインに従事させるとしてリストアップして
クラクフの収容所の所長を買収し、チェコ行きの列車に乗せるのだけれど
手違いで300人ほどの女性従業員たちがアウシュビッツの方に送られてしまう

壁の向こうの汽車の煙は、救いの地チェコではなく、絶滅収容所に着いてしまった女性たちの動揺を思わせ
すんでのところでシンドラーが現れるシーンが目に浮かび涙が滲んだ






『関心領域』は、観る者によって底知れぬ恐怖の度合いが変わる
『夜と霧』(ヴィクトル・E・フランクル著)を読んだ事が有り

『シンドラーのリスト』などの関連作品を観ていた自分にとって
壁のこちら側で無邪気に遊ぶ子供たちや

収容所長の妻が丹精した庭で咲き誇る花々

優雅な音楽などが、白昼夢のようでしかなかった





【6月に観た映画】


シアターキノ
🎦 PERFECT DAYS
2023年日本
ヴィム・ヴェンダース監督
役所広司主演

ユナイテッドシネマ札幌
🎦 マッドマックス:フュリオサ
2024年米国
ジョージ・ミラー監督
アニャ・テイラー=ジョイ主演

jcom
📺 マッドマックス 怒りのデス・ロード(再)
2015年米国
ジョージ・ミラー監督
トム・ハーディー&シャーリーズ・セロン

アマプラ
💻 エモーショナル・ラブ
2018年米国
ダヴ・スピアマン監督
スコット・ベイリー& ダリル・スティーヴンス主演

アマプラ
👛💻ザ・メニュー
2022年米国
マーク・マイロッド監督
アニャ・テイラー=ジョイ主演

GEO
📀 aftersun/アフターサン
2022年英国・米国
シャーロット・ウェルズ監督
ポール・メスカル&フランキー・コリオ主演

GEO
📀ドミノ
2023年米国
ロバート・ロドリゲス監督
ベン・アフレック主演

GEO
📀福田村事件
2023年日本
森達也監督
永山瑛太出演

GEO
📀つぐみ
1990年日本
市川準監督
牧瀬里穂主演

Netflix
💻藁の盾
2013年日本
三池崇史監督
大沢たかお主演

Netflix
💻フラクチャード
2019年米国
ブラッド・アンダーソン監督
サム・ワーシントン主演

GEO
📀黙秘
1995年米国
トニー・ギルロイ監督
キャシー・ベイツ主演

GEO
📀黒部の太陽
1968年日本
熊井啓監督
三船敏郎&石原裕次郎主演

Netflix
💻2人のローマ教皇
2019年アルゼンチン・伊・英・米国
フェルナンド・メイレレス監督
ジョナサン・プライス&アンソニー・ホプキンス主演

TSUTAYA
📀 ポッド・ジェネレーション
2023年ベルギー・英国・仏国
ソフィー・バーセス監督
エミリア・クラーク主演

TSUTAYA
📀助太刀屋助六
2001年日本
岡本喜八監督
真田広之主演

Netflix
💻 THE FIRST SLAM DUNK(再)
2022年日本
井上雄彦監督
井上雄彦原作

TSUTAYA
📀 いつか眠りにつく前に
2007年ドイツ・米国
ラホス・コルタイ監督
クレア・デインズ主演

札幌シネマフロンティア
🎦チャレンジャーズ
2023年米国
ルカ・グァダニーノ監督
ゼンデイヤ主演

シアターキノ
🎦関心領域
2023年ポーランド・英国・米国
ジョナサン・グレイザー監督
クリスティアン・フリーデル主演

札幌シネマフロンティア
🎦クワイエット・プレイス:DAY1
マイケル・サルノスキ監督
ルピタ・ニョンゴ主演





本筋とは別に勝手に泣きそうになったもう1本の映画

『クワイエット・プレイスDAY1』


喧騒に満ちた都市NYが、突然侵略して来た地球外生命体によって

たった1日で伽藍堂の様に沈黙した状態に陥った姿が
コロナ禍でロックダウンした時のNYと重なってしまったからだった


感染爆発した大都市の医療体制を破綻させないため
ゴーストタウン化したタイムズスクエアを見て

戦慄を覚えた記憶がまざまざと甦った




一方、この作品はフラッシュバックした情景とは違い

終始緊張感を強いられる種類のホラー映画だけれど、

絶望感だけで終わる胸糞映画じゃない


足手まといになる懸念を払拭した上、

心強さも感じさせる存在とか🐈
一昔前の、この手の作品の“ヒロイン”的なポジションが

英国からのエリート系男子ロースクール生だったりする意外性とか
主人公(本当のヒロイン)の命懸けの、
一番のコダワリを昇華させた心意気などなど‥🍕

おススメしたいポイントが詰まった、

エンタメ性を含んだ作品となっている





🐈好き必見の映画です


役所広司さんがカンヌの最優秀男優賞を受賞したし、
周りからも良い映画だと聞いていたけれど
別に、映画館まで足をはこばなくとも
📀になったら観ようと思っていたところ
思いの外、ロングラン上映されてタイミングが合ったので劇場鑑賞する事が出来た





