国際会議の開催が近づいてきました。
ここまでくると、事務局の仕事は「新しく何かを手配すること」よりも、「これまでに手配したことを確認すること」が増えてきます。
どうやら参加者のみなさんも、会議の1週間ほど前になると、ご自身の旅程や宿泊先などを改めて確認し始めるようです。
そのため、この時期になると、さまざまな問い合わせが一気に増えます。
「ホテルはどこでしたっけ?」
「空港からはどうやって行けばいいですか?」
「帰りのバスは何時に出発しますか?」
「もう少し早く確認してくれたらありがたいのになぁ……」
と思うこともありますが、みなさんそれぞれ忙しい中で準備をされているので、まあ仕方ありません(苦笑)。
そんなわけで、会議直前の事務局は、いつにも増してメールのやり取りが活発になります。
最近、頭の中によく浮かぶ言葉があります。
「あれ、この人にホテルの予約確認書、送ったっけ?」
「帰りのフライト、聞いたっけ?」
「この人、ウェルカムディナーに参加するんだっけ?」
「参加費の請求書、もう送った?」
そして、メールを検索します(笑)。
もちろん、参加者の情報は一覧表にまとめています。
でも、国際会議には世界各地から参加者が集まります。
到着日も違えば、宿泊先も違う。
会議前日に到着する人もいれば、数日前から現地に滞在する人もいます。
空港からチャーターバスに乗る人もいれば、自分で会場に向かう人もいます。
そして、予定は変わります。
「帰りの飛行機を変更しました」
「ウェルカムディナーに参加できそうです」
「やはりホテルをもう1泊追加したいです」
そんな連絡が届くたびに、参加者一覧を更新します。
ただ、更新したつもりでも、
「あれ、この変更はホテルにも伝えたっけ?」
と、また確認が始まります。
一つの変更が、いくつもの確認につながる
たとえば、参加者のフライトが変更になった場合。
新しい便名と到着時間を確認する。
空港からの移動手段を確認する。
必要であればホテルに到着時間を伝える。
チャーターバスの乗車リストも確認する。
そして、参加者本人に変更後の案内が伝わっているかを確認する。
一つの変更でも、関係する人や手配がいくつもあります。
「フライトを変更しました」
という一通のメールの裏側で、事務局ではいくつかの確認作業が発生しているわけです。
「確認したつもり」が一番こわい
最近、特に気をつけているのは、
「たぶん大丈夫」と思ったときほど、もう一度確認すること。
以前メールでやり取りした記憶があっても、実際に検索してみると、まだ返事をもらっていなかったりします。
逆に、未対応だと思っていたことが、すでに終わっていることもあります。
人間の記憶って、案外あてになりません(笑)。
しかも、国際会議の準備では、メールだけでなくWhatsAppなどからも連絡が届きます。
「どこでやり取りしたんだっけ?」
と探すこともあります。
情報を一つにまとめたとしても、それが最新の状態になっていなければ、安心して使うことはできません。
忘れないことより、確認できること
以前は、仕事ができる人というのは、いろいろなことを覚えていて、何を聞かれてもすぐに答えられる人なのかな、と思っていました。
でも、最近は少し考え方が変わってきました。
何十人もの参加者のフライトや宿泊、食事制限、支払い状況などを、すべて頭の中に入れておくのは無理があります。
大切なのは、
「忘れないように頑張ること」よりも、「忘れても確認できる状態にしておくこと」。
誰から、いつ、どんな連絡があったのか。
その連絡を受けて、何を変更したのか。
誰に伝える必要があるのか。
それが分かるようにしておけば、記憶だけに頼らずに済みます。
もちろん、私もまだまだ試行錯誤中です。
一覧表を更新しながら、
「この項目も追加しておけばよかった」
「この情報は別のシートにまとめたほうがよさそう」
と思うこともあります。
会議の準備を進めながら、事務局の仕事の進め方も少しずつ改善しているところです。
何も起きないことが、きっと一番いい
国際会議が始まったとき、参加者が無事にホテルに到着し、予定どおり会場に集まり、安心して会議に参加できる。
それが一番です。
そのために、開催直前の事務局では、地味な確認作業が続きます。
送ったっけ?
聞いたっけ?
伝えたっけ?
確認したっけ?
今日もそんなことを考えながら、メールと参加者一覧を行ったり来たりしています。
そして、また一つ確認が終わると、少しだけ安心します。
国際会議の事務局の仕事は、「何かをすること」だけではなく、「何も問題が起きないように確認すること」でもあるのだな。
そんなことを感じている、会議直前の日々です。