特に、ハートを鷲掴みにされると言った類いの映画では無く
また、繰り返し観に行きたいと言う衝動も起きなかったが
観た後、しみじみ良かったなと思う余韻は残った
そして、かなり受け手側に委ねるところが有る作品だと感じた

私の個人的な感想としては
主人公の平山氏は長い間服役していたとか
長患いで入院していた人から受ける雰囲気を持っているように思えた
一度成功した人生から、リタイアを余儀無くされた人の匂いだった





ダラダラと夜半まで自由にTVを観て、翌日は昼過ぎまで惰眠を貪ったり
何かのイベント事で豪華な食事に出掛けるとか、
気ままに旅に出る事が決して出来ないような規則的な生活を長年送って来て、
いつしか、それが当たり前となり、特に苦痛も感じなくなっているようで
淡々と、ルーティーンに仕事と趣味の木を育てる生活を繰り返す中
ささやかな楽しみを味わっている主人公の暮らしはあまりにもミニマムで


塀の外にいるし、アルコールも呑めるけれど
ほとんど受刑者や入院患者の生活と差は感じられず

ただ、その生活を強制されているか、自ら回しているかの違いだけに見えなくもない






平山氏は、寡黙でほとんど大きな感情の起伏を見せないものの
何故か父親とは疎遠になっていて、
どうしても、彼を許す事が出来ない事情があるようだ

また、密かな、淡い好意を抱きながら
積極的に関係を深めようとはせず、
現状の「ちょっと周りよりは贔屓されている常連客」と言う立場に甘んじていたら
相手(小料理屋のママ)に、泣いてすがる存在がいる事を知って動揺する場面も有り
無口で穏やかなだけでは無い平山氏の一面が垣間見えたりする






若い同僚の勝手気ままに付き合ったり、

姪っ子の短い家出を受け入れるなど
さざなみが立つ事は有っても、基本変わらない主人公の生活は
いつかは、“老い”と言う避けがたい現実が立ち塞がって
終わりを迎えるのだろうが

それまでは、
簡素な住まいで早朝に目覚め
無心に公衆トイレを磨き
木漏れ日の下でランチを頬張り
お気に入りの景色をカメラに納め
熱い銭湯の湯に浸かり
仕事の後の一杯といつもの夕食の後は
眠るまで、誰に邪魔される事なく読書にふける

そのPERFECT な日々を羨ましいと思うか、

いやいや私には無理と感じるか




それは、観る人の立場や性格、年齢、経験などの様々な要素による
それぞれの想いを載せる余地を残した作品だからこそ
こうしてロングランで上映されて来たのだろう







〈長い長い余談〉


トイレの清掃員が主人公の物語と聞いていたけれど
本作では、平山氏が一心に清めていく公衆トイレは、

それほど汚れた描写が無かった





映画に出て来る汚いトイレと言えば、
私の中では、ダントツ『トレインスポッティング』で
ユアンが呑み込まれるソレだが🚽
あそこまで行かずとも、
コンビニでバイトをしている友人から聞く

不特定多数が利用するトイレの惨状と違って
『PERFECT DAYS』の公衆トイレは綺麗過ぎて
ヴィム・ヴェンダース監督が作った一種の極東の島国における

ファンタジーの様に感じてしまった






そして、一番気になったのは、
毎朝出勤前に主人公が自宅のアパート前の

自販機で買って飲む缶コーヒー
役所広司その人が出演しているサントリーBOSSのロゴが
シッカリとこちらに見えるように映っている事が終始気になって
結局、この映画の世界観に心からのめり込めなかった理由は
その一点だったかもしれないw



なお、
本作を観る半月ほど前に『たどんとちくわ』と言う
1998年に市川準監督が撮ったかなりシュールな作品を観ていた
ダブル主演の真田広之が、

それはそれは美麗な頃の映像が目の正月なのだけど、
ストーリーがブッ飛び過ぎて付いて行けず、
若き日の役所広司の役も
最初は長距離の客に上機嫌で話し掛けていたものの
何かの拍子に突然キレて、

その乗客を襲ってしまうタクシードライバーと言う不条理展開で、
正直、この📀を借りて観た事を後悔していた





ところが、『PERFECT DAYS』で役所広司演じる平山氏が、
その日のフェバリット・ソングのカセットテープを聴きながら
早朝、職場までの道のりをご機嫌で運転する場面を観た時、
情緒不安定なタクシードライバーとのコントラストが

内心堪らなく面白くなって
そこで初めて、

たまたま両作を同時期に観られた自分を何てラッキーなんだ❣️と
セット買いの満足を得たと言う余談‥




昨年まで、日本の映画は年に4〜5本程度しか観て来なかった
それが、最近は月に4〜5本のペースで邦画を観ている
とは言え、映画館で見掛ける予告の中に心惹かれる作品は少なく
どちらかと言えば、

公開から結構経った作品が、ロングラン上映されているのが気になって観に出掛けたり
見逃していた名作を手に取る機会が増えて
今日は『黒部の太陽』を観た


三船敏郎と石原裕次郎がダブル主演の本作は、

とても一言では感想を書き切れそうにない

そして、多分

ここまでのスケールの映画は、

もう二度と日本で撮られる事は無いだろう




【5月】

Netflix
💻彼方に(再)
2023年英国
ミサン・ハリマン監督
デヴィッド・オイェロウォ主演

ABEMA
💻スパイ・ウルトラ
2019年メキシコ
ギレルモ・イヴァン監督
マイク・キングスベイカー主演

Netflix
💻バーバリアン
2022年米国
ザック・クレッガー監督
ジョージナ・キャンベル主演

アマプラ
💻アメリカン・フィクション
2023年米国
コード・ジェファーソン監督
ジェフリー・ライト主演

ユナイテッドシネマ札幌
🎦異人たち
2023年英国・米国
アンドリュー・ヘイ監督
アンドリュー・スコット主演

ユナイテッドシネマ札幌
🎦ゴールデン・カムイ
2024年日本
久保茂昭監督
山﨑賢人主演

アマプラ
💻パリの恋人たち
2018年仏国
ルイ・ガレル監督
ルイ・ガレル主演

アマプラ
👛💻銀河鉄道の父
2023年日本
成島出監督
役所広司主演

Netflix
💻アイ・アム・サム
2001年米国
ジェシー・ネルソン監督
ショーン・ペン主演
(子役 ダコタ・ファニング)

Netflix
💻私は世界一幸運よ
2022年米国
マイク・バーカー監督
ミラ・クニス主演

Netflix
💻カラオケ行こ!
2024年日本
山下敦弘監督
綾野剛& 齋藤潤主演

GEO
📀たどんとちくわ
1998年日本
市川準監督
役所広司&真田広之主演


かなりシュールなこの作品で、

若き日の役所さんは『PERFECT DAYS』の主人公と

まるで対になっているようなタクシードライバー役だった





アマプラ
💻メタモルフォーゼの縁側
2022年日本
狩山俊輔監督
宮本信子&芦田愛菜主演

GEO
📀ザ・ホエール
2022年米国
ダーレン・アロノフスキー監督
ブレンダン・フレイザー主演

GEO
📀ブラックライト
2021年豪州・中国・米国
マーク・ウィリアムズ監督
リーアム・ニーソン主演

アマプラ
👛💻異人たちとの夏(再)
1988年日本
大林宣彦監督
風間杜夫主演

アマプラ
💻コカイン・ベア
2023年米国
エリザベス・バンクス監督

ケリー・ラッセル主演

TSUTAYA
📀 CLOSE/クロース
2022年ベルギー・オランダ・仏国
ルーカス・ドン監督
エデン・ダンブリン主演

Netflix
💻ザ・キラー
2023年米国・仏国
デヴィッド・フィンチャー監督
マイケル・ファスベンダー主演

TSUTAYA
📀それでも私は生きていく
2022年ドイツ・仏国・英国
ミア・ハンセン=ラヴ監督
レア・セドゥ主演

アマプラ
💻クライ・マッチョ
2021年米国
クリント・イーストウッド監督・主演


5月に観た21作品の内、

劇場鑑賞は『異人たち』と『ゴールデン・カムイ』の2本




邦画『異人たちの夏』のリメイクと聞いていたけれど
『異人たち』の作品の印象は全く違った


オリジナルは、風間杜夫が演じる主人公がノスタルジックな下町の風景の中で
亡くなったはずの両親から歓待されて、ついつい何度も実家に足をはこんでしまい
威勢が良い父親や若く美しい母親にドギマギしながら過ごす場面などが心に残っていたが






『異人たち』の方は、同性愛者である中年男性の視点が中心で
幼い頃に亡くなった両親との再会や

心が通じ合う年下の恋人との巡り逢いによって
常に異端と感じて来た孤独感や、

親の愛情を注がれるべき時期を早くに逃した事に対する
埋め合わせと癒しが画面から溢れて来る


特に、あるシーンでのジェイミー・ベル演じる父親の台詞と

歌詞が呼応している『Always on My Mind』が流れるなか

無邪気にクリスマスツリーの飾り付けをする場面では鼻の奥がツンとなった






本作を観た後、数日間は

プレスリー、ウィリーネルソン、エリッククラプトンの歌声や

勿論、ペットショップボーイズのバージョンで

『Always on My Mind』を聴き続けていた